藤村シシンぶろぐ


 

2008. 8. 8
     

オリンピック始まりますねー! 
ああ、古代オリンピックとは直接の関係まるで無しですが、やっぱりわくわくしちゃうよ!! 
 
 
でも、この時期、古代ギリシャ史のお偉いさん方は大変らしいよ。 
オリンピアのヘラ神殿での聖火の点火式とか、 
 
「遺跡が荒れるからホントやめて!点火式他のところでやって!」っつって毎度抗議してますけど、すでに最初からボロボロじゃん!!っていう。 
 
この前も、
日本人の方の遺骨を、オリンピアの聖域で散骨してる現場を見つけて、羽交い絞めにして止めたとかなんとか…。 
 
「ウワーー!!止めて下さいっ!何百年後かの考古学調査で骨が見つかって、『古代ギリシャには日本人がいた』ってことになったらどうするんですかッ!」っつって!
(遺跡から何かを持ち出すのも、遺跡に何かを置いてくるのも、多分300万くらいの罰金刑になります。) 
 
あとは、目を離した隙に、息子がスニオン岬のポセイドン神殿によじのぼってるのを見てキレて、一本背負いでブン投げた先生の話とかも聞きます。 
「俺はポセイドンとは家族でも兄弟でも何でもないのに、血のつながった息子に一本背負いをかけた」 
絶対ヤだよそんな親父!! 
 
何はともあれ、開会式楽しみです!! 
 
拍手のお返事は次回に…!すみません!ありがとうございます!! 
ギリシャ旅行記、今週中にはアップできると思います。遅くてすみません。 
..20:27
  
 

 

2008. 8. 14
      ソンディ・テストをやってみた (+オエビ練習/拍手お返事)

(→なんとなくディオニュソス描いてみました。美青年なのに、笑いを取るためならこえだめに頭から突っ込めるような彼がとても好きです。) 
 
突然ですが、今私の周りだけで流行ってる
「ソンディ・テスト」なるものをやってみようと思います。 
 
ソンディ・テストとは、「ロールシャッハ・テスト」と並ぶ有名な心理学の精神分析法の一つです。 
「8枚の顔写真の中から、自分の好きな顔、嫌いな顔をそれぞれ2枚ずつ選ぶ」を6セットやることで、自分の「4つの衝動」のタイプが分析できるという…まあ、心理テストみたいなもんです。 
ttp://www2.osk.3web.ne.jp/~hani/szondi/ 
(↑ここのページでやれますが、古い顔写真とか見るのがイヤな方には向かないかも。) 
 
さて、やる前に一言言わせてもらうなら……「ご冗談を」、と。好きな顔と嫌いな顔選んだくらいで私の心を分析されてたまるかよ!と! 
――そんな反抗心を胸に、いざテストを受けてみます! 
 
<私の結果> 
 
●性衝動 +0タイプ 
ある特定の人への盲目的な愛情表現型。 
個人的な愛情欲求が高まり、それが満足できないので、 
かえって積極的なアプローチも、受動的奉仕もできない。」 
 
全く否定できないどころか「ある特定の人」ってこれあれでしょ!?完全にサガ様のことでしょ!!?もしくは、ギリシャ神話とか、ハーデス様とかでしょ!?完全に当たってる! 
 
●発作衝動 --タイプ 
「激情はあるが外に出すことを抑圧する内的恐慌型。 
荒々しい感情を押さえて、暴発しないように努めているので、 
内心は不快感や不安感が増大して、パニック状態になっている。 
感情爆発を押さえているので楽しくない感じ。」 
 
っつーか
本当に激情のままに動いたら今頃ギリシャにハーデス様のでーっかい神殿を建ててるよ!!そして私はそこの神官になってある程度一生終わらせてやるわ!! 
当たってる!当たってますけどね、この結果! 
 
 
 
●自我衝動 -+タイプ 
「自己万能とこれに対する禁止が調和している自己抑制型。 
一方ではあらゆる事に万能でありたいと望むが、 
これを制限しようとする働きもあるので、あまり問題にはならない。 
禁止傾向が強まると破壊的になりかねない。」 
 
ちょっと待ってよ、この「-+タイプ」とか、「+-タイプ」ってのが一番バランス取れてる結果だろ!?じゃあせめて
「お前は英雄!」とか、「お前以外、皆、愚民!」みたいなこと書いてくれよ!!上二つの結果でちょっとショック受けてるんだからさあ!! 
 
