藤村シシンぶろぐ


 

2008. 10. 24
      神話をクソ真面目に描いてみる企画〜オルフェウスのラストソング〜

――どうせ今日も「ウワーっ!?オチンチンがっ!オチンチンがとれちゃったぁ〜っ!!」とかそんなどうしようもない下ネタで始まると思うでしょ?始まらないの、それが。 
 
今日は真面目に語ってみたい、ギリシャ神話を! 
楽人オルフェウスの物語を。 
 
死んだ妻を取り返すため、冥界のハーデスの前で彼が吟じた歌は、それはそれは悲しく美しかったという。 
だけど、私は、彼が人生最後に歌ったこの歌の方が美しいと思うんです。 
 
(以下、流血表現注意。) 
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(※…「ヒアシンス(ヒュアキントスの花)」は、古代ギリシャではパンジーの一種ことです。多分今は無い種類。) 
 
――あ〜なんか私が描くと全然ダメで申し訳ないんですが、 
オルフェウスは、酒神ディオニュソスに自分のことを崇拝する(歌う)ように命じられるも、 
「僕が崇拝してるのはアポロンただ一人だから、お前さんのことは歌えない。」。 
で、嫉妬したディオニュソスに八つ裂きにされながら、最後首だけになっても歌ってる、という…。 
 
っつーか、そりゃあ自分のライバル(アポロン)ののろけソング延々聞かされたら、私がディオニュソスでもコイツぶっ転がすよ!! 
 
「いつ俺の歌になるのかなぁ〜……って最後までアポロンかよ!!」って感じだったと思うよ、ディオニュソス! 
 
「もう意味が分からない!!俺の大っ嫌いなアポロンが美少年とニャンニャンしてる歌を延々聞かされた!!ってそりゃあ怒るだろ!! 
 
だけど、オルフェウスにとっては、自分に楽才を与えたのはアポロンだし、 
最後もアポロンの歌を歌って殺されたい。とか、 
 
歌の中のアポロンのヒュアキントスへの嘆きに、自分と奥さんへの思いを重ねてる。とか、 
 
かつて奥さんを取り返すために、ハーデスの前で歌ったという過去、 
だけど今は、死ぬためにディオニュソスの前で歌ってる、という対比とか、 
 
八つ裂きにされながら、自分の体に滴る血の真紅に、 
そうだ、この色をアポロンは愛したんだ。とか、 
 
アポロンは養子である僕のことも、ヒュアキントスのように 
愛してくれただろうか、 
そして、僕は妻と同じ場所に行けるんだろうか。 
 
とか、色々な考えがめぐっただろうなあ!とかさあ!
『わが父アポロンは誰よりもそれを愛した』にはもうオルフェウスの万感の思いが込められてるんだろうなあとか!――……ああっ!これよね!ギリシャ神話ってこれよね!!この美しさも醜さも全部詰まってるような感じ!! 
 
 
――それに引き換えアポロンの
うっかり八兵衛っぷりと言ったら…。 
アポロンはさ……なんていうか自分の「医術の神」っていう特性をまるで生かせてないわよね。 
どうでもいい連中がケガした時には治せるのにさ!大切な人は治せないのよね!! 
 
ディオニュソスが、「俺の体が八つ裂きに!頼むくっつけてくれ!!」とか、 
ハーデス様が
「肩に矢が刺さったぁああ〜〜もうダメ!もう私死ぬ!!」って時は普通に治せるのにさ! 
あのさ、
ディオニュソスとハーデスなんて、そんなのアポロンにとっては一番どうでもいい連中じゃん。 
 
「アイツらが今死ぬだろ…。問題無い!ってレベルじゃん!「なめときゃ治る。」くらいの診断でいい連中じゃん!!そういう連中は治せてどうして…! 
 
 
それとも、あれなのかな!?大切な人だとテンパっちゃって手術に手が着けられなくなっちゃうとか!? 
 
アポロン
「ああっ、メス!私のメスがない!メスどこー!?……あっ!あったッ……ってこれ万能ネギじゃんかよーっ!!」 
 
 
 
――真面目に話するとか言って、結局こんな話に…! 
 
でも、ギリシャでは神が人間を「殺す」という行為は、時に「愛する」という行為よりも強いつながりをもたらしてしまうもの、と考えられています。 
なので、当然アポロンとヒュアキントスは一緒に祭られていますが、 
それと同じくらいディオニュソスとオルフェウスの二人も一緒に祭られてることが多いという…。皮肉ですよね。 
それに、
オルフェウスは、不死になっちゃったから、死んで奥さんと一緒になることもできなかったんじゃないかなあ。 
 
あ、それと私は、「アポロンは誰よりも彼を『愛した』」と書いてしまいましたが、元のラテン語だと「delixit」という動詞で、これは
「重宝した」とか「選び出した」とか、「大事にした」とかそういうニュアンスなので、恋愛してるという感じではない気がする。 
 
 
・・・・・・・・・・・ 
そして、すみません、
11月の初めまで日記とかサイトの更新は難しくなります。 
10月末からちょっと大きな発表がありまして…
ほんと、私、オルフェウスよろしくハーデス様の御前で一曲吟じる心境よ!! 
 
ああっ、もう絶対ハーデス様泣かせたる!!涙でぐじんぐじんにしてやるよ!! 
絶対あの氷の心を溶かすような発表をして…!絶対ギリシャ神話を助けたる!だからどうか、アポロン!私に力を貸してくれ…!!
 
 
 
そんなわけで、しばらく空けま〜す!つっても、2週間弱だから見た目にはあんま変わりないでしょうが、私的には、ほんと冥界に突撃する心境だからさ…! 
 
あっ、明日の「絶対やれる!ギリシャ神話」の感想は書けたらこの後に書きますぜ! 
 
拍手のお返事はこの下に書きます!少々お待ちを!
  
 



藤村シシン
古代ギリシャ・ギリシャ神話研究家。
高校で出会ったアニメ『聖闘士星矢』がきっかけでこの道へ。東京女子大学大学院(西洋史学専攻)修了。
著書『古代ギリシャのリアル』(実業之日本社)。 NHKカルチャー講座講師。平成28年 東京国立博物館『特別展・古代ギリシャ』公式応援サポーター。 古代ギリシャナイト主催。 など。

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2008. 10. 24 神話をクソ真面目に描いてみる....
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2008. 10. 18 ローマ vs ギリシャ、神話描写....
2008. 10. 13 アポロン&ハーデスになぞらえ....

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