藤村シシンぶろぐ


 

2009. 5. 5
      カッパドキアさ!+拍手のお返事

このGWに、久しぶりにアポロンの矢に打たれちゃった…もとい風邪を引いてしまったのですが、熱がある時に絵を描くと、ふだん理性で抑えつけられてるリビドー的なものが出てくる出てくる!! 
 
あー!ディオニュソスになりたい!! 
ディオニュソスになってアポロンに好き勝手にイタズラしたい!!
 
 
アポロンの裸体をキャンパスに見立て!そこに想像上のカッパドキアの絵を描きたい! 
何の資料も何の知識もないのに、ただ「カッパドキアってこんな感じなんじゃねーか?」っていう!!
 
 
それで、カッパドキアの巨石群って、どう見ても巨大な男根じゃん!無数の男根じゃん!!アポロン怒るよね! 
「わ、私の体に何てものを描いてるんだ…!?」 
でも!そこで私が不敵な笑みで言うの! 
 
「男根?いいや!…カッパドキアさ!!」 
 
「カッパドキアだか何だか知らねーけど!!貴っ様よくも私の股間のカッパドキアをカッパドキアに…!!」 
 
 
…寝よう!!もう寝るんだ!!もういいからお前は疫病の神アポロンの怒りが鎮まるのを大人しく待つんだ!! 
そんなわけで、右上の絵は、ディオニュソスがアポロンに「カッパドキアさ!」って言ってるところです。 
 
…みなさんもアポロンの矢に打たれないように…もとい、風邪を召されませんようご自愛下さい!! 
 
 
拍手どうもありがとうございます!! 
以下、頂いたコメントのお返事です
(4月16日〜24日8時) 
 
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2009. 5. 6
      拍手のお返事

 
 
今日アップした絵の下書き段階のヤツです。 
あーやっぱりこれトリミングしない方が良かったかな…。 
画面を正方形にカットするかどうかで一晩なやんだ挙句、やっぱりカットしてしまった…。 
 
なんだか、黒川さんが大学でとんでもないことになってるらしいぞ。よーし、一度寝て起きたら残りの拍手のお返事も含めてそのことについて纏めるわ!そうそう、先日からひいてる風邪ですが、お陰様で、アポロンの矢はもう少しで抜けそう…もとい、熱はけっこう下がって来ました!やったー! 
・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
拍手どうもありがとうございます!!とても励みになります!!以下、頂いたコメントのお返事です。4月16日〜24日8時までの分は昨日の日記に、24日9時〜30日分はこの下にあります!それ以降のお方はもう少々お待ち下さい! 
 
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2009. 5. 7
      【スパイからの報告】黒川プラトン誕生計画!〜アポロンの誕生日に黒川を祝う〜

(→「だーれだ?」「私にこんなことするのはお前しかいないぞ、ヘルメス!」って言ってる親友二人(笑)。こんな青春してみてぇー!) 
 
 
『藤村センパイーーッ!!大変ですーーーッ!!黒川センパイが…!黒川先輩のTシャツが…大変なことになってるんですーー…っ!!』 
 
…先日、アポロンの誕生日に合わせて、黒川に復讐することを誓った私。 
黒川の弱点を探り出すため、
彼の周辺にスパイを放った…もとい、黒川さんの大学の後輩・後藤(仮)をお菓子で買収。黒川の生態について何か分かったら連絡を、とお願いしたのですが… 
その彼が、鬼気迫る声で電話をよこてきました。 
 
私「ど、どうしたの、急に!?黒川さんのTシャツがどうしたのっ!?」 
 
後藤『く、黒川先輩って、いつもキッモチ悪い文字が入ったTシャツ着てるじゃないスか?!』 
 
私「うん!」 
 
後藤『それって…いつも違う文字だったじゃないですか!?毎日違うTシャツだったでしょ!?』 
 
私「うん…!」 
 
後藤『それが… 
 
  
同じなんです…!!ここ二週間くらい、毎日同じ文字が入った同じTシャツを着て来てるんです…!!』 
 
 
…うん? 
いや…私は黒川さんと連日で会うことはめったに無いから分からないんですが… 
黒川さんだって同じTシャツを二日連続とかで着まわすことはあるんじゃないの? 
 