 
●接触衝動 *+タイプ 
「密着した結合と、古いものも新しいものもほしい集中不良型。 
古いものとしっかり結びついたまま、古いものにも新しいものにも 
興味があるので精神集中ができない。 
注意が散漫で、一つのものを確実につかめない。」 
 
私のガラスハートが丸裸だよ!! 
…ってか、ちょっと待って、なんでこんなめちゃくちゃ当たってるんだ!しかも私、グズグズのダメ人間!!どうして顔の好み選ぶだけでこんな深いことがわかるんだよ!!どういう仕組みなの、これ!? 
 
 
 
――と、いうことであまりにも感動したので、ちょっと
サガ様になりきってこのテストを受けてみようと思います。 
 
「私はサガ様、私はサガ様…」 
 
<サガ様になりきって答えた結果> 
 
●性衝動 0-タイプ 
受動的で自己犠牲を伴う献身型。 
個人愛、人間愛、攻撃性は抑圧されている。 
極端な場合はマゾヒズム、ホモ。 
しかし一般には日本人によく見られる反応である。 
 
●発作衝動 *-タイプ 
自己を社会から隠し、
良心は、善と悪との葛藤に苦しむ隠蔽良心葛藤型。 
邪悪な欲求と、善良な良心とが対立して、内的なパニック状態となっているが、 
それを社会行動には出さない。本人は苦しいが社会的には問題無い。 
 
●自我衝動 0+タイプ 
宇宙への無限な空想発展型。自我拡大、夢見がちで未来思考。 
極端な場合では色情狂、宗教妄想者もでるが、詩人、哲学者にも多い。 
思春期に一時的に見られることもある。 
 
●接触衝動 0*タイプ 
人やものに頼るべきか、別れるべきか迷う意志不定型。 
伝統的な古い観念や両親に従うべきか、反抗すべきか、意志の決定に迷う。 
執着も離反もできなくて、対象との接触に不幸な結果を招くことが多い。 
 
 
――私って、もしかしてサガ様だったんじゃね? 
すごい合ってない!?私の中で、サガ様ってこんな人よ?!私、いつでもサガ様になれるじゃん、この先!! 
 
ちなみに、アイオロスにもなりきってやってみたんですが、それは全然当てはまってなかった…私では英雄の心理にはなりきれない…。 
 
 
――そんなわけで、最初に紹介させてもらったリンク先でソンディ・テストが出来るので、興味がある方はぜひ。3分あれば出来ます。 
ただ、やり方間違えると、生きる気まんまんなのに
「生きる屍」とか、「要するにお前は糞野郎」とかがじゃんじゃん出るらしいんで、ちゃんと説明読んでやった方がいいです。 
 
あと、みんなでやった結果を見る限り、このテストは基本的にポジティプなことを言ってはくれない…と思う。ただ単に私の周りが糞野郎ばっかということも考えられるけど(笑)。 
私は、「激情を表に出せずに内的パニック状態」「注意が散漫」という結果にかなり滅入った…当たってるだけに。でも、みんなもそんなもんだったんで、あんまり好ましい結果が出なくてもそれが普通だと思います。 
私は、心理学のことはよく分からないので恐縮ですが…。 
 
とにかく、とても面白かったし勉強になりました! 
 
 
●近況 
●なかなか更新とかできずにすみません…ギリシャ旅行記とかまとめるだけだからパパッと更新したいんですけど…、でも、まとめてる時にあの時のテンションにならないとダメなんですよね…!書いてても、「いや…この時はもっと興奮してたからこういう表現じゃなくて」とか…。もうまとめるというより、テンションを上げる作業ですよ!本当に、どうやったらこの平凡な生活の中でデルフォイに行った時のテンションに持ち込めるんだよ! 
ということで、早めに続き書きます。すみません。 
 
●色々お返事遅くなっててすみません! 
●バトンありがとうございます!後で答えさせていただきます! 
それと、mixiの方も。どうして私だって分かったんだろう…ちょっと嬉しい(笑)。すみません、あんまりmixi使ってないんでかなりどうしていいか分からないんですが、あとで何かしら連絡します、すみません! 
 
