藤村シシンぶろぐ


 

2008. 9. 1
      古代ギリシャ史最大のピンチ!「ギリシャ人はキスしなかった」説

前回、前々回の日記のとおり、 
西洋古代史の集まりが連日続いているんですが… 
 
古代ローマ史・西野「やあ!古代ギリシャ史の諸君!あいかわらず非生産的な毎日送ってるかい?」 
 
山田(ギリシャ史)「出たよ、西野!何だ!?何しに出てきたお前!?」 
 
――えー…同じ「西洋古代史」とはいっても、我々古代ギリシャ史と、古代ローマ史の連中は
完全なライバル関係です。そしてこの西野が今日、とんでもないことを言ってきました。 
 
西野「フフフ、お前たちにいいこと教えてやろうと思ってな…知ってるか?『恋人同士がキスをする』という文化は、古代ローマから始まったものなんだぜ! 
 
『キス』はローマの発明!つまり、古代ギリシャに『キス』は無かったんだ!」 
 
 
……… 
――西野…お前に教えてやろうか? 
古代ローマでなぜフェラチオがタブー視されたのかを?
 
 
いいか、ローマでフェラチオがタブーだったのはなあ、
ギリシャでフェラチオがタブーだったからだよ!! 
つまり、性的な文化に関してはローマはギリシャに依存してたんだっ!! 
それを何だ!?『キスはローマの発明』!?そんなこたぁフェラチオの一発でもかましてから言ってみろコノ野郎チキショウ!! 
 
 
…という内容を、もう少しオブラートに包んだ言い方で我々が言い放つと、 
 
西野「じゃあ、藤村!
ギリシャ神話で男女がキスしてるシーンを一つでも挙げてみろよ!!」 
 
私「え!………。」 
 
山田「何黙ってんだよ、藤村!いっぱいあるだろ!?
アポロンがダフネーを追いかけてって、抱きしめてキスを…」 
 
「バカ、山田っ…!」 
 
西野「わはは、バカめ!
そのシーンはローマの詩人オウィディウスが創作したシーン!ギリシャ人が作ったギリシャ神話じゃないね!」 
 
敵に塩を送ってどうする山田ぁあああ!! 
 
 
山田「ええっ…それじゃ…!そうだっ!
アポロンがコロニスの亡き骸にキスするシーンとか、ピュグマリオンがガラテアに…えっウッソーー!?それ全部ローマ!?まじかよーっ!!」 
 
敵が一度も攻撃を仕掛けずして、オウンゴールで自軍がボロボロ!! 
 
私「山田先輩、ちょっと黙ってて下さい!うかつに攻撃してもどうぜ全弾返されますから!!」 
 
 
…考えろ…!ギリシャ人が書いたギリシャ神話のキスシーン…!! 
ホメロスの『イリアス』には無い…『オデュッセイア』にも、「親愛のキス」しかなかった気がする……ピンダロスや、アポロドロスも……って、ちょっと待てよ…! 
無い!ほんとに無い!!ローマのものなら何十と挙げることができるのに!! 
 
ギリシャ神話のキスシーンが一つも思いつかない!! 
 
西野「…な?無いだろ?ギリシャ神話の登場人物はキスをしなかったんだよ!!」 
 
そんなの絶対におかしいっ!! 
アポロンはキスしなかったって事!? 
セックスはしたけどキスはしなかったって事!?
 
 
認めない…!絶対にそんなことは認めない…!! 
 
 
山田「西野この糞野郎ー!もうおしゃべりは終わりだ!
こうなったら男らしく正々堂々とパンクラティオン(※古代ギリシャで行われた制限なしの殴り合い)で勝負だ!!っしゃあー来いー!西野ォオ!!」 
 
西野
「なんでお前と殴りあわなきゃならないんだよ!!ちょ、寄るな山田!うわッ!お前、汗くさっ!!」 
 
山田「大丈夫だ西野。
汗のにおいなんざ全て血のにおいで消える…!」 
 
 
 
?「…あのぉ…ちょっとよろしいですか…?」 
 
 
――と、ここで二人の殴り合いに横槍を入れる一人の男が! 
 
西野「…ん?あんた…誰?っていうか何その変なTシャツ…?」 
 
――そこに立っていたのは、
『Tシャツの文字が右から読んでも左から読んでも同じ』でおなじみの、そう、あの男!! 
 
 
黒川「…古代西洋の魔術と錬金術を研究しています、黒川です…。はじめまして…。」 
 
私&山田「「黒川(さん)っ!!」」 
 
黒川「藤村さん、山田さん、先日はどうも…」 
 
相変わらず上から下まで真っ黒な服装、 
そしてTシャツの胸元にギリシャ語の白ぬき文字で、 
 
 
ΔΥΟΒΕΛΟΚΑΙΜΕΘΙΓΕΣ 
 
 
私&山田
((今日は回文じゃない…!!何だこれ…!?)) 
 
 
西野「…僕は、古代ローマの剣闘士をやっている西野だけど…っていうかお前、なんでそんな文章のTシャツ着てるの?! 
 
『銀貨2オボロスで、私を抱ける』 
(ΔΥ ΟΒΕΛΟ ΚΑΙ Μ ΕΘΙΓΕΣ) 
 
って!?何、お前…どういうつもり!?」 
 
 
黒川「フ、フフフ…ひっかかりましたね?これは古代ギリシャ語の多義文!切るところを変えると、 
 
『銀貨2オボロスでは、私を抱くことはできぬ』 
(ΔΥ ΟΒΕΛΟ ΚΑΙ ΜΕ ΘΙΓΕΣ) 
 
と全く逆の意味になるのです!」 
 
 
西野
「ねえ、ほんとにこいつは何なの!?多義文だか何だか知らないけど、お、お前、そんなTシャツ着てギリシャ行ったら2ユーロくらいでケツ掘られるぞ!?」 
 
黒川あいかわらずスゲェエエーーー!! 
 
 
黒川「…ところで、先ほどからギリシャでキスが無かった、という話をしてらっしゃいましたが…、西野さんのお話は、少し性急すぎるんじゃないかと…」 
 
いわく、
『あることを証明するよりも、無いことを証明する方がはるかに難しい。』 
 
黒川「だから、『神話にキスシーンが無い=ギリシャ人はキスしない』という理論は少し乱暴では…?藤村さんも、そう思いませんか?」 
 
よーし黒川。2オボロス払う。お前の知恵を私に貸せ。 
 
西野「ふん、別に僕はギリシャ神話だけにこだわるつもりはないよ。 
 
  そんなに言うなら、探してみればいいじゃないか。 
   
ギリシャで書かれた文章全体から、たった一つでもキスシーンを。」 
 
 
――てめぇ…後で後悔するなよ…? 
――この未曾有の危機に直面し、 
団結して立ち上がった我らギリシャ史3人衆! 
 
山田
「♪あーなたのキスをォーー!数えっまっしョオ〜〜!!一つひと〜つ〜ゥを――!!」(♪「あなたのキスを数えましょう」) 
 
「♪でもこの人生の難問っほどーいてみせーるよおー!こんなにっ捧げる♪裸のっくちびるっ!Kissして!!」(♪「kissして」) 
 
黒川
「はじめて〜のチュウ♪君とチュウ〜♪」(♪「はじめてのチュウ」) 
 
 
――各自思い思いのキスソングを歌いながら、 
キスシーンがありそうな古代ギリシャの史料を読み漁ってみることに。 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
 
山田「うーん…親愛のキスならたくさんあるんだけどなぁ…」 
 
「そんなんじゃ私とギリシャ神話の気が済みませんよっ!」 
 
こっちはアポロンはキスしなかったとまで言われてるのよ!?
 
キスで相手の五臓六腑吸いだしたる!ってくらいの激しいキスシーン探し当ててくれよっ!! 
 
―と、そんなことを話してるうちに、 
 
私「あっ!あったッ!!このエロティカ(恋愛詩)、キスシーンじゃないですか!?」 
 
山田「えっ!?どれどれ!?」 
 
 プラトン作
(※哲学者のプラトンじゃないです。) 
 
 私の魂ごとおまえに口付けたかったのに 
 くちびるのところで押しとどめられてしまった 
 
 ああ、アガトン、愛している 
 私がこんなに引き止めても 
 お前は遠くへ行ってしまうのか 
 
 
山田「っしゃああ!!勝利ーー!!なんだ、全然あるじゃん!口ほどにもないわ、西野!!
わはははーー西野討ち取ったり!!」 
 
黒川「いや、あの…でもこれ…この、作者の『プラトン』って、男の名前ですよね…?で、歌われてる『アガトン』も、男の名前、ですよね。だからこれって… 
  
 男と男のキスシーンじゃ…?」 
 
私&山田「「……。」」 
 
――え〜…ここで古代ギリシャ人の言葉を引用させてもらうなら、 
 
『真実の愛とは、男女の間ではなく、男と男の間に生まれるものだ。』 
 
山田「男同士だって、これは恋愛のキスだろ!?よーし、これを西野にメールで伝えたるわ!」 
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
 
――と、まあ、そんな感じで一応この話は収束したんですが、 
今、家に帰って冷静に考えてみたら、 
 
ギリシャ神話にキスシーンが無いのは本当のことだ! 
いや、ただ現存してないだけかもしれないけど! 
ギリシャ神話といえば、美しいキスシーンにあふれてるような気がしてたのに! 
 
