藤村シシンぶろぐ


 

2009. 1. 11
      【ギリシャ神話まんが】ハーデス様のネーミングセンス問題

※画像がスーパー重いです 
※マックとかでちゃんと表示されている自信がまるでないので、「漫画見れないよ!」という方がいらしたらお教えくださると嬉しいです。
 
※最重要事項:ハーデス様の奥さんのペルセフォネーは、元々の名前は「コレー」です。 
 
 
 
 
 
「 蝶  魂 」 
ΨΥΧΗ 
ΚΑΙ ΨΥΧΗ
 
 
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「ペルセフォネー」はハーデスが彼女に与えた名だった。 
そしてこの名前は二つの意味に取れる。 
一つは「光を壊す女性」、もう一つは「目も眩むような光」。 
 
一体どちらの意味でつけられたものなのか? 
 
当然「冥王の妻」の名としては、「光を壊す女性」をとるべきだろう。 
しかし、「目も眩むような光」の可能性は常にその中に内包されている。
 
 
 
 
――正月から日記でなんという暴挙に出てるんだお前は… 
しかも文法の話かとおもったら変なラブコメかよ!!という感じですみませんが、 
正月だし一番言いたいこと言うぜ!! 
 
ハーデス様は、ペルセフォネーのことを絶対に「コレー」とは呼ばない。 
またギリシャ人も、ハーデス様と一緒にいる時の彼女を絶対にコレーとは言わない。 
 
私は、「ペルセフォネー」を「光を壊す女性」ととることには賛成する。 
だけど!ハーデス様にとっては!ハーデス様にとっては…彼女は「目も眩むような光」だっだはずだ!!
 
 
「”花にたむろす”」、と来たら「蝶」、 
「”冥王の妻”」と来たら確かに「光を壊す女性」だが!! 
だけど私は!その文脈を言葉が裏切る時があることを期待する! 
 
…ということを、私が言うよりアポロンに言わせたほうが説得力ある!というセコイ考えでアポロンに言ってもらいました。 
(アポロン自身は冬ギリシャにいないから、ペルセフォネーの時の彼女とは会った事ないだろうし、冥王夫妻をいい感じに客観的に考えられるのでは。) 
 
 
―――ってかむしろ、
むしろわざと二つの意味に取れるようにハーデス様がしたんじゃないか!? 
 
「コレー(純潔)」という名前はもう使えないから、新しい名前あげなきゃな!ってなった時、 
最初は
「僕だけのラズベリーパイ」とか「マイ・スイートハニー・フォーエバー」とかそういうクソみたいな甘々の名前つけようと思ったんだけど、 
 
タナトス「いやいや!ハーデス様!仮にも冥王の妃の名前なんだから、もっと恐ろしげな名前に!
『歩くギロチン』とかそういうの!!」 
 
って言われて、「ックッソー!それじゃー『ペルセフォネー』だ!!一見『光を壊す女性』だけど、二人っきりの時は『目も眩むような光』のニュアンスで呼んだるわい!!」 
 
――くらいの事を一人で思っていてくれるといいなあ!! 
 
 
…と、どうして急にこんな漫画を描いたかというと、 
1月1日に、私のいとこに赤ちゃんが爆誕しまして。 
親戚みんなで「よぉーし!!みんなでコイツの名前決めよーぜ!!」だの、「おーし!正月に生まれたからコイツ『初日の出』にしろ!!」だの、 
「おい、シシン!お前歴史勉強してるならコイツに気の利いた名前つけてやれ!!」 
 
「だから私ギリシャ史だって!!阿呆論(あぽろん)とか馬鹿巣(ばっかす)とかならいくらでも出してやるけど!!」 
 
――というやり取りがあって、やっぱり、名前をつけるっていう行為は大切だなあと改めて感じました。(赤ちゃんはごくごく普通の和風の名前になりました) 
 
 
ギリシャ神話の世界でも名前ってすごく重要だ。 
 
「ゼウス」が「輝ける空」を、 
「ポセイドン」が「大地の夫」を、 
「ハーデス」が「見えざる者」を意味するように。 
 
だから、「ペルセフォネー」…この名前をハーデス様がどんな想いで授けたのか!気にもなるだろ!! 
 