●拍手押して下さったかた、ありがとうございます!励みになります! 
10回押してくださる方とか、すごく手間なのに…本当にありがとうございます。 
 
以下、拍手のお返事です!
 
→続きを読む
  
 

 

2008. 8. 19
      2008年!バカ・オブ・ザ・イヤー

……馬鹿じゃないの…? 
 
いやもう、ほんと…馬鹿じゃないの…? 
 
 
…え〜…他大学の古代ギリシャ史の山田先輩(男:仮名)が… 
「古代ギリシャの兵士の気分になってみたい」という目的で、 
 
この炎天下に10キロ以上ある鉄の甲冑を着て竹刀ふり回して走りまくってたら、脱水症状で倒れました。 
 
山田
「36度の真夏日に大学で甲冑着て『俺は古代ギリシャの戦士だぁーーっ!皆の者ぉ!俺に続けェーー!!』とか一人でやってたら、倒れた…」 
 
馬鹿じゃねえの!? 
 
 
もうね、倒れてた山田先輩を発見した学友の話によると、 
大学の裏庭にさ、なんかさ、得体の知れない塊が落ちてたらしいのよ。 
何だこれと思って、いや、
人くらいの大きさで、 でも見た目は鉄の塊なのよ。 
で、よく見たらなんかこう
山田が鉄の甲冑をかぶって倒れてる感じ
・・・山田!! 
 
山田!?お前何してんの!?山田っ!?お前大丈夫かっ!? 
っつって、とにかくその甲冑を脱がそうとしたらしいんだけど、この炎天下でもうその甲冑が目玉焼きがジュージュー焼けるくらいの熱さなのよ!!もう全然笑えないよ!! 
 
結局、水をかけまくって事なきを得たからよかったものの、 
あんた一体何がやりたかったの?! 
 
山田
「いや、古代ギリシャ人ってさ、夏にしか戦争しないだろ?でも、ギリシャの夏はすごい熱いのに、あんな甲冑着て戦うってのは実際のところどうなんだろうって…」 
 
実際の古代ギリシャの戦場だったら今ごろお前の肩の上に首は乗ってないよ!! 
平和な日本の大学で竹刀振り回してるだけで脱水症状って!
ギリシャなんて今の時期42度だぞ、42度!!お前なんか3秒でぶっ転がされてるよ! 
 
 
山田「でも、これで俺の持論は証明できたぞ!」 
 
私「エ?」 
 
山田「やっぱり、夏の炎天下で長い間戦闘を続けるのは不可能!古代ギリシャの戦争は、非常に短時間なものだったに違いない!俺は15分でぶっ倒れたからな!」 
 
…いや、その台詞を
シュワちゃんとかが言うなら納得ですけど、頭しか使ってない文系のヒョロヒョロ男が言うのは全然違うだろうよ!! 
そんなんじゃねぇよ、古代ギリシャの男はよ!! 
 
 
で、この話を聞いた時は、古代ギリシャ史の先輩方と所用で集まっていたので、 
山田先輩の全快祝いというか、冥界から無事帰ってこれた記念に 
みんなでぱーっと飲もう!ということになり、 
 
山田
「藤村、教えてやろうか!冥王ハーデスがどんなツラの男だったのかをな…!」 
 
 
…っつーか、
古代ギリシャ史って軽くあの世見ないと結論出せないような学問でしたっけ!? 
 
――そんなわけで、
冥界のステュクス河をバタ足で泳いで帰ってきた男・山田を囲んでの飲み会と相成りました。 
 
 
 
それでさ…やっぱ、古代ギリシャ史をやってる連中っていうのは違うね。 
みんな普通だったら「山田、大丈夫だったの?」とか心配するじゃん。 
 
なのに、みんなの第一声。 
 
「「なんで俺たちも誘ってくれなかったんだよ!!そしたらみんなでファランクス(密集陣形)組んでもっと本格的にやれたのに!」」 
 
もう馬鹿ばっかだよ!!古代ギリシャ史!! 
 