アポロンがダフネーを追いかけてって、何度もキスするシーンとか! 
ナクソス島で、ディオニュソスがアリアドネーにキスするシーンとか…! 
 
ああ、それは全部ローマの詩人オウィディウスが書いたものだ!!ギリシャ神話の二次創作の同人誌の中の話だっそれは!! 
 
ちくしょう、本当に尊敬するわ、オウィディウス…!! 
お前の書いたギリシャ神話は、原作を超えた二次創作だよ! 
お前のギリシャ神話に対する愛が、ギリシャ神話の未来を永遠に変えた…!!
 
 
 
でも、こんな風に、自分の価値観を粉々に打ち砕かれる体験ができるってのは本当にありがたいことです!しかもギリシャ神話で! 
西野、まじでありがとう!! 
 
――と、思った矢先に、山田先輩からメールが…。 
 
(山田)「西野が、男同士のキスなんかダメに決まってるだろ!だって。それと、西野から藤村に言伝なんだけど、 
『ギリシャ人の書く神話より、ローマ人の書く神話の方が優れてるとこれで分かったろ?分かったら、お前もさっさとローマ史に来い。』…なんて返す?」 
 
(私)「……こう返して下さい。 
 
『西野先輩、ギリシャが神話において一点でもローマに劣っている点があるとお考えなら、ぜひお申し付け下さい。二度とその軽口を叩けないようにしてさしあげます。』」 
 
ごめん、西野先輩!なんか素直にありがとうって言えない!! 
 
 
――そんなわけで、ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました。 
ちなみに、ギリシャ史とローマ史が仲が悪いのは、そうすることでお互いが切磋琢磨できるからです。西野と山田は普段は同じサークルに入るほど仲がいいよ!(笑) 
それと、黒川さんがコロ助みたいな高音で
「はじめて〜のチュウ〜♪」とか歌いだした時は、ほんとに笑い死ぬかと思いました。お前、ヘビメタはどうしたよ!?って。 
 
 
…あっ!今思い出したっ!ギリシャ神話のキスシーン!! 
 
『ああ、アポローンの君!手を握ってくれ、そして俺にキスをしてくれ!』 
 
――男同士だからダメかな…。 
ディオニュソスの従者、クサンティアスのセリフでした。 
もっと探せばありそうだけどな…。 
 
 
…拍手ありがとうございました!! 
お返事は、昨日の日記分に書きます! 
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
<以下、みんなでキスについて議論した内容を簡単にメモっときます。> 
 
・ローマ人は、親愛のキスと、恋人同士のキスとを明確に分けてるが、ギリシャにはその二つを区別する言葉がない。 
・というか、ギリシャ語だと、「好き」という単語と「キスする」という単語が一緒だ。 
・ギリシャでは普通、恋愛で「好き」という単語は使わない。「愛してる」の方を使う。 
・じゃあギリシャ人にとって、「キス」という行為は、恋愛のための行為ではなかったのかも…。 
 
・ギリシャ人は、神話にロマンチックなラブシーンを求めてたわけじゃないので、キスシーンが無いのは当然。 
・文章化されたギリシャ神話は、いわば教科書的にまとめられたもの。だからそこにキスシーンがないのは当然だ。日本人が歴史の教科書に織田信長のキスシーンを書くか? 
・文字じゃなくて、考古学の分野も調べる必要があるんじゃないか?つぼ絵には、キスシーンが描かれたものが残ってるかもしれない。 
 
・男同士のキスシーンならたくさんある。 
・男性同士の恋愛と、男女の恋愛ってそんなに区別されてたかな?もっと言えば、男同士のキスと、男女のキスって、別にして考える必要ないんじゃ? 
じゃあ、黒川さんと山田先輩、試しにキスしてみて下さい。 
・無理。 
俺、アポロンとキスしろって言われたら絶対できるぜ。むしろしたい。でも黒川とは無理。
  
 

アリストパーネスの平和「ειρήνη」の中に百姓のコロスがトラキア人の女中にキスするというセリフを述べています。(1139行)
古代ギリシアには間違いなくキスはありました。✌
..3/21 3:58(Mon)

 

2008. 9. 5
      拍手お返事【8月26日〜9月3日15時】

8月26日〜9月3日15時までの拍手お返事です!  
(9月3日19時〜9月5日までの分は翌日の日記にあります。)  
  
拍手を送って下さった方、どうもありがとうございました! いつもお返事が遅くなってしまってすみません!   
以下、コメントのお返事です。 
 
→続きを読む
  
 

 

2008. 9. 6
      拍手お返事【9月3日19時〜9月5日】+思い出せない

9月3日19時〜9月5日までの拍手お返事です! 
(8月26日〜9月3日15時までの分は前日の日記にあります。) 
 
拍手を送って下さった方、どうもありがとうございました!いつもお返事が遅くなってしまってすみません!  
  
※それと、メガロポリスについて質問して下さった方、
すみません、今どうしてもメガロポリスだけで崇拝されていた女神の名前が思い出せません!めちゃくちゃ気持ち悪いよ…! 
 
近日中に私が思い出せたらこのスペースに書きますね。すいません! 
…もし、誰か知ってる方いたら教えて欲しい…!なんだっけ…!? 
 
以下、頂いたコメントのお返事です。 
→続きを読む
  
 

 

2008. 9. 7
      【前半】古代からのハッピー・ニュー・イヤー!新年会・兼・アテナ誕生祭!

先日からの西洋古代史の集まりが今日で一段落したのですが、 
 
私「せっかくだから、今日最後に打ち上げやりたいですよねえ…」 
 
山田「みんながそう言うと思って
、今日7時に店予約しといたぜッ!しかも個室で!」 
 
みんな「「マジでぇーーっ!?山田気ィきくじゃんーーっっ!!」」 
 
そんなわけで、いつものお店に行き、「山田先輩、ほんと気が利きすぎですよ今日〜!」なんて言いながら、私が個室のふすまを開けた時、 
 
――目に飛び込んできたテーブルの上のプレートの文字。
 
 
 
『古代ギリシャ史・新年会』様 
 
 
――ピシャッ!(ふすまを閉める音) 
 
 
山田「んっ?どしたの?なんで中入らないの?」 
 
「ふすまの向こうが4ヵ月先の未来だったんですけど!!い、今、こっちは2008年の9月じゃないですか!?でも、このふすまの向こうが2009年の1月なんです!」 
 
山田「え?」 
 
「本当ですっ!カンペキ年明けてました!!『新年会』です!この目で見ました!なんてこった、
ふすまを隔てて時空のゆがみが!!」 
 
山田「ば〜か!ゆがんでないよ!
今は新年だぜ!! 
 
 
――は?…なんつった?今? 
 
山田「俺が『古代ギリシャ史・新年会』で予約をとった!なぜなら古代ギリシャでは今の時期は軍神アテナの誕生日!!古代ギリシャではアテナの誕生祭とともに年が明ける!! 
 
ハッピーバースデー!アテナ!! 
ハッピーニューイヤー古代ギリシャの皆さん!!」
 
 
 
2009年の新年どころか2500年前の新年かよこれ!! 
 
山田「当然だ!アテナの誕生日は祝わなきゃ!
…いつも言ってるだろ!?俺の夢はアテナに罵しられながら足の裏で踏まれることだ!古代ギリシャの男も絶対オレと同じ事を思ってたハズだ!」 
 
――私もいつもの言葉を言わせてもらいますけど… 
こんなんじゃないって! 
こんなんじゃないって、古代ギリシャの男は!
 
 
 
山田「それで、藤村…
お前、アテナの聖衣(←え〜…これは「クロス」ではなく「ペプロス」と読みます。)は持ってきたんだろうな?」 
 
私「は?ペ、聖衣!?私が?なんで?」 
 
山田
「バカ野郎ー!!アテナの聖衣をパルテノン神殿に奉納しなきゃ年が始まらねえだろうが!!アテナの聖衣には女しか触れないんだろ!?女はお前しかいないじゃん!!」 
 
私「ああ、まあ…確かにそうですけど…」 
 
山田「そうだろ!?こうなることを見越してアテナの聖衣を織って来いよっお前は!!」 
 
「……すみませんでした…」 
 
――って全然済まないことないよ!! 
何謝っちゃってんの!私全然悪くないって!! 
 