だけど、どちらにしても!「光を壊す女性」、「目も眩むような光」どちらにしても! 
彼は自分の名前(ハーデス=見えざる者)にかけてきてるわよ!!そして彼が彼女を呼ぶときには万感の想いが込められてると思うんだ。
 
 
 
――そんなわけで、大変おそくなりましたが、 
明けましておめでとうございます!今年もよろしくお願いいたします!!
 
 
新年早々私の拙い漫画に付き合って下さってどうもありがとうございました。もう本当にお前は…エンタシスの柱の一本でも描けよ!!ってくらいに雑ですみませんでした…。 
 
 
最後にちょっと漫画の補足を! 
 
◆「プシュケー」は「魂」・「蝶」、二つの意味があります。が、それは蝶が霊魂がさまよっているように飛ぶからで、「魂」に由来しています。なので、「まったく異なる二つの意味」というのとは本当はちょっと違います。これ以外でよさげなギリシャ語が思いつかなかったんだ…アポロンごめんよ。 
 
一応ギリシャ語得意な黒川さんに「ハーデス様の周辺で、ダブルミーニングな単語ない?」と聞いたんですが、 
 
黒川
「そうですね…あっ、ハーデスのご神木の天人花は、ギリシャ語では女性器名称と一緒ですっっ!! 
 
――ってそんなのどうやって使うんだよ!!シリアスな話で!! 
 
 
◆「ペルセフォネー」…「ペルセ」は「破壊」、「フォネー」は「光」。「フォネー」が「ペルセ」にかかって「光の破壊者」なのか、それとも「ペルセ」を形容詞的にして「破壊するような光(=目が眩むような光)」なのか。という話。 
ちなみに、英雄ペルセウスも語源はこの「ペルセ」。つまり「破壊する人」という意味。 
 
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最初の方でハーデス様をもっとどえらく酷い男に描きたかったんですけど、全然だめでした…。あとなんか7ページ目から10ページまでの流れが
ハーデス様の白昼夢っぽくなってますが…私も描いてる途中で「あっ、これハーデスの妄想っぽい。」と気づいたんですが、むしろそっちの方がよりハーデスがダメな男になるかと思ってあえて直しませんでした。すみません。白昼夢ではないです。 
 
 
最近思うんですけど、サイトにギリシャ神話ページ作ったほうがいい気がしてます。この日記に漫画とか置くのスゲー大変だからさ…サイトにスペース作った方が見やすいですよね…。 
とにかく、時間見つけて今まで日記で書いた漫画の保管庫的なページを作りたいと思います! 
 
 
そんな訳で、改めまして本年もどうぞよろしくお願いいたします!! 
みなさんの心の
ハーデス好感度メーターを1ミリでも上げられていることを祈って!!(笑) 
 
 
拍手ありがとうございます!! 
そして、コメントもどうもありがとうございます!! 
 
お返事は、昨日分の日記にありますぜ!! 
  
 



藤村シシン
古代ギリシャ・ギリシャ神話研究家。
高校で出会ったアニメ『聖闘士星矢』がきっかけでこの道へ。東京女子大学大学院(西洋史学専攻)修了。

◆著書『古代ギリシャのリアル』(実業之日本社)。◆ NHKカルチャー講座講師。◆2020年オリンピック採火式NHK生中継内、古代ギリシャ語同時翻訳。 ◆平成28年 東京国立博物館『特別展・古代ギリシャ』公式応援サポーター。 ◆UBIソフト『アサシンクリード・オデッセイ』公式コラボ ◆古代ギリシャナイト主催。 など。

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