 
そんな中、私が興味深かった山田先輩の話があるんですけど…。 
 
なんかね、もうあの時、完全に古代ギリシャ人になり切っちゃってたんだって。 
だから「あっ、これヤバイ…死ぬ…」って意識朦朧となった時に、 
古代ギリシャ人の思考回路で走馬灯が浮かんだんだって。 
 
「あ、そうだ…死んだ後、冥界でいい待遇を受けるためには、レテ(忘却)の河の水を飲んじゃいけないんだ…!」 
 
「それでこう言わなきゃいけないんだよな…
『私は星空と大地の息子。ムネーモシュネー(記憶)の泉から、何か飲むものを下さい。』」 
 
「ああ…ハーデス、頼む!!ムネーモシュネーの泉の水を飲まないと…!」 
 
 
ムネーモシュネーの泉の水を飲む前に、お前はポカリスエットを飲むべきだったな。 
 
だいたい、「ムネーモシュネーの泉の水を飲まなきゃ」ってそれおめーギリシャ神話じゃねえべ。 
いや、ギリシャ神話なんだけど…なんていうか、ゼウスが主神の普通のギリシャ神話じゃなくて、ディオニュソスが主神の方の分派の神話でしょうよ。ハーデスとか出てこねえぞそっちの神話にはよ!! 
どういう設定のギリシャ人でやってたんだよ! 
 
 
山田「っつーか、藤村も修論で(冥界の裁判官の)アイアコスを取り上げるんだろ?じゃあお前もアイアコスになり切ってなんかやってみろよ!」 
 
 
「私がアイアコスなら、山田先輩を『お菓子のカールを永遠に水無しで食う刑』に処します。」 
 
 
こんなふうに、山田先輩はかなりのアホですが、でもとてつもなく頭がいいと思った。 
だって先輩が身をもって示したように、この炎天下に甲冑着て激しい動きなんかしたらすぐ熱中症だよ。 
だから古代ギリシャの戦争はすごく短時間だったのかも。 
さもなきゃ、昔のギリシャは今よりも寒かったとか…? 
 
まあ、古代ギリシャの男は山田先輩なんかの10倍はスタミナがあるだろうけど…。でも、ファランクスっていう密集隊形をとって攻撃するから、
周り中あつくるしい男だらけですし。それで3時間…とかは無理だろ…。 
 
…まあ、これを証明するには…実証するしかない!! 
 
「やっぱり、先輩方でファランクス組んで戦ってるとこちょっと見てみたいですね…!」 
 
 
山田「だろー!?古代ギリシャにあこがれる男ならさ!一度はそういうの夢見るんだよ!!」 
 
20万のペルシャ軍をたった300人で破ったスパルタ兵!!アテネ人に憎まれながらも最期までアテネを守り続けた将軍ペリクレス!!そういう強い男にあこがれるんだーっ!! 
 
山田「藤村も戦史とか将軍とか研究しようぜ!神話なんかやってないで!」 
 
 
私「分かってないですね…
そういう屈強なギリシャの男どもが、アポロンの神託には一切逆らえない、っていうシチュエーションがいいんじゃないですか。」 
 
どんな屈強な男だろうが、左側からのくしゃみ一発で震え上がらせてやりますよ!! 
(※古代ギリシャでは、左側からのくしゃみは最悪の凶兆だった。戦いの最中にこれが起こった場合、ギリシャ人はあわてふためいて神々に対する供犠を行う。) 
 
 
…そんなわけで、山田先輩が無事で本当に良かったです! 
ていうか、本当に気をつけてください。救急車沙汰とかになったらどうすんだよ…! 
でも、
先輩方がファランクスを組む時にはぜひ見物させて下さい。 
 
 
今日の日記はなんか興奮しすぎで分かりづらくてすみません! 
後で冷静になった時に色々書き加えたいと思います…! 
 
そして、今は興奮しすぎてわけ分からなくなってるので、拍手のお返事はまたあとで、この日記に書き加えたいと思いますので、少々お待ちください!すみません! 
 