明日の日記に続く。 
  
 

 

2008. 9. 8
      【後半】古代からのハッピー・ニュー・イヤー!新年会・兼・アテナ誕生祭!

【※この日記は、9月7日の日記の続きです。】 
 
私「…あっ、そうだ!
アテナの聖衣、黒川さんのTシャツで良くないですか!?すごい魔力ありそうですし!」 
 
黒川「エっ!?;」 
 
実は、今日は黒川さんは上に一枚重ね着しているので、 
本日の黒川Tシャツは未だに拝めていないのです! 
 
私「黒川さんのことですから、
今日は絶対アテナの別名、ΠΑΡΘΕΝΟΣ(パルテノス=「処女」)と書かれたTシャツを着てきてくれてるはずっ!」 
 
黒川
「えぇぇえええええ!!??」 
 
すみませんっ黒川さんッ! 
本当に胸にデカデカと
「処女」と書かれたTシャツ着てたらこの人変態ですが、大丈夫!黒川さんならやってくれる!! 
 
山田「よぉ〜し!みんな、黒川の上着をはげー!!」 
 
みんな「「っしゃあー!脱げ〜黒川ァ!!」」 
 
黒川「ウワー!?やめてー!今日、僕のTシャツは…っ」 
 
抵抗しつつも、上着を剥ぎ取られる黒川! 
そのTシャツの胸元! 
もちろん、古代ギリシャ語で「パルテノス(処女)」……
 
 
 
ΛΟΠΑΔΟΤΕΜΑΧΟΣΕΛΑΧΟΓΑΛΕΟΚΡΑΝΙΟΛΕ- 
ΙΨΑΝΟΔΡΙΜΥΠΟΤΡΙΜΜΑΤΟΣΙΛΦΙΟΤΥΡΟ- 
ΜΕΛΙΤΟΚΑΤΑΚΕΧΥΜΕΝΟΚΙΧΛΕΠΙΚΟΣΣΥ- 
ΦΟΦΑΤΤΟΠΕΡΙΣΤΕΡΑΛΕΚΤΡΥΟΝΟΠΤΕΚΕ- 
ΦΑΛΛΙΟΚΙΓΚΛΟΠΕΛΕΙΟΛΑΓΩΙΟΣΙΡΑΙΟ- 
ΒΑΦΗΤΡΑΥΑΝΟΠΤΕΡΥΓΩΝ
 
 
みんな
「「ってうわぁぁ〜ッ!?なんだこれぇ〜〜!!?」」 
 
 
Tシャツ全体にギリシャ語でびっしりと文章が… 
って、いや待って、これ文章じゃないぞ!
 
どこにも動詞が無い!ってか、単語の区切れ目自体どこにもない…!! 
 
みんな「「まさか…!
これ…全部で一つの単語!?」」 
 
黒川「そ、そうです…これは
古代ギリシャ語で最も長い名詞で…ええと…『処女』という意味です!」 
 
そんな見え見えのウソつかなくていいよ!!「脳みそ」とか「頭蓋骨」っぽい意味の文字あんじゃん!その中に!! 
 
黒川「す、すみませんでした…本当はこれは料理の名前です…。トリの脳みそとか、サメの頭蓋骨とか使った料理です…『処女』じゃなくてすみませんでした!」 
 
いや、私こそ悪ノリしてほんとすみません! 
と、黒川さんにひたすら謝っていると、山田先輩が乾杯の音頭を。 
 
 
 
山田「え〜…そんなわけで、残念ながらアテナの聖衣はありませんが、新年のごあいさつをわたくし、山田がさせて頂きたいと思います!」 
 
みんな「「いよっ!将軍!!」」 
 
山田「学問の神アテナよ、去年は愚かなる我々古代ギリシャ史一同に知恵を授けて下さり、感謝いたします!今年もここに集った一同、古代ギリシャの研究を極めていって……そしてアテナよ、いつかはあなたに踏まれてみせます! 
 
ハッピーバースデー・アテナ! 
ハッピーニューイヤー・古代ギリシャ!! 
 
我々の愛するものに乾杯!!」
 
 
カンっパーーイ!! 
 
 
 
その後は、各々雑談タイムとなりましたが、 
山田先輩がすごく真剣な顔で、
「藤村、お前の家でサランラップ使い終わったら、芯を俺にくれないか?」と言ってきたので、 
 
私「サランラップの芯??…何に使うんですか、そんなもん?」 
 
山田「俺ね、今サランラップの芯をつなげてアレクサンドロス大王が使ったサリッサを作ろうと思ってるんだ!」 
 
ア、
『アレクサンドロス大王が使ったサリッサ』って、6メートルの長さの長ヤリのこと!?それを作るの!?サランラップの芯で!? 
 
 
山田
「俺、一度でいいから6メートルの長槍を実際にこの手でブン回してみたいんだ…!」 
 
私「無理でしょ、それは…!サランラップ20本くらい必要ですよ!?20本なんて繋げたら、絶対に自重で折れますよ!」 
 
山田「フフフ…バカめ!俺が何の意味も無くサランラップを選ぶと思うか?いいか、サランラップの芯は中が空洞!!そこに
鉄の心棒を通せば自重で曲がることはないね!!」 
 
「6メートルの鉄の心棒が用意できるならサランラップの芯いらないじゃないですか!!」 
 
バカはあんたです!! 
 
 
私「だいたいそんなもん作って、
使い終わったらどう処分するつもりで……っていうか、先輩、どうしてさっきから時計を気にしてるんです?」 
 
山田「…いや、そろそろあいつらが来るころだと思って…」 
 
私「――あいつら?」 
 
 
 
 
と、その時ドスドスと廊下を歩く音が響き、 
部屋のふすまが音を立てて開く! 
 
古代ローマ史・西野「やあ!古代ギリシャ史の諸君!あいかわらず非生産的な毎日送ってるかい?」 
 
山田「っせーこの野郎!
サランラップの芯つなげて長槍を作る有意義な毎日送っとるわ!!」 
 
西野「…ご、ごめん、山田…本当にそこまで無駄な毎日送ってるとは知らなくて、俺……」 
 
…西野先輩!? 
山田先輩、ローマ史の連中も呼んだんだ!? 
 
 
西野「…あっ!テメー山田ぁああ!!何だ、このプレートの文字!?『古代ギリシャ史・新年会』って!古代ローマ史がどうして入ってないんだよっ!! 
 
突っ込むとこそこかよ! 
ってかどうしてローマ史の連中が30分遅れで来たの!? 
 
山田「古代ローマ史の連中が来るとうるさくなるから、
こいつらには飲み会の時間を30分遅めに伝えてたんだ。」 
 
西野
「山田、貴ッ様ァアア!!もう許さん!!今日こそは貴様と決着をつけて…!」 
 
 
山田「…いや、本当はお前たちにも感謝してる。特に西野。今回の古代史の集まりで、いろいろと俺をサポートしてくれてありがとうな。」 
 
西野「は!?なんだよ、急に…!」 
 
山田「感謝の気持ちとして、お前に俺からプレゼントがあるんだ。
まだできてないんだけど、完成したらもらってほしい。」 
 
西野「まだできてないって…まさか、お前の手作り!?い、いらねーよ、そんなもんっ!」 
 
 
山田「そんなこと言って、お前、めっちゃ喜ぶぞ?だから、お願いだ。もらってくれよ」 
 
西野「…チッ…分かったよ!気になるから、それさっさと完成させてよこせよな!」 
 
 
―――あのねぇ…西野先輩、たぶんそれサランラップの芯でできた6メートルの長槍だと思うよ。 
大量のゴミ押し付けられるだけだから、絶対あんまり期待しない方がいいよ。 
なるほどねえ。使い終わったら西野にパスする戦法か、山田。 
 
 
 
山田「…あ、そうそう、他のみんなにも労いを兼ねてプレゼント用意したぜっ!一応オレ、この集まりのリーダーだしな!」 
 
私「えっ?山田先輩、そんな気を回さないで下さいよ!」 
 
山田「…そんなこと言って、お前、めっちゃ喜ぶぞ?
多分お前がずっと欲しがってたもんだぜ!」 
 
…えっ!?私がずっと欲しがってたものって…まさかっ、 
 
『ギリシャ神話図像大事典』全巻セット300万円!? 
一冊10万、30巻セットで300万するあの大事典を、私に…!? 
 