後藤『バカな!!あり得ません!!Tシャツの文字は黒川先輩の命です!!あれをテキトーに連続で着まわすなんて…絶対に黒川先輩のプライドが許さないハズですッッ!!』 
 
私「はぁ…そうなんだ」 
 
後藤『それで、ここからが一番恐ろしいところなんです!
…なんて書いてあると思います?そのTシャツに?なんという文字がここ二週間の黒川先輩の胸に刻まれていると思います…!?』 
 
私「さ、さあ…?」 
 
後藤『「ホムンクルス」です!!ラテン語で、ホムンクルス(人造人間)という文字が掲げられているんです―――!!!』 
 
 
 
…もうコイツ受話器の向こうで失禁したんじゃねえか? 
ってくらいにぶるぶる震える声で、 
 
後藤『人造人間(ホムンクルス)ですよ!?あの黒川先輩が!しかも毎日毎日!!恐ろしすぎるじゃないですか!?』 
 
私「…いやあのね、後藤君は中世神学だから知らないと思うんだけど、古代史では『ホムンクルス』っていうのは…」 
 
後藤『それで俺、あまりにも気になってホムンクルスについて調べてみたんですよ!そしたら、その製造法に行き当たりましてね…先輩、ホムンクルスの製造法知ってます?』 
 
知るわけねえだろ!! 
と答えると、後藤君が 
中世の錬金術におけるホムンクルスの精製方法について 
レクチャーしてくれました。 
 
 <ホムンクルスの精製方法> 
 
  ・童貞の精液、特定のハーブ数種、馬糞をまぜる。 
  ・「メルクリウス(ヘルメス?)の器」の中で
40日間密閉する。 
  ・すると、容器の中に人間の形をしたものが現れる(という) 
 
 
後藤
『…「”40日間”密閉する」…!そして毎日「ホンムクルス」を着てくる黒川先輩…!この二つで俺、ピンと来ました。 
 
…黒川先輩は今、自宅でホムンクルスを造っています!!』 
 
 
なんでそうなるの!!? 
黒川がちょっと同じTシャツ着まわしてるってだけっしょ!!?
 
 
 
後藤『絶対そうです!黒川先輩は40日間、ホムンクルスが完成するまであのTシャツを着るつもりなんですよ!!』 
 
私「後藤君、ちょっと落ち着いて…」 
 
後藤『でも俺はそこから見えてくるもう一つの事実にも気づいたんです…そしてそれこそが最も恐ろしい事実なのです!!』 
 
私「エエっ…?」 
 
後藤『つまりね…
どうして今の時期なのか、ということです。どうしてあえて黒川先輩は今の時期にホムンクルスを作り始めたのか…?』 
 
 ゴクッ… 
 
後藤『…先輩があのTシャツを着始めたのは4月中旬。そこから40日たすと…
5月の末。藤村先輩、この時期に心当たりがあるでしょう…?』 
 
私「あ…」 
 
アポロンの誕生日…!!?? 
5月27日のアポロンの誕生日…!!?
 
 
私「で、でもどうして…?!どうしてその日に完成の日を合わせて来てるの…!?」 
 
後藤
『答えは簡単です!!藤村先輩は、アポロンの誕生日に黒川先輩にプレゼントを渡すつもりなんでしょ!? 
向こうもまったく同じ事を考えて来ているってことですよ!! 
 
俺の結論はこうです!黒川先輩は、完成したホムンクルスを藤村先輩にプレゼントするつもりですっ!!』
 
 
 
えぇええええええ〜〜ーーーー!!??? 
 
ちょっ…ちょっと待ってよ!おまえ… 
さっき自分で言ったホムンクルスの材料思い出してみろ!!
 
 
 ・童貞の精液 
 ・ハーブ 
 ・馬糞 
 
私、要らない!! 
このラインナップで作られたモノなんか一切欲しくない!!
 
 
 
私「…ていうか!そうじゃなくて!!後藤君は中世神学だから知らないかもしれないけど!古代においては「ホムンクルス」は「人造人間」っていう意味じゃない!!ただ
「ろくでなし」とかそういう意味しかないよ!!」 
 
だから、黒川的にはそっちの意味で使ってるんじゃないの!!? 
 
後藤『いいえ!黒川先輩は古代哲学にも中世神学にも精通した人です!!黒川先輩の趣味的にいえばこれは絶対「人造人間」です!』 
 
 
ええぇえ〜…なんかだんだんそんな気がしてきた… 
で、でもさ、100歩譲って!100歩譲ってよ!! 
もし黒川が本当に自宅でホムンクルスを作っているとしてよ!!
 