..12:41
  
 

会ったこともない山田先輩についついときめいてしまいましたwww
皆さん面白そうな人たちですね!
きっと古代ギリシャ人もそんなノリだったんじゃないかと思います(ぇ

..8/20 10:06(Wed)

ニィさん>ときめく要素は一つとしてナシですよ!!(笑)ただバカやって倒れただけですから…。でも、皆が面白い連中というのは本当です。本当に、古代ギリシャ人も、こんな連中だといいですね。コメントどうもありがとうございました。
..8/25 17:59(Mon)

 

2008. 8. 23
      拍手のお返事(8月17日〜23日)

拍手を送って下さった方、どうもありがとうございました!! 
このサイトの活力源です。ほんとうにどうもありがとうございます。 
 
コメントを送って下さった方も、どうもありがとうございました。とても楽しみに読ませてもらっています。そして、いつもお返事が遅くなってしまってすみません! 
 
そんなわけで、以下、拍手のお返事です。(8月17日〜23日) 
→続きを読む
  
 

 

2008. 8. 24
      錬金術師の弟子と、伝説のハーデスソング

――夏休み中なので、古代西洋史の集まりが連日続いているんですが…、 
 
山田先輩「おい、大変だーっ!!今日の集まりに、あの
『トリスメギストスの弟子』が来ることになったぞぉー!!」 
 
みんな「「…はあ?『トリスメギストスの弟子』…??」」 
 
トリスメギストスって…人類で唯一『賢者の石』を手に入れたという、あの伝説の錬金術師・ヘルメス=トリスメギストス!? 
ギリシア神話のヘルメスより3倍(=トリス)優秀(=メギストス)とかいう想像上の人物でしょ!? 
どういうこと?それの弟子って?? 
 
山田「なんだよお前ら!○○大学の黒川(仮)のこと知らないの!?
古代の西洋魔術を研究してる黒川だよ!すごい怖いって評判の!」 
 
なんでも噂では、 
『トリスメギストスが書いたという長大な魔術書「ヘルメス文書」をギリシャ語で読破した男』、 
『それゆえ仲間内からのあだ名は「トリスメギストスの弟子」』、 
MPは999だが、HPは3、 
『ちょっと小突かれただけで肋骨が三本折れた』 
 
「最後の方なんか違くないですか…?だいたい、オカルトっぽいことを研究してたって、怖い人だとは限らないんじゃ…」 
 
 
――と、そこに舞い上がる一陣の風! 
 
振り返ると、
「お、お前はルーラを使ってやってきたのか!?」というレベルで忽然と姿を現した、そう!その男こそが! 
 
 
黒川
―…こんにちは…今日はどうぞよろしくお願いいたします。黒川です…」 
 
――見た目の雰囲気は冥王ハーデスに暗黒のオーラをふりかけたカンジ、 
上から下まで真っ黒な服装
、 
そしてTシャツの胸元にラテン語の白ぬき文字で、 
 
 
「Roma tibi subito motibus ibit amoR」 
(お前が愛するローマは、突然の動乱の中で滅びるであろう) 
 
 
 
……ゴクッ。 
 
みんな
((怖ぇええ〜!!なんだこの文章…しかも右から読んでも左から読んでも同じだ…!!完全な回文だコレ…!怖ぇ〜!もうなんかあらゆる意味で怖ぇええ――!!)) 
 
…とにかく、一通りの挨拶と自己紹介を交わした後、 
「それでは、また後で」とくるっと背を向けた黒川。 
その背中に白ぬきのギリシア語で、 
 
 
ΝΙΨΟΝ ΑΝΟΜΗΜΑ ΜΗ ΜΟΝΑΝ ΟΨΙΝ 
(顔だけでなく、その罪も洗い清めよ) 
 
  
↑※回文。 
 
 
みんな
((このTシャツ…前も後ろも右から読んでも左から読んでも同じだ…!!)) 
 
 
私「…ちょ、ちょっと山田先輩…!
どうしてあの人、Tシャツの文字がどこから読んでも同じなんですか!?」 
 
山田「あいつ、記号論にも精通してて、あーいう回文とか、アナグラムとかが好きらしいんだ。あとヘビメタなテイストとか…。…そうそう、神話関係も詳しいだろうから、お前、後で話しかけてみたら?」 
 
私「エエッ!?」 
 
山田「大丈夫だって!
賢者の石とか、ヘビメタとか、回文の話とかふったらものすごい食いついてくるって!」 
 
その中に私の得意分野は一つとして無し!! 
賢者の石・ヘビメタ・回文って! 
完全に
ノーサンキュー・セットだろうがよそれ!! 
 
