エペメリス・シシナス・フジムラス


 

2009. 12. 27
      【中編:黒川のお歳暮来襲'09】88分の1の奇跡!
ハーデス&ペルセポネー・愛の星座対決!

※前日の日記の続きです。 
 
……と、その時、ふと棚に置いてあるアポロンが目に入った。 
 
 
…アポロン。 
おそらく古代ギリシャで最も輝かしいこの男。 
 
私(……そう言えば、お歳暮のプラネタリウムが入ってた箱…。アポロンの祭壇の形だった……) 
 
 
 
そう、私はあの時これを見て不思議に思ったんだ。ハーデスの戦いなのにどうしてアポロンの祭壇なのか…? 
私は軽い気持ちで…本当に軽い気持ちで、その質問を言葉に乗せた。 
 
私「……
『アポロン…?アポロンに…何か関係がある、とか…?』」 
 
黒川『…!!』 
 
…瞬間、 
電話の向こうで黒川が息を呑んだのが分かった。 
 
「?…黒川さん?アポロンに関係がある星座なんですか?」 
 
 
黒川『………っ…
YESです…!!』 
 
YES!!?…YES…!!? 
って事は…ハーデス、ペルセポネーはおろかアポロンにも関係ある星座なの!? 
絶対ないだろそんな星座!!!?
 
 
(何かがおかしい…!!そんな星座神話があるなら私が知らないはずない!忘れるわけない!!) 
 
何かを見落としてる!そう、私は見落としている!何かを!!
 
 
(でも一体、何を…――!?) 
 
【中編:黒川のお歳暮来襲'09】88分の1の奇跡!  
ハーデス&ペルセポネー・愛の星座対決!
 
 
…落ち着いてこれまでの流れを整理しよう。 
黒川から送られてきたお歳暮はこのプラネタリウム。 
 
これを点灯した時、天井にある「星座」が中心に浮かび上がるという。 
 
私(そしてそれは
「ハーデス&ペルセポネーに関係ある星座」…!) 
 
それを4回の質問で当てられれば私の勝ち。 
第1の質問は
「それは乙女座か三角座か?」NO。 
第2の質問は
「それは黄道(12星座)よりも北にある星座か?」NO。 
 
これで候補は15星座に絞られた…!! 
 
 うさぎ座     うみへび座    エリダヌス座  
 おおいぬ座    おおかみ座    オリオン座  
 からす座     くじら座     ケンタウルス座  
 こいぬ座     コップ座     さいだん座  
 みなみのうお座  アルゴ座     みなみのかんむり座  
  
15分の1…!! 
この中で「ハーデス・ペルセポネー・アポロンに関係ある星座」…!!? 
 
(分からない…!!) 
 
そんな星座が本当にあるのかも、そして
「アポロンに関係あるのか?」と聞いた時、なぜ黒川があんなに動揺したのかも…!! 
 
私(とりあえず…この中で「アポロンが関係する星座」を絞ってみよう!!) 
 
 
まずエリダヌス座!エリダヌス川はアポロンの息子パエトンが死んだ場所! 
そしてカラス座!!カラスはアポロンを騙して恋人コロニスを彼自身の手で殺させた! 
その時アポロンは怒りまくって、そのカラスをはじめ、コップや水蛇など身の回りにあった物を
手当たり次第天上にブン投げた。 
そこでできたのがカラス座、コップ座、水蛇座!! 
 
 
そしてオリオン座!アルテミスに手を出したオリオンにキレたアポロンが彼を殺した、という神話がある…… 
 
おいおい意外にあんぞ!アポロンが関係する黄道以南の星座!! 
ってかアポロンがキレまくる星座神話ありすぎだろ!!?
 
 
私「でも…これで5つに絞られたぞ…!!」 
 
 エリダヌス座!カラス座!コップ座! 
 みずへび座!そしてオリオン座!! 
 
ああ!だけど!
だけど、ここまで絞られても全然思い浮かんでこない!!ハーデス様とペルセポネーの星座神話が!! 
そして二人に関わる星座がどれなのか!!
 
 
 
黒川
『…それじゃあ、そろそろ聞かせてもらいましょう。最後の質問を。』 
 
私「…!!」 
 
…あの時…
「アポロンに関係あるのか?」、 
…こう聞かれた時、確かに黒川は焦っていた…! 
 
(一体何に焦っていたんだ…!?ああ、それさえ分かれば…!!) 
 