 
「私にそれを送りつける意味が全く分からない!!私は人造人間に全く興味がない!!だからそれは絶対私とは関係ないよ!!」 
 
後藤『いや、先輩、確かにそうかもしれませんが…仮に、よ?仮に、そのホムンクルスの外見が、アポロンにそっくりだったらどうします?』 
 
 
…お前は本当に中世神学の人間か? 
なんという神をも恐れぬことを言うのだ、お前は…!!
 
 
 
私「…いや、私は…アポロンの外見は、そりゃあ好きだけど…でもそういうことじゃないだろ。私は偽物には興味がないしさ…」 
 
…あのさあ、後藤君さあ、 
一応心配だから、黒川にさりげなく 
「藤村センパイは偽物には興味がないそうです」 
って伝えといてくれない?
 
 
それでね、
もしもの場合は、 
黒川の自宅に踏み込んでアイツを一発ぶん殴って正気に戻してくれ。
 
 
 
私「ごめん、後藤君…いろいろ情報ありがとう。というか聞かなければ良かった情報ばっかりだったよ。…私、今ちょっと熱が38度あるんだ。むしろ今の話の流れで体感温度的には48度くらいに上がった。そんなわけで、熱が下がるまでいろいろ人生について問いなおしてみるわ。じゃあ…」 
 
 
…そう言って私は電話を切りました。 
 
 
 
で、あのさあ、熱が下がった今、冷静に考えてみたら… 
黒川がただ同じTシャツ着てるってだけじゃね?! 
あとの人造人間とか全部妄想じゃね?そうだよね!? 
 
ただ同じTシャツを着ているだけで、
「ホムンクルスを作ってる」とまで想像させる黒川のすごさ…というか日頃の行いの悪さというか…。 
 
なんかさ、神話ってこういう風にして出来てくんじゃねぇの?と思った。 
最初は
「海に潜って魚を獲ろうとしたら、サンゴ礁で足すりむいちゃったよ〜」 
 
程度の出来事が、
100年後ぐらいに「ポセイドンの怒りにふれて、全員サンゴになった。」くらいのデカい話になっちゃってるんじゃないか? 
いや、本当にホムンクルス作ってるのかもしれないですけどね!黒川さん!(笑) 
 
 
しかし、本当になんでずっと同じTシャツ着てるんだろうね? 
しかも、「ホムンクルス」か… 
 
←想像図:代理ハーデス様 
 
 
…ヤバイ、コレじわじわ来る(笑)。 
 
次会ったときもコレだったら絶対私爆笑する…!! 
本当になんでずっとこれ着てるんだろ?気になるなー!! 
一応、後藤君が聞いてくれたんですが、黒川の答えは「別に」とか「ちょっと」とかだけで、教えてくれないそうです。 
 
うーん。 
 
 
あっ、ちなみに、私はホムンクルスとか錬金術とかはちょっと苦手な部類なので(ハガレンは好きだけど。笑)、上の記述も、後藤がこの100倍くらい調べた知識を披露してくれたんですが、全部はしょってうろ覚えてるところだけ書きました。なので間違ってたらごめんなさい。 
 
拍手ありがとうございます!! 
コメントのお返事、少々お待ちを!
  
 

 

2009. 5. 11
      縛られたディオニュソス

 
ペンテウス「ディオニュソスなど、たかが葡萄の葉冠をいただき、 
香油のしたたる髪を持つ軟弱者! 
鉄の鎧のかわりに、紫と金の服を身にまとい、 
馬ものりこなせず、武器も闘争も嫌いだという奴ではないか! 
 
あんな酔いしれた馬鹿な男女に打ち負かされるとは! 
テーバイ人たちよ、お前たちは自分がどんな英雄の末裔かを忘れてしまったのか? 
素手の子供ごときに、テーバイの街を征服されてもかまわないというのか? 
 
ディオニュソスはどこだ!!この乱痴気騒ぎの張本人を捕らえよ! 
鎖で縛ってここへ引き立てこい!!」
 
 
 
――え〜しょっぱなから半裸で緊縛されてるディオニュソスですみません。 
 
このシーンがどうしても描きたかった!! 
ディオニュソスが笑いながら
「さあ俺を縛って引き立てるがいい」って言うシーンです。 
こんなん私だったら職権濫用でディオニュソスをものすごいエロい縛り方すんね!!団鬼六も真っ青な!! 
 
なんというか、ディオニュソスは本当に描きやすい!! 
ギリシャ人がアイツの容姿や性格に対して 
かなり攻撃してくれてるからだと思うんですが… 
 
「バカな男女」とか「香油のしたたる髪を持つ軟弱者」とか、 
「馬も乗りこなせない」とかすっごいイメージ湧きやすいですよね! 
 
