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2009. 12. 8 【後半】色居とはなこと黒川と〜黒川のドン引き話〜
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※前日の日記からの続きです。 はなこ「…まさかこんなに上手くシシンが罠にはまってくれるとは思わなかったよ!!でも、黒川戦で手を貸す、って言ったのは本当だから!」 私「ほ、本当…?今度は信じていいの…?」 色居「私たち二人が付いてれば絶対黒川に勝てる!まかせろ!さあ、黒川の事を詳しく聞かせてもらおう!!」 ――「絶対に黒川に勝てる」。 この時、こう言ってくれた頼もしい二人の言葉が、 その数時間後に 「…黒川には…絶対に勝てない…。シシン…諦めろ…」 「…今年一番ドン引きした…。やめとけ…あの男に…関わるな…」 に変わるとは…いったい誰が予想できただろうか。 ……………… 色居「…まずは敵の好みから把握しないと。黒川ってどんなものが好きなの?」 …最初は黒川の好きな映画とか漫画とか、そんな話から始まった。 それから話が発展して、 私「黒川さん、質問です。…女にモテようとしてこれまで試した事は?」 黒川『ギターと錬金術。』 ――という返しに「黒川面白ぇ〜〜ッ!!」と爆笑したり!! そう、最初は和やかだったのだ。 だが、問題は「黒川が好きなゲーム」の話題になった時だった。 ――と、その前に、一つ断っておきたいのですが、 次の話は、あの色居とはなこに「日記では言わない方がいい」と心配されるくらいのドン引き話です。 だが、せっかくなので私はあえてオブラートに包みつつ書こうと思う! 以下、あらゆる意味で自己責任でご覧ください。 …そう、それで、「黒川が好きなゲーム」の話になった時だった。 色居「黒川さんてエロゲとかやるの?」 私「さあ…ゲーマーではないと思うけど…。あ、でも前に『黒川さん、お前が一番面白いと思ったゲームを貸してくれ』って言ったことがあって…」 ――そう、9月の横浜大戦の後、黒川が我が家に来た時、ちょうど黒川はその「一番面白いと思う」ゲームを持ってきてくれたんだ。 はなこ「…そのゲームっていうのは?」 私「『DEMENTO』というゲームだった。」 その時、黒川には星矢を読ましてたから、 私はヒマだし、じゃあこのゲームでもやってよう、ということになった。 電源を入れてゲームを始めた瞬間。 画面いっぱいにデッカく表示されたヘルメスの杖(※錬金術の象徴)。 そして「18禁ゲーム」の表示。 私は少しイヤな予感がして、 私『…黒川さん、これってどういうゲームなの?』 黒川『見ての通り、錬金術がテーマのゲームですよ。中世のお城が舞台で、背景もすっごくロマンチックで綺麗なんですよ。』 ――それじゃ…この「18禁」ってのはどの要素なの? とも思ったが、まあ「バイオハザード」みたいなグロ要素でもあるのかな? と私は流してしまった。 私「…だが、結論から言おう。」 このゲームは、悪い錬金術師に城に閉じ込められた主人公の少女が、 必死に城から抜け出そうとするゴシック・サイコホラー。 追いかけて来る錬金術師に捕まると妊娠させられる。 しかも、普通に妊娠させられて腹ボテエンドがあるという、 まさに「DEMENTO(ラテン語で狂気)」の名にふさわしい18禁ゲームだったのだ…!! 色居&はなこ「「………。」」 私は死ぬほど怖かった。 だって、薄暗い城の中で一人でうろついてたら、突然後ろから変な男が追いかけてくるんだぞ!?しかもこっちは逃げることしかできない無抵抗の少女! だが、ひとつの救いは「錬金術の魔方陣でアイテムを練成できる」というシステムだった。 ←これ 「セフィロトの樹」を模した陣に10個のリールが嵌まっている。 真ん中に拾った金属を入れると、周りのリールがスロットみたいに回り出して、 同じ色をたくさん揃えるほどいいアイテムが練成できる、というもの。 