「私、『ハリー・ポッターと賢者の石』くらいしか知りませんし、回文のレパートリーも「たけやぶ焼けた」「上から読んでも山本山、下から読んでも山本山」しかないです!!」 
 
山田「いや、それでいけるって!
『ども〜!好きな言葉は「竹やぶ焼けた」、改名するなら「山本山」!藤村で〜すっ!』つって突撃しろ。」 
 
…殺されんぞ。 
 
 
 
でも確かに、黒川さんが神話詳しいなら、色々お話を伺いたいと思い、 
次の休憩時間に思い切って話しかけてみました。 
 
私「…く、黒川さん…えーと、
その回文、素敵ですね。」 
 
――何言ってんだ私… 
 
黒川「ああ…これ、古代最後の賢者シドニウスが作った回文なんです。完璧な回文なのに、完璧に韻を踏んだ韻文でもあるんですよ。
藤村さんも、回文にご興味が!?」 
 
いえ、無いです。 
 
 
…でも、そんなこんな話してるうちに分かったのは、 
この人…もしかして案外いい人なんじゃ…? 
 
黒川「――それじゃあ、藤村さんも神話がお好きなんですね。僕もです!ちなみに、誰が一番好きですか?」 
 
(良かった…「怖い怖い」とか言われちゃってるけど、それは見た目だけなんだな…。)「…あ、私は冥界神話というか…ハーデスが大好きです。」 
 
黒川「…あっ、じゃあ!!」 
 
私「?」 
 
 
黒川
♪ギャァアアア〜〜!ペルセフォネ〜〜!!ペルセフォネぇえええーーー!! 
 
……んっ? 
 
黒川
「WOW♪WOW♪トゥっギャザ〜・イン・アンダワールド〜♪ 
 
何だ!?何が始まったんだ!? 
この絶叫は一体全体何!? 
 
 
黒川
ハーデス・エンっ・ペルセフォっネぇー〜♪アァァあ〜〜♪ 
 
「く、黒川さん!?ちょっと…黒川さーんっ!?」 
 
黒川
ペルセフォっネぇー〜♪イン・アンダワー〜〜〜♪アァァあ〜〜♪」 
 
「黒川さあぁぁぁぁーーん!!もういいです!もう分かりました!何が分かったか分かりませんが、分かりました!!ほんとすみません!!もうけっこうです!! 
 
 
黒川「あ…ご存知ありませんでした?この曲?
『THERION』という北欧のメタル系のバンドの曲で…よくギリシャ神話をモチーフにした曲を作ってるんで、僕は大ファンなんです。…これはハーデスとペルセフォネーの曲で…藤村さんも好きそうかと…」 
 
 
まずそれを最初に言えよっ!! 
順序が逆だろ!!おまえ自身も回文かよ!! 
 
私「そうだったんですか…すみません、ヘビメタは詳しくなくて…。これ、どんな歌詞なんですか?『ペルセフォネー』しか聞き取れなかったんですけど」 
 
黒川「あっ、今iPodに入ってるんで聞いてください!」 
 
 
『Dark Venus Persephone』 
(※私の訳なので間違ってたらすみません) 
 
冥界の奥底 ハーデスとペルセフォネーは共に座する 
ケレスの娘よ、その嘆かわしい悲運 
エリシオンの野の果実を口にした時 
御身の命運は決まった 
 
冥界のペルセポネーよ 
 
冥界の奥底 永遠にそれがペルセポネーの宿命 
夏だけがその身を自由にする 
だが夫の元に連れ戻されることになろう 
ザクロの実を味わった時 
その命運は決まった 
 
冥界のペルセポネーよ 
 
冥界の奥底 
氷と雪の奥底 
キュアネの泉の奥底に ペルセポネーの帯だけがたゆたう 
 
 
「……黒川さん、さっきほんとにこの曲歌ったんですか?めちゃくちゃ綺麗な曲じゃないですか!」 
 
黒川の歌声だと呪詛にしか聞こえなかったけど、綺麗で超いい曲じゃん!!さっきの歌い方はお前のオリジナルか!?黒川リミックスバージョンだったのか!? 
 