こう、女性的なかんじで、ちょっと運動オンチそうな… 
跳び箱5段は飛べなそうな感じ。 
 
 
この他にも、ギリシャ人って何かとディオニュソスの容姿を執拗に描写してくれている気がする。 
 
「黒い瞳に艶然と笑みをたたえて…」とか、「黒髪が渦をなして肩にかかり、肩からかかる紫色(ししょく)の衣は、麝香の匂いを漂わせ」とか、「長い黒髪が、真白な顎にかかり、いかにも艶っぽい」とか、「薔薇色のほほは色気たっぷりで…」とか、 
 
ギリシャ人よ、
その変態的な描写力をどうしてアポロンに発揮してくれないんだ!!? 
 
 
どうして「アポロンは金髪巻き毛で…」程度で流して、 
後はみなさんのご想像でお楽しみください。って感じなの!!? 
 
アポロンの瞳の色は何色で、どんな風に笑うんだ!?アポロンの欠点は? 
 
アポロンは彼女と一緒にお風呂に入る時は横に並んで入る派?それとも縦向きに入る派?じゃなくてまさか膝の上に抱っこ派か!?
 
 
そういう重要な情報が全く入ってこないんですよね!! 
 
 
それとも何か!?アポロンの姿なんて(当然だけど)誰も見たことが無かったか!? 
ディオニュソスはそこらへんの林でフラフラしてるんですけど… 
アポロンは神殿の奥から出てこないんで…
って感じか!!? 
 
…いや、そんなことないだろ? 
詩人ピンダロスは、伝説では、デルフォイのアポロンの寝所に毎晩はべった。 
そして、アポロン本人に(!)こう言われたという。 
 
アポロン
「私はお前の歌が一番好きだ。私はこれから寝るが、お前は朝までここで私をほめる歌を歌っていてくれ。おやすみ。」 
 
――っていうことはよ? 
少なくともアイツが寝てる8時間分くらいはアポロンの容姿や性格に褒めるポイントがあったって事だろ!? 
 
 
なのにピンダロスの現存するアポロン讃歌は
「アポロンは金髪」だけ!! 
どういう事!?金髪だけで8時間持たせたのか!?ウソだろ!? 
 
もっとあるだろ!? 
こう、
黄金色の巻き毛が渦を巻いて流れ、金の糸のごときまつ毛が薄く色づいた頬に影をつくる。まっすぐ通った鼻筋、その下に蜂蜜色の歌声を奏でる唇。完璧なラインの顎から、白磁のような鎖骨、そして肩にかけての調和のとれた男性美… 
そして伸びやかに続く胸の線をたどると、引き締まった腰が、そしてその先に…
 
 
 
…って
イメージ出来てんじゃん私!!!! 
そうだ、イメージが出来ないわけじゃないんだ…それを表現できないだけなのよ!! 
ピンダロスがアポロンの褒め歌を歌い続けられたのも…きっと何時間かかっても、何日かけてもアポロンの魅力を表現しきれなかったからだよな!! 
 
「金髪のアポロン」。 
もうこの先に延々とアポロンの特徴は続くんだけど、 
それは割愛で最初に目についた「金髪」だけ!! 
そんな気がしてきた…。 
 
だけど私が最も尊敬するピンダロス先生、お願いだよ。 
せめてアポロンの瞳が何色で、跳び箱は何段まで飛べるのかくらいは書き残して置いてくれよ。 
 
「アポロンの眼なんて!そんなもん自分がこの世で最も美しいと思う色を当てはめろ。」 
…なんて言われちゃいそうだけど…。 
 
 
でも、そうか…別にアポロンに限らず、神様の容姿を執拗に描写することってそんなに無いか…やっぱりディオニュソスが特別だったのかな。 
 
「ディオニュソス様、一緒に立ちションどうですかー!?」 
 
…くらいの事はフランクに言えちゃいそうな親しみやすさがあるもんなー!! 
ディオニュソスも
「立ちション!?行く行くー!!」くらいのトーンで返してくれそうだ!! 
 