が、これがとんでもなく難しい! 初心者の私じゃどんなに頑張っても2つ揃えるのがやっとで、 「ラベンダー(匂いを嗅ぐとちょっと気分が落ち着く)」の草一本を練成するのがやっと!! 私は何度も失敗した!!―― クルクルクルクルクル…… 私『…うーん、えいっ、』 カン! ● ←リールの色 私『……えいっ、えいっ、…えいっ、…こなくそっ!!』 ●、●、●、○、●、●、●、●、● カン、…カン、カン、カン……カン! ――【練成失敗】。 私『あーダメだ。全然色そろわない…!』 黒川『…ちょっとコントローラー貸して下さい。』 ―そこで、今まで星矢を読んでいた黒川が急に声をかけてきたんだ。 私『あっ、何?やってくれるの?』 黒川『何色を揃えたいんですか?』 私『回復アイテムが欲しいから白をそろえたいんだけど…』 黒川『分かりました』 ポチッ、クルクルクルクル…… 黒川『………ここだ!破ァッ!!』 ガガガガガガガッ!! ○○○○○○○○○○ カンカンカンカンカンカン!! ――【練成成功:錬金術師のイヤリング】 ↑※最高位のアイテム ……… 色居&はなこ「「げええ〜〜〜っ!!!どんだけやり込んでんだよ黒川!!」」 私「…でも私、その時…練成陣が真っ白になったその瞬間…黒川さんのことちょっとカッコイイ、と思ってしまったんだ…」 色居&はなこ「「バッッッカじゃないの!!?ただのド変態じゃねえかよ黒川!!目を覚ませ!目を覚ませ貴様!!」」 いやだって考えてもみろ!!こっちは死ぬほどこの城から抜け出したいんだよ!!? 後ろから変な男が追ってきてるんだよ!!? なのに、私の力じゃラベンダーとかペンペン草とかどうしようもないアイテムしか練成できない…!! そんな最悪の危機的状況の中、彗星のごとく現れた黒川…!! 私が全然白をそろえられない所で、オール白を出してくれた大錬金術師・黒川様…!! めちゃくちゃカッコよく見えるじゃんそんなの!! 吊り橋でコクるとオッケー出る、みたいな心理学的なあれでしょ!? スリルとときめきを混同しちゃう、みたいな!? 色居「だからお前はバカなんだよ!!城から抜け出すも何も、どうして『このゲームをやめる』っていう選択肢がお前の頭の中に出ないんだ!!だいたいそんな妊娠モノの18禁ゲームなんか女に薦めるか、ふつう!?」 はなこ「今年一番ドン引きした」 …そしてものすごく真剣な目で、 はなこ「正気じゃない。絶対正気じゃないよ黒川。悪い事は言わない…あの男に勝とうなんて思うな。無理だ。」 私「そんな…二人とも、さっきまで絶対勝てるって言ってくれてたじゃん!」 色居&はなこ「「ごめん……私が二人かかっても…絶対に勝てない……」」 私「…いやちょっと待って、黒川が正気じゃないのは認めるけど、実物は案外いい奴なんだよ!…そうだ、二人とも今度黒川に会ってみない?」 色居&はなこ「「全力でお断りします」」 …何というか私、今まで黒川の話を誰かとしたことが あんまりなかったから…そう、ずっと一対一だったからさ!! だけど、今回二人に相談に乗ってもらって…改めてわかった。 黒川はヤバイ。 私、黒川の毒に慣れさせられてしまっていたけど… あの男はヤバい。 色居「女性に18禁ゲームは薦めてはならない、っつっとけよ!黒川に!」 …いや、私も…もしアポローンの君に妊娠モノのゲーム薦められたら「ちょっとやめて下さいよぉー!アポローンの君ー!」と軽いノリで突っ込めるんだけど… こと相手が黒川となると…突っ込みにくいんだよぉー!ものすごく…!! はなこ「とにかく黒川には本当にドン引きした。…お願いだから、何か黒川のハートウォーミングなエピソードを聞かせてくれ!一つでいいから!」 ――だがその時の私は、黒川のハートウォーミングな話を 一つとして挙げることができませんでした。 なので、この場を借りて一つ話をさせて頂きたい。 …黒川さんは花屋でバイトをしている。 でも、水仕事だからいつも手があかぎれていて痛そうなので、 私「手、すごく痛そうですね。