山田「はい、藤村にはコレな。」 
 
 
……そう言って握らされたのは、 
ゼリー状の物体と透明なケース。 
 
 
私「………なんですか、これ…?」 
 
多分、これ『ギリシャ神話図像大事典』じゃないぞ… 
 
 
山田「見て分かるだろ。
アントクアリウムだよ。」 
 
あ、あんと…? 
 
山田「知らねえの?アリの飼育キットだよ!このケースに透明なゼリー入れて、捕まえたアリの一群を入れんの。そうするとスゲエ!!アリが巣を作ってる様子が克明に観察できるんだよっ!!」 
 
――あのすみません…私、 
アリの巣穴観察がシュミって一度たりとも言いました?
 
 
山田「バカっ!お前の研究テーマはアイアコスだろっ!?アイアコスと言えばアリじゃねえか!」 
 
私「ええっ…」 
 
山田「お前もアイアコスみたいに島民が全員死んだ島で、『神よ!どうか私の市民を冥界からお返し下さい!さもなければ今すぐ私も冥界にお送りください!』つって叫べっ!そしたら、アリがボッコンボッコン人間になるから!!」 
 
 
私「あのですね…山田先輩…っていうかこのバカ野郎、アリが人間になったのは、アイアコスだからです。彼が神々に最も愛された人間だったからです。
私の場合は多分いつまでたってもアリです。 
 
 
…でも、まあ、これはこれですごく楽しそうですから、 
ありがたく頂戴いたします。 
 
 
一方、黒川さんは
鼻メガネをもらっていました。 
 
山田「黒川、お前は見た目が怖すぎなんだよ!さあ、このパーティーグッズの王・鼻メガネをかけて少しは見た目を陽気に変えろっ!」 
 
黒川「…え〜と、ど、どうでしょう?」←かけてみる 
 
みんな「「ってかむしろスゲー怖くなっちゃってるよ!!そのギリシャ語Tシャツに鼻メガネて!」」 
 
山田「よぉーし、それじゃ黒川!鼻メガネの眉毛動かしてみろっ!!」 
 
黒川「こ、こうですか!?」 
 
「それでTシャツのギリシャ語音読しながら左右に揺れてくださいっ!!」 
 
黒川
「レパドテマコセラコガレオクラニオ…」 
 
 
ぎゃあああーー!!怖ぇええええーーー!!! 
 
みんな
「「ぶわーーっははははっダメだ!!黒川やめてーー!!死ぬー!!笑い死ぬーー!!」」 
 
黒川「フフフ…先ほどのお返しです!!前後にも揺れちゃいますよ〜
プサノドリミュポトリンマ…」 
 
みんな
「「っギャー!ギャーハハハ!!ひー!もーだめ!ひぃーー!!」」 
 
 
黒川がギリシャ語を読み終えた時、 
ほんとに全員笑い死んだかと思った… 
 
 
そんなこんな話してるうちに、 
私と黒川さんは帰る時間が来たので、駅まで一緒に帰ることに。 
この帰り道の話がまた面白かったんですけど…いい加減長くなりすぎたので、また機会があったときにでもこの時の話をさせていただきたい。 
 
黒川「っそれじゃー僕こっちの線なんで〜!また明日片付けの時に!」 
 
そう言ってくるっと背を向けた黒川、 
そのTシャツの背に、 
おそらく一番短いギリシャ語のつもりで、
 
 
 Η 
(『さもなければ』) 
 
 
…ってあれ
一般人が見たらただのH(エッチ)じゃね!? 
く、黒川っまさかそのTシャツで天下の山手線に!?
 
待って待って!上着ろ上ーー!! 
 
 
 
――そんなわけで、
みなさま、明けましておめでとうございます!今年もよろしくお願いいたします!!(笑) 
そして、お誕生日おめでとう、アテナ!もちろん、沙織さんも!!
 
ああ、本当の1月が来て新年会やることになったら、絶対あのプレートを
『ディオニュソス誕生日パーティ様』にしてやるよ!ディオニュソスの誕生日、忘れたとは言わせねぇ! 
 
ここまでお付き合いくださって、どうもありがとうございました! 
はぁ〜日記だけじゃなくてサイト更新したいんですけど…なかなか時間がとれなくてすみません!本当にいつも来てくださってる方には申し訳なく思います。ただ…今はアイアコスのことで手一杯で…しばらく、このモードが続くかと思いますが、どうぞ気長にお待ちくだされば幸いです。 
とりあえず、今から山田先輩にもらったアントクアリウムに入れるべくアリを探してきたいと思います! 
そして、なんか黒川さんもブログだかサイトだか持ってるっつってたので、それも探してみたいと思います!(笑)何書いてんだよ、黒川!? 
 
<追記> 
・黒川さんのTシャツの「一番長いギリシャ語」は、アリストファネスの喜劇に出てきた造語。普通に辞書に載ってるギリシャ語だったら
「かわいい」という意味のギリシャ語が一番長い。 
・山田が作りたがってる6メートルの長槍は、アレクサンドロス大王のファランクス(密集陣形)の軍隊が持っていたもの。これで1時間に敵を300人倒せたらしい。
正直、私も見てみたいよ!6メートルの長槍ふりまわしてるとこ!絶対かっこいいもんそんなの!絶対本格的な鉄の棒使ったほうがいろいろ実証できるって!多分重すぎて山田死ぬけど(笑)。 
本当に、切っ先とケツの部分に重りがあれば、6メートルもある長槍を使いこなせたのかな? 
 
 
拍手ありがとうございました! 
お返事は、9月5、6日の日記にあります! 
 
  
 

 

2008. 9. 14
      拍手お返事(9月4日〜15日)

拍手ありがとうございます!! 
 
日記しか更新できないのに、色々とご感想や情報などのコメントどうもありがとうございます!励みになります。 
そして、相変わらず、お返事が遅くなってしまってすみません!  
 
以下、拍手のお返事です。 
→続きを読む
  
 

 

2008. 9. 15
      ハーデス考案・「この世で最も残酷な拷問」の是非

突然ですが、 
ハーデス様が考えた「この世で一番残酷な拷問」――みんな、こいつについてどう思う? 
 
ギリシャ神話の中の話なんですけど… 
ある時
ペイリトゥースという人間が、ハーデスの妻・ペルセポネーに恋をしたんです。 
彼はペルセポネーを奪うために、英雄テセウスを伴って冥界に攻めてくるんですが、 
これに怒ったハーデスが、 
 
ハーデス「私の妻を奪おうとは絶対に許せぬ…貴様にこの世で一番残酷な拷問をほどこしてやるわ…」 
 
 
――ぎぃゃぁああハーデスやめてー!!って思うじゃん、この時点で! 
だって冥王が…地獄の王が考える「この世で一番残酷な拷問」なのよ!? 
絶対コレ
「永遠に岩転がしてろ」とかそーいういうレベルじゃねーぞ…! 
一体何をする気だっ!? 
 
…と思ったら、
ハーデスは自分の家の門柱に彼をグルングルンに縛り付けて、 
 
ハーデス
「この門の前を毎朝ペルセポネーが通る!貴様はそれをずっとただ見ていろ!!好きな女が手に届く距離にいるのに手が出せない、というこの世で一番の苦しみを味わい続けるがいい…!分かったな…? 
 
……私の妻をただ見ているんだ…私がいいと言うまでなぁッ!!」 
 
 
 
―――…それだけっ!?乳首に洗濯バサミとロウソク垂らしは!? 
 
「好きな女の子を物陰から見つめ続けるだけの日々…胸がキュンキュンして一番ツライと思う…」って恋を知ったばかりの夏の日の少年かお前は! 
 
手ぬるいよ!! 
野球部の一年生しごきだってもうちょっとキツイ罰与えるよ! 
どんな残虐な拷問がくるのかと思ったら、自分んちの玄関に縛り付けるだけって! 
おまえさんは、人を苦しめる才能ぜんぜん無し。冥王稼業まるで向いてなし! 
ハーデス様めちゃくちゃピュアじゃないですか!? 
 
 
――という私の意見を、 
先日の
西洋古代史の新年会の時言ったのですが、 
…これがまあめちゃくちゃ否定されまして。 
むしろ、ハーデス様の拷問手腕に対する絶賛の嵐だったんです。 
 
 
山田「ピュアって…なに言ってんだお前…ハーデス絶対にヤバイだろそれ…。」 
 
いわく、俺がハーデスだったら、 
「ペルセポネー、行ってらっしゃいのチューして〜」 
とか言って、門柱のペイリトゥースの目の前でいちゃついて優越感にひたれる。 
または、職場でイヤなことがあった時、腹いせにペイリトゥースの腹に2,3発ヒザ入れてウサ晴らししてから帰宅できる。 
 
山田「俺がハーデスだったら、絶対これほど気持ちいいことないって!」 
 
私がペルセポネーだったら、自宅の門柱に変な男が巻きついてるのは気持ち悪くて絶対イヤなんですが… 
 
だいたい、行ってらっしゃいのチューとか、職場でイヤなことがあるとか、 
冥王の家庭と職場がどうしてそんなに庶民的なんだ…? 
 