 
 
…全然関係ないのですが、 
私のパソコンに古代ギリシャ語が入っていることが発覚しました。 
これ他のパソコンでは文字化けするのかな… 
後で大学行った時確認してみよう… 
 
Ἀπόλλων 
アポローン 
 
εἰμὶ δ᾽ ἐγὼ Διόνυσος.  ἐρίβρομος, 
我が名はディオニュソス。響動(どよめき)起こす神。
 
 
…あーハーデス様は流石に文字が無い…。ちょっと代用だけど、 
 
Ἅιδης 
ハーデス
 
 
…後で確認してみて、ありえないくらい文字化けしていたらそっと消します。 
この時点でなんだか分からないキモチ悪い文字列が表示されてる方はすみません(笑)。 
 
 
 
拍手ありがとうございます!!! 
お返事、この下に書きますね!! 
 
  
 

 

2009. 5. 12
      【黒川にバレた】黒川プラトン誕生計画!〜決戦は六本木、そして黒川からの反撃も〜

”――そもそも二人を争わしめたのは、いかなる神であったのか。” 
 
 
黒川「…っていうか
藤村さん。あなた何か企んでるでしょう。」 
 
突然黒川からかかってきた電話の第一声! 
 
「え”っ!?な、何ですか、急に!?やだなー!この私がい、一体何を企んでるっていうんですかー!?」 
 
黒川
「主にアポロンの誕生日に合わせて僕をコテンパンにしようという計画をです。」 
 
 
バレテーラ。 
 
な…なぜだ!?この私の潜伏作戦は完璧だったはず…!! 
なぜバレたんだぁーーっ!? 
 
黒川
「後藤を軽い精神的拷問にかけたら簡単にゲロりました。おかしいと思ったんですよね…普段、『黒川先輩、今日ってテキスト何ページからでしたっけ?』『5。』くらいしか僕と会話をしない後藤が、急に『黒川センパイの弱点って何ですか?』とか『先輩はロリコンですか?』とか意味の分からない事を聞いてくるんです。あれで不審に思わない方がどうかしています!」 
 
 
後藤…アイツ本当に使えねぇ。 
 
 
黒川「…藤村さん!あんまりです!!後藤を使って僕に探りを入れるなんて!こんなの卑怯です!反則じゃないですか!?」 
 
うるっせえ!! 
 
「だいたいなあ、お前は回文が好きとか言ってるけど、そんなに好きだったらじゃあお前は田端(たばた)に住めよ!!右から読んでも左から読んでも同じじゃねえかよ!!それで好きなアーティストはABBAって言え!!」 
 
何もかも中途半端なんだよ、お前は!! 
 
黒川
「ギャアアアアーーー!!!まさかこの僕が回文のことで人に突っ込まれるなんてぇーっ!!こんな屈辱は生まれて初めてですーーッ!!この卑怯者ーーっ!!」 
 
私「この私が卑怯だって!?じゃあ聞くぞ!
アポロンが霧に乗じて背後からパトロクロスを襲った時、一言でも「これからお前をぶん殴っちゃうぞ」つったか!?言ってないだろ!?アポロンがギリシャの軍勢に矢を射かけた時はどうだった!?」 
 
 『ボイポス・アポローンは弓とともに 
  堅固な覆いを施した矢筒を肩に、オリンポスの峰をくだる。 
  怒れる神の肩の上では、動きにつれて矢がカラカラと鳴り、 
  くだりゆく神の姿は夜の闇のごとくに見えた。』 
 
私「な?
夜陰に紛れてヒット&アウェイ。これがアポロンの戦法だから!!この私を卑怯とののしるのなら、同時にアポロンにも唾をはいていると心得よ!!」 
 
黒川「…くっ、じゃあ何ですか?あなたは、どうあってもアポロンの誕生日に僕をコテンパンにすると。そういう心づもりなのですか!?」 
 
 
私「…黒川さん。
私は今年が2009年なのが残念でならないんですよ。2008年だったら良かったのに、と。」 
 
黒川「…何ですって?どういうことです?」 
 
 
…古代ギリシャ人は古代オリンピックが始まった年(紀元前776年)を起点として、 
4年ひと組の
「オリンピアド」という暦を使っていた。 
そして各オリンピアドの3年目には、アポロンをまつる大祭が開かれる。 
 
私「…西暦をこのオリンピアドに換算すると、
今年は696オリンピアドの第4年目です。去年だったら、696オリンピアドの第3年目ちょうどアポロンの大祭が開かれる年だった。 
 
…黒川さん、あなたをアポロンで葬り去るにはちょうど良い年だったと思いませんか…?」 
 
 
黒川「な…!!」 
 
私「…フフフ。この事をご存じなかったんですね。
やはりあなたは神話や哲学のアポロンには詳しいが、歴史の中のアポロンには明るくないようだ!!ついに見つけたぞ、黒川の弱点を!!」 
 
黒川「…ちょ…!ちょっと待って下さい、なんだか先ほどから藤村さんのペースじゃないですか!?あ、ありえないこんな事…!!ええっ、ちょっと…;」 
 
わーっはははは!!超きもちいいーーー!! 
この男をこんな風に狼狽させるのがこれほど気持ちいいなんて!! 
はははは!!笑いが止まらん!! 
 