 
黒川
『……一年前、初めて会った時から藤村さんは言っていましたね。「私はハーデスが一番好きだ」と。その時から僕はこの夜を夢見ていました…あなたをハーデスで打ち負かすこの夜を!! 
 
…さあ、聞かせてもらおう!4回目、最後の質問を!!そしてあなたの断末魔の叫びを!!」
 
 
私「…っ!!」 
 
…私が負ける…!?ハーデス様で…!!? 
…っだめだ…!!弱気になるな、私! 
言葉巧みに私を真実から遠ざけるのは、一年も前からのこの男の戦法ではないか!! 
考えろ、考えるんだ…!!
 
 
 
黒川『……まあ、もう5分の1です。
「エリダヌス座、カラス座、コップ座のどれかか?」とでも質問すれば、半分には絞り込めますよ。』 
 
…そんな当てずっぽうで当てても、意味がない…意味がないのよ!! 
私は考えた…この絶望的危機的状況を打破する策はないのかと!! 
何と質問すれば、私は答えを導き出せるのかと!!
 
 
 
黒川
『さあ、最後の質問は?』 
 
私「……。一つ、確認したいんですが、この質問って、星座に関わること以外の質問でもいいんですか?」 
 
黒川『…もちろん、それは構いませんが…』 
 
…それじゃあ、言わせてもらう。 
私の最後の質問を! 
 
私「…黒川さんはこのお歳暮を今日、12月15日に送ってきましたね。
『12月15日。この日付に何か重要な意味が?』」 
 
 
黒川『…まさか最後の質問を、星座を絞ること以外に使うとは…。…
YESです。12月15日には意味があります。』 
 
…12月15日…!!? 
何だ、何の日だ…!?ハーデス様の結婚記念日でもないし 
ペルセポネーとの初デートの日でもないでしょ!!?
 
 
ああ!!なんだ!考えろ!! 
あ…!そう言えば…今朝、日頃お世話になっている星彦さんから「今日は双子座流星群が見れる日ですね」というメールが入っていた…!! 
そう、たくさんの星矢サイトさんの日記で見た!
「今日は双子座流星群の日」という記事を…!! 
 
 
「…双子座流星群…?」 
 
黒川
『!!!!』 
 
 
 
…でも双子座は南の星座じゃない… 
アポロンにもハーデスにも関係が無い…… 
でも「双子座流星群が関係してる」…? 
 
「何だ…?何かがおかしい…!!さては…お前…何か私をミスリードしてるな…!?』 
 
黒川
『…っ!さすが藤村さん…!僕が生涯のライバルと認めた人間だ!!だがここまでです! 
 
4回の質問は終わりました。さあ、答えてもらいましょう!!そのプラネタリウムに映るハーデスとペルセポネーの星座が何なのか!』
 
 
 
…もうギリギリよ!ギリギリの戦いよ!!私も黒川も!! 
お互いの心臓の音が聞こえるくらいに!! 
あまりの緊張に動悸が切れるくらいの緊迫感!!
 
 
私(……アポロンに関係がある…。『双子座流星群』…でも『双子座』ではない…?) 
 
!もしかして… 
『双子座』じゃなくて…『流星群』の方に意味が…? 
 
「……あ…ッ!!!」 
 
「星座」じゃなくて「流星」!ああ、私は! 
私はこれで何もかもを悟った!!
 
 
 
私「………なるほどね…まんまと騙されましたよ。黒川さん…」 
 
黒川『…!?』 
 
「…やっぱり私は、素直にこの質問をあなたにぶつけていれば良かったんですね。 
 
『本当は、乙女座と三角座以外に、ハーデス夫妻が関わる星座神話など無いんでしょう?』と。」 
 
黒川『……な…』 
 
「この問いに対する答えはいらない。YESだと分かっているからな!」 
 
 
…そう、私は必死に
『ハーデスとペルセポネーに関わる南の「星座」の神話』を思い出そうとしていたが! 
 
「思い出せなくて当然だ。初めからそんなものは存在しないんだから!」 
 
 
私の知らない
「星座神話」があるわけじゃない!! 
黒川はハーデス夫妻に「関わる」星座と言っただけで、 
星座そのものの神話とは一言も言っていなかった!
 
 
そして、夜空を彩っているのは星座だけじゃない!!
 
 
 
「流れ星…!流星の神話だ!!」 
 
一つだけある!!ハーデス・ペルポセネー・アポロンに関わり、 
なおかつ南の星座に関わる流星の神話が…!!
 