黒川「いいですよね、この曲!?特に最後の部分、僕大好きなんです!
『キュアネの泉の奥底に ペルセポネーの帯だけがたゆたう』っていう所!」 
 
私「ああ、分かります!分かります!ハーデスがペルセポネーを連れ去った時に、このキュアネの泉から冥界に入ったんですよね!そこに、処女性の象徴である帯が沈んでる、っていう描写が…綺麗ですね!」 
 
黒川「そうなんです!『THERION』は他にもたくさんいい曲あるんですよ!良かったら聞いてみてください!」 
 
…アレ?やっぱ普通にいいやつじゃん黒川…!! 
 
 
私「ところで、さっきから気になってしょうがないんですけど、
その回文Tシャツそういうのってどこで買うんですか?ギリシャですか?」 
 
 
黒川「あ、僕が作りました。」 
 
手作りTシャツかよ黒川――!! 
 
お前、仮にも大錬金術師ヘルメス=トリスメギストスの弟子なら作るべきはTシャツじゃなくて賢者の石だろーーっ!? 
 
 
 
…そんなわけで、黒川さんは…独特だけどすごくいい人でした! 
ちなみに、黒川さんの研究してることはオカルトじゃないそうです。 
ヘルメス学(占星術+錬金術+魔術)とグノーシス主義哲学との関係…みたいなことをやってるそうです。 
 
みんな「「なんだよ!
じゃあお前、卑金から純金を生み出したりはできないの!?」」 
 
黒川「そんなことをやってると思われてたんですか僕…」 
 
でも、あらゆる「言葉遊び」に精通していて、古代ギリシャ語の色々な回文や多義文やなぞなぞを教えてもらって、本当に勉強になりました。 
『大錬金術師の弟子』のあだ名は伊達じゃねえよ! 
そんなわけで、最終的には、 
 
私&黒川
「「♪っトゥギャザ〜・イン・アンダワー〜〜♪ハーデス・エン・ペルセフォネー〜〜♪お〜イエ〜!」」 
 
山田先輩
「…神話学の奴と神秘学の奴を一緒に置いとくとロクな事になんねえな。」 
 
 
 
●ちなみに、黒川さんに教えてもらった
『THERION』は、すごく有名なバンドだったみたいで、ほんと知らなくてすみません。 
ttp://japan.megatherion.com/ (日本版公式サイト) 
↑歌詞も載ってます。ギリシア神話とか、エジプト神話とか、ラヴクラフト(クトゥルー神話)がらみの歌が多いみたいです。 
ttp://japan.megatherion.com/sirius.html#persephone (←ペルセポネーの歌詞。普通にめちゃくちゃ綺麗な曲) 
 
●それと、私は錬金術師ヘルメス=トリスメギストスについては全然知らないので、間違ってる見解があったらごめんなさい。
ギリシャ神話のヘルメスとエジプト神話のトートが合体した人物、とかその程度の知識しかないです。でもなんか今でもすごくファンが多そうな気がする(笑)。 
 
 
 
拍手ありがとうございます!! 
いつもお返事が遅くなってすみません!! 
お返事は、昨日の日記分に書いてあります!  
 



藤村シシン
古代ギリシャ・ギリシャ神話研究家。
高校で出会ったアニメ『聖闘士星矢』がきっかけでこの道へ。東京女子大学大学院(西洋史学専攻)修了。

◆著書『古代ギリシャのリアル』(実業之日本社)。◆ NHKカルチャー講座講師。◆2020年オリンピック採火式NHK生中継内、古代ギリシャ語同時翻訳。 ◆平成28年 東京国立博物館『特別展・古代ギリシャ』公式応援サポーター。 ◆UBIソフト『アサシンクリード・オデッセイ』公式コラボ ◆古代ギリシャナイト主催。 など。

お仕事のご依頼 euermo★gmail.com
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書籍『古代ギリシャのリアル』発売中。




★よく出てくる宿敵「黒川君」については
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