 
 
黒川「…ちょっと待って下さい。それじゃあ、
アポロンの誕生日に合わせて、僕も藤村さんにプレゼントを渡してもいいって事ですよね?」 
 
………ん?! 
 
黒川「アポロンの誕生日にあなたから一撃が加えられることを分かっていて、何も行動しないなんて僕にはできませんよ!!僕からも何かあなたに…!」 
 
私「ちょちょちょ、ちょっと待って!それはダメ!!」 
 
なぜなら、私は黒川さんにこれまで色々もらいすぎだから! 
これはこれまでのお返し、っていう体裁なのよ!! 
 
私「…だからこれ以上、黒川さんにお金を使ってもらうのは絶対ダメです。」 
 
黒川「……。だったら、」 
 
「だからと言って、どっかの山から引っこ抜いてきたカシの木とかもダメ!!とにかく、今回ばっかりはあなたから『物』は受け取りません!!」 
 
黒川「……よく分かりました。つまり、
お金のかかった形ある物以外ならば受け取って下さると。」 
 
………んんっ!? 
 
黒川「要するに、
お金が一切かかっていない、形の無いもので、それでいてアポロン関係の何かならばいい、と。そういう事か。とても難しい命題ですが、藤村さん、僕はね、難しい問題ほど燃えるタイプです!!」 
 
私「馬鹿な!そんなの不可能だ!!」 
 
「お金のかかってない、形のないモノで、それでいてアポロン関係の何か」。 
そんなものがあるはずがない!! 
言っとくけど、材料費が一円でもかかっていたらダメだかんね!? 
つまり、今お前の身の回りにあるものしか使えない! 
 
しかも、アポロンの誕生日は5月27日。 
あと2週間しかない!! 
 
「絶対にそんなものを用意するのは不可能だ!」 
 
黒川「僕を甘く見るな!!必ず用意してあなたに叩きつけてやる!!」 
 
「そっちこそ!!私だって絶対に手を抜かない!!」 
 
 
黒川
「ティス・タルスポーエ・テオーン・エリディ・クスネエーケ・マケスタイ!? 
  (そもそも二人を争わしめたのは、いかなる神であったのか!?)
 
 
「レートゥース・カイ・ディオス・ヒュイオス:アポローン!!  
 (それこそはレトとゼウスが息子…アポロン)!!
 
 
ふんっ!!じゃあね!バイバイ!!」
 
 
 
…と、そのまま勢いで電話を切った私。 
しかし、10秒後に黒川からリダイアルが。 
 
 
私「…何ですか?先ほどの『イリアス』の掛け合い、もう少し先までやりたかったんですか?」 
 
黒川「いえ、そうじゃなくて…。一番大切なことを伝え忘れていたのですが、
藤村さん、僕と六本木に付き合って頂けませんか?」 
 
……六本木? 
なんでそんな黒川さんに一番似合わない単語が出てきたんだ? 
と思ったら、どうやら彼は 
 
ttp://www.asahi.com/louvre09/ 
これに行きたいらしい。 
六本木でやっているルーブル美術館展
「美の宮殿の子供たち」。 
 
 
私「…??一人で行けばいいじゃないですか?」 
 
黒川「嫌ですよ!六本木なんて、チャラついた男女がダブルデートなんつって集団でいちゃついて、夜になると器具を使った乱交パーティーが開かれるような町でしょ!?そんな恐ろしい場所、一人じゃ行けません!!」 
 
っつーか六本木をそんな場所と思ってるような奴と一緒に行くのが私は嫌なんだけど!! 
絶対そんな所じゃねえよ!!オシャレな場所ではあるけどさ…!! 
 
 
黒川「…藤村さんも興味あるかと思ってお願いしたんですが…。古代ギリシャの壺とか、彫刻とかも来てるみたいですし。」 
 
私「…分かりました。いくつかあなたに借りもあるし、付き合いましょう。」 
 
黒川「!!ありがとうございます!!」 
 
私「だけど黒川さん、一つお願いがあるのですが、
当日はいつもの変な格好じゃなくて、もうちょっとオシャレして来……あっ」 
 
こう言うと、前のディズニーランドの時みたく 
軍服で来てしまうかもしれない…
 
 
私「…やっぱり、
普通の恰好で…」 
 
…って言うと、いつもの気持ちの悪い回文Tシャツだよな!? 
難しいな!何て言えばいいんだ!!? 
 