 
山田「じゃあお前がハーデスだったらどんな拷問にすんだよ!『好きな女が手に届く距離にいるのに手が出せない』ってのはイヤじゃないのか?」 
 
私がもし本当にハーデスだったら… 
「好きでもない女と一緒に監禁される」――コレだろ。 
 
だって
ハーデスは生まれてからずっとクロノスのお腹の中で 
ヘラ、デメテル、ヘスティアと一緒に監禁されてたのよ!?
 
ヘラ・デメテル・ヘスティアよ!? 
あの強すぎる女三人衆よ!? 
そんなの絶対トラウマになってるもんハーデス自身! 
 
「ハーデス、ちょっとあんた面白いことしなさいよ」「鼻からスパゲッティー食って口から出してちょうだい!」とか言われてイビられまくってたぞ絶対! 
 
 
山田「っつーかむしろそんな地獄を耐え抜いた男だから、相手にとって何が一番精神的にキツいかもわかってるんだって!」 
 
私「う〜ん、そうかなあ…黒川さんはどう思います?」 
 
黒川「僕は、
拷問で一番重要なのは相手の最も大切なものを壊さないことだと思います。『ペルセポネーを毎日見れる』というわずかな希望を残している点で、ハーデスの拷問はすばらしいです!」 
 
「黒川さんはどうしてそんな拷問をやったことある視点なんですか…」 
 
 
そして他の連中にも、 
「お前は女だからこの拷問の本当の辛さが分からないんだ!」「お前は本当の恋というものを知らない」 
とか散々な事を言われたんですが、…そうかなぁー!私だったら、「双児宮の門柱にずっと縛り付けられてろ!」とかむしろ幸せだぞ! 
でっかい岩を永遠に転がしたり、のど渇いてるのに永遠にお水飲めない…とかのが絶対イヤじゃない!? 
おっかしいなぁ…私の感覚がズレてるのかなぁ…? 
 
 
山田「とにかく俺たち人間に対する教訓は、
『ハーデスを絶対怒らすな。』――コレだな。」 
 
 
この後、 
「じゃあ逆に、神話の中で一番うらやましい状況なのは誰だ?」 
という話になったのですが、 
 
私以外「「そんなの絶対
アドニス!絶対アドニスだよっ!!」」 
 
冬はペルセポネーと愛人関係、 
春はアフロディーテと愛人関係、 
残りの季節は好きなことやってていい、 
ってそんなのすべての男の夢だかんな!!
 
 
「さっきと言ってること違くないですか!?ペルセポネーと愛人関係なんですよ!?そんなのハーデス様を怒らせないエンディングが無いじゃないですか!」 
 
 
しかもペルセポネーに恋焦がれただけで門柱にがんじがらめだったんだから、 
愛人なんかになったらハーデスのベッドの柱に縛られるぞ!! 
 
山田
「ああ、ペルセポネーみたいないい女とニャンニャンできるなら俺は例えハーデスの背中に亀甲縛りされてもかまわないっ!」 
 
ってじゃあやっぱその拷問全然効いてないんじゃん!! 
 
 
――結論。イイ女に手が出せないのはとてつもなくキツいが、 
分かっていても手を出してしまうのが男の性。だそうです。 
 
 
とまあ、こういう話をしていると、 
個人個人で感じ方や解釈って全然違うんだなとつくづく思います。 
ただ、ハーデス様自身が一番つらいと思うことが、「好いた女に手も足も出ないという状況」だとしたら、なんかこの人の考え方すごい可愛いくないか!?と私は思ってしまうんですが…。 
みなさんはどう感じられたでしょう。 
 
それと、アドニスの神話なんですけど、 
「アフロディーテはアドニスの養育をペルセポネーに託した」って話だったから、私はてっきりペルセポネーは恋人じゃなくてとしてアドニスに接していたと思っていたんですが…。だって、ペルセポネーと恋人だったらさ、ハーデス様怒んなかったのおかしいだろ。アフロディーテの恋人のアレスはめちゃくちゃ怒ってたのに。 
それに、ペルセポネーがアドニスの過ごすのってでしょ…? 
で、
ペルセポネーがハーデスと過ごすのもじゃん! 
それでハーデスが浮気に気づかなかったらどんだけお前の目は節穴なんだよ!!って話じゃん! 
こういう事ひとつとっても解釈違うなあ!ほんとに。 
 
ちなみに、私は誰かギリシャ神話でうらやましい人いるかなと考えたんですが……誰もいねえ…。だって
ギリシャ神話って基本的にみんなで足引っ張り合って全員共倒れる話じゃない!? 
でもあえて言うなら、人間の中では
アリアドネです。 
夫のディオニュソスは愛妻家そうだし、プロポーズも紳士的だったし、なにより毎日楽しそうだ! 
 
 
最後に、昨日
八景島シーパラダイスに行ってきたので、少しその写真を。 
 
 
 
 
イルカ見るとアポロンを思い出す! 
アポロンここ来たらすげぇ喜ぶだろうなー!「イルカ!これ私の神獣なんだぞっ!ああ、もうこのフォルムが!この流線型のフォルムがかっこいいんだ!」とか言いそう。 
そしてアポロンの周りにイルカがわらわら寄って来るんだ。 
 
 
もちろん、アポロン用にイルカの置物買ってきたぜっ! 
このイルカに乗ってデロス島〜デルフォイの海を渡ってくれ!神話のように! 
 
 
そして、なんか
10月からテレビでギリシャ神話のエロいアニメだかなんだかが始まるらしいですね!!まじ楽しみです!! 
情報くれた方ありがとうございます! 
 
拍手押して下さったかたも、ありがとうございます!励みになります!  
お返事は昨日分の日記にあります!  
 
  
 

 

2008. 9. 18
      拍手のお返事【9月17日〜19日】

拍手ありがとうございます!とても励みになります!! 
なんか、最近黒川さんが人気でとても面白いです。実生活では犬も寄ってこないレベルで世間に嫌われてるって言ってたので…。 
 
以下、拍手のお返事です。 
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2008. 9. 19
      アポロン、どうあってもお前が私に協力しないと言うのなら…
【アポロン、ヘルメス好き閲覧注意】

――それじゃあアポロン。 
お前はどうあっても私に協力する気はない、と。そう言うんだな?
 
 
フフフ…これを見た後も同じセリフが吐けるかな?!
 
 
 
お前の女を人質に取ったッ!!さあ、初恋の女を無事に帰してほしければ私に協力してもらおう、アポロン!! 
 
 
おっと…動くなよ!!少しでも動いたらドカンだぜ!! 
 
さあアポロン、教えてもらおう!お前がアイアコスに与えた神託の本当の意味を!! 
 
しらばっくれても無駄だっ! 
お前はアイアコスと共にトロイの城壁を作った。その時に彼に言ったお前の言葉だよ!! 
 
『トロイは、アイアコスよ、お前の手の働きが作った箇所で落とされるだろう。お前の4代目の子孫によって』 
 
――この言葉はなんだ、アポロン!? 
トロイが落ちたのは、木馬を正門から運び込んだからだ!!
アイアコスが作った箇所の城壁が崩されたからじゃない…! 
それにトロイ戦争を戦ったアキレウスやアイアスは彼の2代目の子孫だ。
4代目じゃない!「アイアコスの4代目の子孫」とは一体誰のことなんだ!? 
 
 
何もかもがおかしい!この神託はなんなんだ!? 
さあ、それを私に教えてもらおう!アポロン!! 
 
 
 
……って
無視かよ!! 
 
…なるほどね…
お前、私に対してダンマリを決め込むつもりだな!? 
 
…それで私が「はいそうですか」と引き下がるとでも思うのかぁっ!! 
ふざけるなよぉおおおーーー私は絶対にこの問題を解決して23日のパラ銀に行くんだ!! 
 
そっちがそう来るなら私にだって考えがあるぞッ!!
 
人質が一人だけだ
、と……まさかそんなふうに思ってはいないだろうな!? 
 
お前の親友ヘルメス…彼の神獣が何だったか覚えているな? 
 
ふふふ…これから見せる光景はお前の想像のはるか上を行くッ!! 
見よっ!! 
 
 
ヘルメスの神獣の3匹は私の手の内にあるっ!! 
 
 
さあ、どの羊さんからハーデスの元に送ってやろうか…!! 
 
なんだ、アポロン、その目は!? 
やめて欲しければ私に教えるんだっ!あの意味のわからない神託は何なんだ!? 
 