肌弱いのになぜ花屋のバイトなんか?どうしてわざわざ自分を痛めつけるような事をするんですか?」 黒川「だって他人を痛めつけようったってさせてくれないじゃないですか。」 ――…お前この話のどこがハートウォーミングなんだよ!!? って感じだけど、ここから!ここからだから!ハートウォーミングは!! 私「…人を痛めつけたいけど、できないから自分を痛めつける、って事?それってサディストなのか、マゾヒストなのかよく分かりませんね…」 黒川「…すみません、冗談です。今のは突っ込むところでしょう。」 …自覚ないかもしれないけど、 オメーの冗談分かりにくいんだよ!! 私「…じゃあ、どうして花屋なんか?」 黒川「僕は花が好きなんです。盆栽とか、桜とか、紅葉とかね…死んだばあちゃんが好きだったんですよ。一輪のすみれの花を愛でつつ和菓子、とか。風流ですよね。」 私「いいですね〜『山路きて 何やらゆかし すみれ草』…松尾芭蕉。」 黒川「『すみれほどな 小さき人に 生まれたし』、夏目漱石!……じゃ、僕バイト行ってきますね!」 ――というのが、私の心の中で思い出せる最大のハートウォーミング・ストーリーです。 これで心がポカポカにならなきゃ、あとは心が凍てつく話しかありません。 どうでしょう。 画面の前でドン引きしていた方々も、これで黒川評価を持ち直していただければ幸いです。 いい人なのよ。本当はいい人なのよ。 ただちょっと「ふつうはいきなり18禁のゲームを薦めたりしない」という基本的な常識がちょっと欠けているだけで…!! いい奴なのよ!!だって愛媛出身で花が好きなおばあちゃん子に悪い人は居ないはずだろ!? ――改めて、色居とはなこ、いろいろ話してくれてありがとう!!! そしてプレゼントも本当にどうもありがとう!! もう本当にビックリしました!!まさかあのタイミングで私にプレゼントを用意してくれているとは……本当に、黒川に匹敵するほどのポーカーフェイスの持ち主だよお前たちは!!本当にうれしかった!!悔しい…でも感じちゃう…!って奴でした!!さっそくアポロンスピーカー使わせてもらってるよ!本当にありがとう!!二人とも大好きです!! そして黒川さんの話でドン引きさせて済まなかった(笑)。これに懲りずにまた横浜界隈で遊んでくれると嬉しいです!! あ〜ちょっと時間無いので本当に思いつくまま書きなぐっていて、 まったく纏まりがない日記で申し訳ない…!! そして、「DEMENTO」を「妊娠ゲーム」と言ってしまいましたが、いや、それは確かにその通りなんですが、やってみると結構面白い真面目なゲームです。背景も本当にきれい。でも、なぜかゲーム内の用語がラテン語で書いてあるので、ラテン語を習得していないと良く分からないという…。 拍手ありがとうございます!! 竪琴についていろいろ教えて下さった方々もどうもありがとうございます!! お返事少々お待ち下さい!
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藤村シシン古代ギリシャ・ギリシャ神話研究家。 高校で出会ったアニメ『聖闘士星矢』がきっかけでこの道へ。東京女子大学大学院(西洋史学専攻)修了。
◆著書『古代ギリシャのリアル』(実業之日本社)。◆ NHKカルチャー講座講師。◆2020年オリンピック採火式NHK生中継内、古代ギリシャ語同時翻訳。 ◆平成28年 東京国立博物館『特別展・古代ギリシャ』公式応援サポーター。 ◆UBIソフト『アサシンクリード・オデッセイ』公式コラボ ◆古代ギリシャナイト主催。 など。
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書籍『古代ギリシャのリアル』発売中。 ★よく出てくる宿敵「黒川君」については →【黒川wiki】をご参照下さい。
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