「…あのー…当日は…
フォーマルな格好で来て下さいませんか?」 
 
黒川「もちろんです!美術館ですもんね!」 
 
 
…よしっ!これで軍服と変なTシャツは回避できるハズ…!! 
 
 
私「それで?いつ行きます?」 
 
黒川「そうですねぇ…5月の27日なんてどうです?」 
 
 
ちょ…っお前、殺る気満々じゃねえかよ!!(笑) 
アポロンの誕生日をブッキングしようとしてくるなんて!!
 
こいつ、本当に無策か!? 
 
私「空いていますが、嫌です。」 
 
そんなわけで、結局、来週の平日に行くことになりました。 
そしてアポロンの誕生日としてはちょっと早いですが、その日に黒川さんにプレゼントを渡そうかと思います。 
 
そんなわけで、
決戦は六本木!! 
 
 
 
そうそう、前々回の日記で書いた、
黒川が「ホムンクルス」という文字のTシャツ延々と着ていた、という話ですが…あれは本当になんでもない事だったみたい。 
黒川は4月まで実家に帰っていたのですが、その時にTシャツをほとんど持って帰ってしまったそうです。で、代わりに実家にあるTシャツのストック(実家にもあの量のTシャツあるのかよ!!笑)を持ってこようとしたが忘れてしまった、と。それで、家族に送ってもらおうとしたんだけど、 
 
黒川「まずな、タンスに入ってる、古代ギリシャ語で
『私の墓に貴様の血など一滴もかけるな』って書いてあるTシャツなんけどー。」 
 
って言っても、やっぱり全然伝わらない。 
なぜなら古代ギリシャ語なんか家族誰も読めないから。 
それでなっかなか送ってもらえなくて、かろうじて手元にある2、3枚のTシャツ着まわしてるみたいよ(笑)。 
あいつアホじゃん…! 
 
私「でも良かったー!なんか後藤が黒川さんがホムンクルス作ってるとか言うからさあ!!黒川さんが(さらに)遠い人になっちゃったみたいでさー!!」 
 
黒川「後藤が?そう言ってたんですか?…よく分かりました。あとで8分の9殺しにしておきます。それじゃ。」 
 
 
そんなわけで、来週が楽しみです!! 
もう素晴らしいプレゼントでヒーヒー言わせてやるわ!! 
そして後藤君の無事をそっと祈っています。 
 
 
 
補足: 
 
・「オリンピアド」の話はかなりはしょってしまいましたが…今年は
696オリンピアドの第4年目。でも、古代ギリシャでは夏から一年が始まるので、今年の夏以降は697オリンピアドの第1年目です。 
 
っていうかあともう少しでちょうど700オリンピアドだ!!!うわー!!今年697だから…あと12年後か!!2021年!?最初に古代ギリシャでオリンピックが開かれてから、700×4(年)で、2800年か!!すごいなー!! 
オリンピアドだと、700とか100単位の数って400年に一度しか来ない!!超貴重だ!! 
しかも700…!
アポロンの聖数の「7」が入ってる!!絶対このオリンピアドの時のアポロンの大祭は逃せない!! 
ああ…私、そのころ何してるんだろ?まだギリシャ神話を勉強してるといいな。 
 
 
拍手ありがとうございます!! 
お返事…書こうとおもったら拍手がメンテナンス中だ…!残念。 
もう少しお待ちください!!
  
 

ぎゃぁああああ!!アレスーーーー!!

・・・すみませんwいきなりコメ残しといて叫んだりなんかしてスミマセンw
絵上手いですね!! 凄いです!!
後ギリシャ神話のこととか読んでて凄く為になります!!
時々見てます! 次の更新も楽しみにしています^^
 [URL] ..5/15 16:32(Fri)

 

2009. 5. 14
      「ギリシャ神話とは何だ?」

…なんというか…「ギリシャ神話」を勉強する上での一番の問題点って、 
 
ギリシャ語には「神話」という言葉が無い、ってことだと思うんだ。 
 
そう、私、今までごまかしごまかしやってきたけど!! 
 