さっき、同じ質問を黒川にしたんだぞ! 
そしたら、あの男、なんて言ったと思う!? 
 
黒川
「アポロンは決して未来を読み違えません。おかしいと思うのは、われわれ人間の解釈が間違っているからです。 
 
――藤村さん、気をつけてください。アポロンの言葉の解釈を誤れば…確実に破滅します。」
 
 
 
一言一言が重いんだよアイツの言葉は!! 
 
 
確かになぁ、アポロン!! 
お前に破滅させられるなんて、正直私にとってこれほど甘美な終わりはない!! 
 
だけどまだダメだ!私はまだお前に何もしてやれていないんだ!! 
お前や、お前が愛するものたちを助ける力を私にくれっ!アポロン!! 
 
 
――…ここまで言ってもダメなら、奥の手を出すしかないな!! 
アポロンっこれを見ても平静でいられるか!? 
 
 
ヘルメスだ!お前の大切な親友のなぁ!! 
 
ふふふ…このヘルメスをどうすると思う?彼にとって一番屈辱的なことをさせてやるんだよ…! 
 
これを見るがいい! 
 
 
リンゴだ。だがただのリンゴじゃないぞ!! 
 
 
二つに割れる!! 
 
…まだ察しがつかないようだから説明してやろう。 
 
この二つのリンゴの間にヘルメスを挟む。そうするとどうなると思う? 
 
――どこかで見たことがある構図になるだろう!? 
 
ふふふ、そうだ!!
サザエさんのオープニングだ!!「♪今日〜もいい天気〜♪」のフレーズととともにリンゴが割れて腰をふるアレだ!! 
 
わははは!!いつもクールで色男のヘルメスが磯野家に仲間入りするという屈辱に耐えられるかな!? 
 
 
 
さあさあどうするんだアポロン!?お前の親友がこのまま磯野ヘルメスになってもいいのか!? 
 
イヤだというなら、教えてもらおうじゃないか、アポロン!あの神託の秘密を!! 
 
 
 
――………。 
 
恐ろしい男…!!ここまでしても大理石の像のように全く動じないとは……!!
 
 
だけどアポロンっ、私だって退くわけにはいかないのよっ!! 
 
こうなったらもう…アポロン、おまえ自身を…!! 
 
 
 
「「やめろっ!アポロンに手を出すなっ!!」」 
 
 
 
……!!お、おまえたち…!! 
 
「ヘルメスに、羊たち、そして、アポロンの息子アスクレピオスに……最後の奴ら誰!?」 
 
なにそのロボ!? 
さっすがアポロン!!機械帝国の連中にも好かれてやがるっ!! 
 
 
私「私だって…私だってお前たちのようにアポロンを守りたいわっ!アポロンを助けたい!!」 
 
だけど私はヘルメスみたいに頭も良くないし、アスクレピオスみたいにできた人間じゃないし、そのロボみたいに
右手からロケットアームも飛ばないのよっ!! 
 
お前たちが本当にうらやましい!私は…何もできないただの人間だもん!! 
ああ、アポロン私は…! 
 
 
 
――…と、突然ここで私の携帯の着信音が。 
 
♪チャンチャカすちゃらちゃスッチャンチャン♪(♪笑点のテーマ) 
 
ビクッ! 
 
「な、なんだ!?まさか笑点のテーマソングに乗ってアポロンから電話が!?」 
 
あせりつつも携帯の着信画面を見ると、 
発信者は―― 
 
『変なTシャツ』 
 
 
「……なんだ、黒川さんですか…もしもし?」 
 
黒川『なんだとは何ですか。黒川ですけど…。今何してます?』 
 
「今ですか?今は…、 
 
 
 
――特に何もしていませんでした。断じて。何か長くなるご用件ですか?」 
 
黒川『先ほどメールで仰っていた、
アポロンの神託のことなんですけど…ちょっと思うことがあって電話しました。今話しても大丈夫ですか?』 
 
「ぜひお聞かせ願いたい。」 
 
 
黒川さん曰く、「『アイアコスの4代目の子孫』とは
ネオプトレモスのことではないか。」 
 
黒川『トロイが落とされたのは、実際にはアキレウスの息子のネオプトレモスの時ですし…。ネオプトレモスはデルフォイでアポロンと一緒に祀られているくらい、アポロンに愛されてもいます。』 
 
私「でも、ネオプトレモスはアイアコスの3代目の子孫ですよ。4代目じゃないです。」 
 
黒川
『3と4を間違えたんじゃないですか?―あ、アポロンがじゃないですよ。この神話を語ったピンダロスが、です。』 
 
 
……ピンダロスが間違えた…?本当にそうだろうか。 
ピンダロスは古代ギリシャで「最もアポロンに愛された詩人」と謳われた男だ。デルフォイでアポロンが夜ごとピンダロスの歌を所望した、という伝説まで残っているほどの詩人だ。 
 
 
「…そんな男がお前の言葉を間違えるだろうか。
どう思う、アポロン?」 
 
 
 
――っち、いきなり話しかければ油断して返事をするかと思ったけどダメか…! 
 
黒川『?…もしもし、藤村さん?そこにどなたかいらっしゃるんですか?』 
 
私「――黒川さん…どうしよう…
さっきからアポロンが一言も口を利いてくれないんです…!」 
 
黒川『…藤村さん、落ち着いて下さい。アポロンに話しかけられたとしたら、むしろそっちの方が問題です。ですから、大丈夫です。』 
 
 
――ヤバイ、私、胸にいつも変な文章が書いてある男から常識を諭されてる…!! 
 
私「…す、すみません。今、我に返りました。黒川さん、色々ありがとうございます…参考にさせていただきます。また連絡させて下さい。」 
 
 
――ああっ、今まで何やってたんだ、私!! 
 
 
 
ごめん…アポロン、まじでごめん!! 
私は自分を見失ってたんだ!悔しかったんだ、本当に…! 
 
『トロイは、アイアコスよ、お前の手の働きが作った箇所で落とされるだろう。お前の4代目の子孫によって』 
 
この言葉を聞いただけで、古代のギリシャ人はこれが何を指しているか分かったはずだ…!でも、私には分からないんだ…!本当に悔しい!! 
 
でも、私は私にしかできないやり方で、アポロン、貴方と貴方の大切なものを助けてみせる!! 
 
ああ、アポロン、そしたら、いつものセリフを言ってほしい! 
 
 
 
『私は人間がうらやましい。そんな風に嘆き悲しめる。愛するもののために死ぬことができる。神である私には許されてはいない。』 
 
……私の大好きなアポロン!! 
 
 
 
――っあー!私、失敗した…!! 
ギリシャに行ったときさあ、アポロンのバービー人形あったんだよね…!私、バカにされんじゃないかと思って買ってこなかったんだけど…!デルフォイにオリンポス12神のバービー人形がまとめて売ってたのよっ!!全部買ってくるべきだった!やっちゃったぁーーっ! 
買ってたらお目目がキランキランしてる12神みんなが最後わらわら出てくるエンドとか出来たのに…!っちっくしょおおーーのがしたーー!! 
ポセイドンとかめちゃくちゃ売れ残ってたのに…買うべきだった!本当に買うべきだったっ!! 
 
 
――とまあ、バカはここまでにして、と。 
…っていうか今アポロンが本当にしゃべったら、
「お前下らないことやってないで一行でもギリシャ語読め」って言うと思うよ。 
 
すまん、アポロン…。 
もう少し悩んでみる…。 
うーん、そもそもさあ、「アイアコスとアポロンとポセイドンが、トロイの城壁を作った」って神話自体、ピンダロスの神話にしか出てこないんですよね。もしかしたら、ピンダロスが創作した神話なのかもしれない。この神話は、アイアコスの子孫のアイギナ人の前でピンダロスが歌った神話だ。だとしたら、どうなるんだろう…。 
 
コレがどうしても気になって先に進めないわ…とりあえず、23日のパラ銀には行きたいなあ。 
なんというか、私がギリシャ神話を本気で勉強しようと思い立ったのは、アポロンが原因だったので、ハーデス様とは全く違う思い入れがあります。本当に、あの男には人生狂わされたわ…! 
そして、手荒なマネをして本当にすみませんでした、アポロン、ヘルメス、ダフネー、あと羊たち。 
 
そんなわけでここまで付き合って下さった方、どうもありがとうございました! 
 
拍手ありがとうございます!! 
拍手のお返事は昨日分の日記にあります! 
  