 
 
「――かつて、ボイオティアに
オリオンという名の狩人がいた。」 
 
…ある日、オリオンがデロス島にやって来て、 
そこにいたアルテミスを力ずくで犯そうとしたので、 
女神本人によって射殺された。 
彼は空でオリオン座になったが、 
彼自身の遺体はタナグラに埋葬され、今でも彼の墓がその場所にある(実話)。 
 
 
他にもアポロンが嫉妬で殺したとか 
いろんなバージョンの話があるが、 
 
「重要なのは、この神話には続きがある、ということだ。」 
 
……オリオンは死んで星座になったが、 
そんなことでは腹の虫が収まらないのがこの男、 
 
 
 
そう、
アポロン 
そりゃあ自分の家で姉貴が犯されそうになったら、アポロンじゃなくても怒る。 
だが一度キレさせたら関係ない連中まで巻き込む男、それがアポロンだ。 
 
私「…怒ったアポロンは、オリオンの故郷のボイオティアにお得意の疫病を振りまきまくった。」 
 
困った人々はアポロンに神託を伺った、 
「どうすればこの疫病を収めて下さるのか」と。 
アポロンの答えはこうだった。 
 
私「
『オリオンの双子の娘を、コロニスとして私に差し出せ。』」 
 
…その言葉通り、
「コロニスたち」と呼ばれるオリオンの双子の娘はアポロンの祭壇に捧げられ、その死体は無残に地中に投げ捨てられた。 
 
 
 
「だからこのお歳暮は、アポロンの祭壇の形をとっていたんだな!!」 
 
黒川『…っ!』 
 
だが、この神話はまだ終わらない!! 
…そう、ここで出てくるのが
ハーデスとペルセポネー! 
 
「コロニスたちが死んだ季節はだったんだ!」 
 
冬は二人が冥界に一緒にいる季節!!
 
冥界に下ったコロニスたちを、二人はたいそう憐れみ、 
彼女たちを父の元へ返そうとした。 
 
「冬になると、なぜオリオン座やその周辺の双子座に流星が流れるのか!! 
 
それは、ハーデス夫妻がコロニスたちを流星に変えて父オリオンの元へ返したからだ!!」
 
 
黒川『…!!』 
 
「そう、答えは『オリオン座』!正確にはオリオン座に流れる流星!!」 
 
お歳暮を双子座『流星群』が流れる今日に送って来たのも! 
『流星』と関連付けるためだ!! 
 
そう、これしかない!! 
ハーデス・ペルセポネー・アポロンに関わる南の星座は…!!
 
 
私は部屋の電気を消し、プラネタリウムの電源を入れた!! 
 
 
 
「…
『人々は冬の夜空を見上げるたびに思い出す。かつてアポロンに捧げられた「コロニスたち」がいたことを、そして、』」 
 
 
天井に映し出される星空! 
その中心にひときわ明るく輝くのは!! 
 
 
 
『…そしてオリオン座に流星が流れる度に思い出す、 
かつて情け深き冥界の夫婦が、哀れなコロニスたちをオリオンの元に返したことを』
!!
 
 
「…オリオン座…!!!」 
 
黒川『……ああ…っあああ゛……ッ』 
 
電話の向こうで黒川がくずおれる音。 
 
黒川
『…っうわああぁあああ゛ア゛〜―っ!!』 
 
 
この絶叫を聞いて、私は初めて実感した。 
 
「…勝っ…た……?」 
 
黒川
『ギャァアアアァアアアーーーーッ!!!』 
 
「勝った!!勝ったーーーッ!!!」 
 
黒川
『グギャアアアっガアアーーーー!!』 
 
「ああああっ勝ったァアアアアーーーー!!」 
 
勝った…!!そう、私は!! 
私は、初めて黒川の謎に打ち勝ったのだ!!
 
 
 
もうちょっとだけ続きます! 
黒川の哀れな末路については次回!
  
 

【補足】
…今思い起こしても胸が熱くなるよこの瞬間は…!
オリオン座の流星のこととか上手く説明できてなくてすみません。次回補足させて頂きたい。
ここに出てくる「コロニスたち」というのは、もちろんあの有名な「アポロンとコロニス」の神話のコロニスとは違います。

いつも文字制限ギリギリのこの日記の書き方は、来年からはどうにかしたい!
そしてもうこんな時間かよ…寝よう!もう寝よう!
..12/28 7:26(Mon)



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