 

 

2008. 9. 22
      拍手お返事(20日〜22日)

拍手どうもありがとうございます!! 
以下、拍手のお返事です。23日以降のレスは23日分の日記にあります。 
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はじめまして、いつも大爆笑でこちらのサイトにこさせていただいてます

黒川さんのTシャツ現物を見てみたいものです。

かくゆう私はサモトラケのニケのTシャツ持ってますデカデカとニケ

が真ん中に鎮座して下にゴッテスビクトリーって英語で、普段着る勇気が

私にはありませんのでパジャマ状態です。

買ったときはオリンピック真っ最中でのりで買いましたが、終わるころに

なんでかったのか、と後悔してるおばかです。

黒川さんの勇気と情熱に完敗です。 



..9/27 16:27(Sat)

ルチルさん>遅くなってすみません!はじまして!サイト、いつも楽しんでいただけていることのこと、とても嬉しいです!!
黒川さんTシャツの現物(笑)。私もすごーく載せたいです!「みんな見ろよっ!コイツこんなTシャツ着てんぞー!」と言いふらしたいですが、やっぱりそこは黒川の個人情報…載せるわけにはいかず、とても残念です。私の友人もギリシャでそれ系のTシャツを買っていました。私は、「やめなよ!そんなの絶対着る機会なくてパジャマになっちゃうって!」と忠告したのですが…。やっぱり普通は着る勇気ないですよね!黒川さんの勇気には私も完敗です。コメントありがとうございます!
..10/4 20:44(Sat)

 

2008. 9. 23
      拍手のお返事(9月23日、24日)

全然関係ないのですが、今タイ料理にはまっています。 
で、私はトムヤムクンとかに入っている洗濯機みたいな味の葉っぱが大好きです。そいつの名前が分からないんですが、とにかく洗濯機の味です。もうあれだけでバリバリ食べたいのになあ…。 
 
拍手ありがとうございます!とても励みになります! 
以下、拍手のお返事です。
22日以前のレスは22日の日記にあります。 
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パクチ!それはパクチですね!!(輝く笑顔)

と言いたいが為に勢いで初書き込みしてしまいました。
はじめまして。芹澤と申します。
何時も楽しく拝見させて頂いております。

ギリシャ旅行記の続きが大変気になります…。
また、足を運ばせて頂きますね。(´∀`)
..9/28 3:14(Sun)

芹澤さん>よく「洗濯機の味がする」という情報だけでパクチだと分かりましたね!!(笑)
はじめまして、コメントありがとうございます!調べてみたら、パクチで間違いなさそうです。情報どうもありがとうございました。いつも楽しんで頂けているとのこと、とても嬉しいです!ギリシャ旅行記、続きを早めにアップできるようにがんばりますね!またぜひ遊びにいらしてください!
..10/4 20:48(Sat)

 

2008. 9. 24
      史上最大の危ないアポロン大作戦 in 渋谷(前編?)

――何から話していいのか分からないのですが…。 
結局昨日のパラ銀には行けたのですが(後述)、そのイベントの帰り道に、
 
「いつも変なギリシャ語のTシャツを着ている」
ことでお馴染みの、 
あの黒川さんから一本の電話が。 
 
ブルルルル…(バイブ音) 
 
私「…はい、もしもし、黒川さん?」 
 
黒川
”おおっ友よぉ――っ!なぜだーー!!なぜそのような恐ろしいことを―!?一体どの神がお前をそそのかしたのだ――っ!?” 
 
「”ぎぃゃあぁああ〜〜〜!!アポロンなるぞー!友よ、アポロンなるぞ――!!この地獄の苦しみを仕立て上げた張本人はァアアーーッ!!” 
 
――って何ですか!?急に乗せないで下さい!
今、休日の浅草にいるんです!通行人に変な目で見られたじゃないですか!!」 
 
 
なんで急に
ギリシャ悲劇『オレステス』より抜粋の掛け合いから 
電話が始まったんだ!?黒川どうしたんだ!?と聞くと、 
 
黒川『どうしたじゃないでしょう。藤村さん、あなたが昨日僕に何をしたか、忘れたとは言わせませんからね…』 
 
私「エ?昨日?」 
 
…昨日って…大学帰りに黒川さんに会った時のこと? 
私の持ってるある神話関係の本を貸してほしい、とのことで 
それを渡して……ってそれだけじゃね? 
 
私「すみません、何のことですか?」 
 
黒川
昨日あなたが持っていたカバンのことですよーーっ!!あれは僕に対する挑戦ですーっ!! 
 
私が昨日持ってたカバンて… 
 
 
↑ギリシャで買ったこの神話モチーフのカバンのことかい? 
 
黒川
『ト、トリプトレモスぅぅーーー!!幻の4番目の冥界の裁判官、トリプトレモスが描かれているーーっ!!トリプトレモスが竜の引く戦車に乗って天空から種を撒くシーンが描かれているーーっ!!もう僕は鼻血がじょんじょろ出そうでした!!』 
 
 
「は?」 
 
黒川『だって、そんな!そんなカバンずるいじゃないですか!!
そんなの、僕がどんなギリシャ語のTシャツを着ていようが、絶対かなわないじゃないですか!!』 
 
私「はあ…」 
 
黒川『昨日、あなたと別れた後の僕のみじめさが分かりますか!?右腕をもがれ!体中傷だらけで!血だらけの状態です、僕のハートは!!ああっ僕が例えどんなギリシャ語を胸に掲げようとも…トリプトレモス出されたら絶対に勝てない…!!』 
 
私「…あの、黒川さん」 
 
黒川
『幻の4番目の冥界の裁判官ですよ!そんなマニアックかつ魅力あふれる男のカバンを持っていたなんて、どうして今まで黙ってたんです!?ずるいです!完全に後出しジャンケンです!! 
 
私「……いや、黒川さん、」 
 
黒川
『だったら俺の体の側面にもトリプトレモスを描いてくれよと!エンタシスの柱がドッカンドッカン建ってる冥界の裁判所を!そしてその窓から手を振るトリプトレモスを俺の体に描いてくれよぉっ!!』 
 
 
「おいテメー黒川、この変態野郎!頭を冷やせっ!!しばらく冷蔵庫に頭つっ込んでろ!!…一体なんなんですか?何がおっしゃりたいんです?」 
 
黒川『……すみません…あの…まず、本をどうもありがとうございました。大変参考になりました。それで、その本をお返ししたいこともあるので、近日中に藤村さんにお会いしたい。
いつお時間をいただけますか?』 
 
 
「本をお返ししたいこともあるので」って、 
何!?何かそれ以外のこともあるの!? 
 
私「そ、それじゃあ…来週の○曜日、大学帰りにまた渋谷で大丈夫ですか」 
 
黒川『分かりました。それでは、6時にハチ公前でお願いします。…そこで僕の本気をお見せいたしましょう。』 
 
「はあっ?」 
 
黒川『先に宣言しておきます――
僕はアポロンで行きます。』 
 
 
「アポロンで行きます」!? 
まさかアポロンのコスプレで来るって事!? 
 
チン毛をすべて剃った状態の全裸で、矢筒を背負い、右手に竪琴、左手に弓矢!? 
それでハチ公前に6時!? 
 
お前っこの法治国家日本でそんなことが許されると思ってるのか!?
 
 
 
黒川『藤村さんのマニアックなトリプトレモスに勝つためには、逆に最も名高いアポロンで行くしかありません!!』 
 
私「ちょ、ちょっと、早まらないで下さい!黒川さん、待っ…」 
 
黒川
”この俺がどういう存在かはご存知であろう、アポローンの君!” 
 
「”おお、タナトス!人間にとって最も忌むべきもの、神々にとって最も汚らわしきもの!!”…って黒川さん、」 
 
…プツッ。ツーツーツー……
 
 
「……。」 
 
 
――ちょっと待って、これどういうことなの? 
外で電話を受けていたこともあって、黒川さんの言ってることあんまり聞き取れなかったんですが…、ほんとはこれの10倍くらい色んなこと言ってた。「ドント・タッチミー!僕は堕天使です!」みたいなこととか言ってたんだけど…。 
なんなのこれ?私がギリシャで買った何の変哲もない(と思ってた)カバンが、何か黒川さんの導火線に火をつけたわけ? 
それで私に一泡吹かせるために、来週ハチ公前にアポロンのコスプレで来ると。――そういう流れなの? 
 
まさか…いくら黒川さんでもそんな事は… 
ていうか私、どうしたらいいんだろ!?と思いあぐねて、 
私はとある男のところに電話をかけてみることに。 
 
 
プルルルル、プルルルル…ガチャ。 
 
山田「はい、もしも〜し!こちら山田!」 
 
私「もしもし山田先輩!?どうしよう!!
来週、黒川さんが猥褻物陳列罪で渋谷でしょっぴかれるかもしれないんですけど…!!」 
 
 
先日からの日記でお馴染みの、他大の山田先輩に相談してみることに。 
これまでのいきさつを先輩に話すと、 
 
山田「…
『アポロンで行く』。本当にそう言ったのか?」 
 
私「そこは聞き間違えませんよ。
『アポロンで行く』。確かにそう言いました。」 
 
さもなきゃ
『アポロンで逝く』『アポロンでイク』でしょうけど… 
前後の文脈からしたら、「アポロンで行く」だと思う。 
 
私「まあ、冷静に考えて全裸はありえないですよね…?」 
 
山田「そうだな…でも、金髪に青いカラコンして草かぶってくるくらいのことはアイツしそうだぞ。それか、ハチ公の前で竪琴演奏するとか…」 
 
私「山田先輩……
仮に、よ?もし仮に、黒川さんがどれか一部分でもアポロンの格好で渋谷に来たら私、マウントポジションで黒川ブン殴っていいですよね?」 
 
山田「…ちょっと待て、最悪の場合、お前一人じゃ黒川は止められない。
念のため、俺と西野が遠くから見ててもいいか?」 
 
 
――そんなわけで、
私はハチ公前で待機、山田と西野がツタヤの二階のスタバから監視し、もし本当に黒川がアポロンだったら、全員でハチの巣にする、という作戦に。 
 
…なんでこんな渋谷が戦場みたくなってんだよ! 
っていうか、山田も西野も絶対おもしろ半分だろ!? 
 
一応、黒川さんにもメールで「来週、山田先輩たちも来るかもしれないんですけど、いいですか?」と聞いてみたところ、「もちろん大歓迎です」との返事が。
それは何?「たとえ大の男が二人加わったところで、この輝く股間は隠せないぜ!ドント・タッチミー!僕は堕天使!!」ってこと!? 
 
分かんねぇ〜〜!黒川ほんと分かんねえーー!! 
ほんと怖ぇぇえーーー!! 
だけどねえ、私だってトリプトレモスの事なら引き下がれないのよっ!! 
そっちがアポロンで来るなら、私にも考えがある!!
 
私だってギリシャでいろいろ買ってんのよ! 
古代風の白い服とかさ、編み上げサンダルとか、ギリシャ文字のペンダントとかさあ! 
全部着てってやろうか…いや、何か逆転の発想が必要だ!! 
 
向こうもこっちの考えは読んでいるはず…!
「アポロン=全裸」という予想を私がしていることはすでに感づかれている!一体どんな手で来るつもりだ、黒川!? 
 
 
とにかく、来週黒川さんに会ったら、 
その時に何が起こったかをまた書きます…この日記に書けるような内容だったら。 
そうじゃ無かった場合は、この事にはまったく触れないで、
「大きな石って大抵重いですよね〜」とかそんな当たり障りのない話をします。 
 
…渋谷に来たことある人はスタバの二階とか、「ああ!」って感じでしょうけど、知らない人には分かりにくい話題ですみません。それと、一応ここに書いてある「来週の待ち合わせ日時」関係は本当のものではありません。念のため。 
 
 
――あー何だよ、今日イベントのことメインで書きたかったのに… 
黒川に全部持っていかれたよ…。 
 
パラ銀、行ってきましたが、とても楽しかったです! 
星矢の方々は本当にみんないい人ばっかりだ! 
私、ほんと話しかけまくりですみません…お話して下さった方、本当にありがとうございました!!特に、S.Hさん…私、スペースに居座りまくってすみませんでした!お話ちょう楽しかったです!デルフォイのお話とか、本当に面白かったです…!あれは絶対サイトに書くべきだ…!! 
それと、なんか、男性の方もこのサイト見てくれてると仰ってくれてすごい嬉しかったです…女の人しか見てないかと思ってた。 
 
そして、私がご本を買わせてもらってる立場なのに、何かいろいろお土産を頂いてしまってどうもありがとうございます!おいしく頂いてます!しかも私が大ファンの方から生絵もらっちゃったぞ…ああ…本当にFさんありがとうございます!!超ガン見さしてもらってます!! 
温かいお言葉を下さった方も、どうもありがとうございます! 
あ〜!次はイベント出れたらいいなあ〜! 
 
 
――そんなわけで、
来週はアポロンに会ってきます。 
 
 
拍手ありがとうございます! 
お返事は、22日、23日分の日記に書いてあります!  
 

 

2008. 9. 28
      危ないアポロン大作戦(中編?) 

――先日お話したとおり、来週、黒川さんがアポロンのコスプレ?で渋谷のハチ公前に来る、という話ですが…。 
 
私、色々と考えて…一つ確信したことがあるんですけど… 
 
 <アポロンの外見についての引用> 
 
『アポロンは、金髪にかがやく髪に、 
 パルナソス山の月桂樹の冠をいただき、 
 テュロスの紫色で染めた長衣で地面を掃く。 
 宝石とインド産の象牙で飾られた竪琴を左手に持ち、 
 右手でばちを取った。』 
 
 『黄金の髪は渦を巻いてそのたくましい肩に流れ落ち、 
 まとった神のものなる衣からは焚きこめた香のにおいが立ち上る。』
 
 
 
――あんな冷蔵庫のチルト室で腐ったネギみたいな男にこれをやるのは絶対無理です!! 
いや、黒川さん、本当にごめん!!黒川さん自体はかっこいいし、いい人よ!私は大好きだし尊敬してる!!
だけどアポロンと比べたら犬から出てきたノミほどの存在感もない男なのよっ!!こんなのは絶対に無理よ――っ!! 
 
…という旨を、黒川さんにもう少しオブラートに包んだ言い方でメールすると、 
 
返信:『大丈夫です。すでに完璧です。来週には完璧な
アポローン=デルフィニオス(※デルフォイのアポロン)をご覧に入れましょう。』 
 
ア、アポローン=デルフィニオス…? 
…それって、これのこと? 
 
『遠矢射るアポローンの君は、白昼にかがやく星のように船から飛び降りた。 
その体からはあふれる閃光が飛び散り、輝きが天にまで達した。』
 
 
 
――いったい何百万個の豆電球を体にまきつけて来る気よ? 
 
…だけど「完璧です」って言うくらいなんだから中途半端なコスプレじゃ許さないかんね!? 
 
テメー絶対 
 
 
この格好で来いよ!!
すっぱだかで金髪を巻き毛にして体中からいいにおいさせて来い!!
 
 
でもねえ! 
お前がたとえクリスマスのイルミネーションのごとく光り輝いていようともっ! 
たとえお前のそのメガネからどんなビームが出ようとも! 
 
お前にあのアポロンの閃光は…!哲学者ソクラテスの心の闇にすら、理性の光を射掛けたようなあの輝きは! 
 
…絶対に再現できぬわ…!!
 
 
さあ来い、黒川! 
お前の精一杯のアポロンで渋谷に光の矢を射掛けてみせろ! 
私の心に光を焼き付けてみせろっ!
 
 
だけど絶対私が貴様を正気に戻す!「アポロンはこんなチルト室で腐ったネギみたいな男じゃねえ―っ!!」さあ勝負だ!黒川ーっ!
 
 
 
 
あ、一応、黒川の沽券のために言っておきますが… 
当たり前だけど、アイツは他人の迷惑とかポリスのお世話になるようなことは絶対にしない男ですよ!多分何かひねって来るんだと思うよ。 
 
それと、黒川さんのこと悪く言っちゃってすみません… 
何度も言いますが、黒川さんはとてつもなくいい人で、かっこいい人です。ただ、なんていうか雰囲気が…ディズニーの『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』の主人公のさ、ガイコツ男のジャックっているじゃん?あれをもうちょっとガイコツっぽくした感じっていうか……さもなきゃ
井戸から出てこれない貞子っていうか…、これ、フォローになってる? 
 
ああ、来週が待ち遠しいよっ!週よ、早く明けろ!! 
 
拍手ありがとうございます!
  
 



藤村シシン
古代ギリシャ・ギリシャ神話研究家。
高校で出会ったアニメ『聖闘士星矢』がきっかけでこの道へ。東京女子大学大学院(西洋史学専攻)修了。

◆著書『古代ギリシャのリアル』(実業之日本社)。◆ NHKカルチャー講座講師。◆2020年オリンピック採火式NHK生中継内、古代ギリシャ語同時翻訳。 ◆平成28年 東京国立博物館『特別展・古代ギリシャ』公式応援サポーター。 ◆UBIソフト『アサシンクリード・オデッセイ』公式コラボ ◆古代ギリシャナイト主催。 など。

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2008. 9. 28 危ないアポロン大作戦(中編?....
2008. 9. 24 史上最大の危ないアポロン大作....
2008. 9. 23 拍手のお返事(9月23日、24日)
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2008. 9. 19 アポロン、どうあってもお前が....

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