古代ギリシャには「神話」にあたる言葉がないし、古代ギリシャ人は一度も「ギリシャ神話」なんて言葉を使わなかった!! 
私、気付かないふりをしてたけど、これって大問題っぽくね!?
 
 
 
たとえば、今、何かの拍子にばったりアポロンに会ったとしたらよ!? 
 
アポロン「で?お前は何を勉強してるんだって?」 
 
私「ギリシャ神話です!」 
 
アポロン「…えっ?
『ギリシャ神話』とは何だ?」 
 
 
…私、アポロン自身にそんなこと言われたら絶対立ち直れない。
 
「ギリシャ神話とは何だ?そんなものはギリシャにはない。」…そう言われたらさあ…!私、実体のないものを愛してるんじゃないかと…!! 
 
やっぱり言葉が存在しないことは、それ自体「ない」ってことなんだろうか? 
例えば、
「萌え〜!」っていう言葉って最近作られたけど、 
それまでは
「萌える」って感情自体無かった? 
 
うーん!どうなんだろう… 
でも、古代ギリシャには
「冥界」って言葉も無かったけど、冥界は確かにあった。それに、「ハーデスのそば」とか「ハーデスの館」とか「ハーデスの王国」とか「地面の下」とか、遠回り表現で「冥界」を指す言葉はあったしなあ…。 
 
 
ギリシャ語で、我々がいう「神話」に一番近いものは、 
「mythos」(ミュートス/英語の「myth(神話)」の語源)だけど…。 
 
「ミュートス」という単語は、広義の「話し」をさす言葉で、 
歴史的事実の話にも、昨日起きた話にも、作り話やほら話にも使われる。
 
 
つまり、古代ギリシャ人にとっては、 
 
「ちょっと俺の話(ミュートス)聞いてよ〜!昨日こえだめに落っこっちゃってさー!もう全身クソまみれだよ!!」 
 
って話も、 
 
「輝けるアポローンの君が、かつてこの地を訪れた名高い話(ミュートス)を語ろう。」 
 
って話も、同じレベルの話で区別なんか無かった、ってことじゃねえか!!? 
すっごいヤバイと思うんだよねこれ!!
 
 
つまり、古代ギリシャ人にとって、
「ギリシャ神話」っていうジャンルなんか無かった、ってことなんだろうか!? 
 
 
 
 
アポロン
「――神話とは何だ?」 
 
そんなのこっちが聞きたいよ!! 
 
ああっアポローンの君、あなたは全てを見通しておられるお方だ。だったら、教えてほしい。
どうしてギリシャ人は、あんなにたくさんの神話を作っておきながら、それに名前を与えることはしなかったんですか? 
 
神々の華やかな恋愛譚や、英雄たちの冒険譚!! 
「神話」だろ!?「ギリシャ神話」だろ?! 
 
…ああ、アポローンの君ならこの質問にどう答える!?
 
 
アポロン
「…我々神や英雄たちのミュートス(話)は、ミュートス(事実)であって、ギリシャ人にとっては歴史や過去のミュートス(逸話)にあたるものだ。まあ、多少人間たちのミュートス(作り話)も含まれているようだが。」 
 
――くそぉおお〜〜「ミュートス」って言葉が幅広すぎるううう!! 
 
 
でも…考えようによっては便利な言葉なのかもしれない。 
「ミュートス」と言われて、それを「事実」でとるのか、「作り話」でとるのかは受け手しだい、ってことだもんな。 
ギリシャ神話もそんなカンジだったのかも。 
 
「神話とは何だ?」 
 
…この質問に対する最も簡潔な答えは、 
 
「神話とはミュートスです。」 
 
…これかもしれない。 
ある人にとってはミュートス(歴史的事実)であり、ある人にとってはミュートス(作り話)。 
総じて広義のミュートス(話された事)を指すもの。 
 
 
だけどつまんない答えだなー!! 
私だったら…うーん、私だったら…夢見すぎと言われるかもしれないけど、私だったらこう答えたい! 
 
「神話とは、文学、歴史、科学、芸術、音楽、哲学…すべての学問の父です。」 
 
 
「太陽をアポロンが馬車で動かしている」なんて馬鹿馬鹿しい! 
科学の人間は、そう言うかもしれない。 
 
「アポロンが戦争に参加した」なんて作り話だ! 
歴史の人間はそう言うかもしれない。 
 
だけど私はこう言いたい、 
お前たちの父の名を言ってみろよと!!
 
 
「神話は、科学や哲学や歴史によって淘汰された」ってよく言われるけど!! 
そんなの冗談じゃない!! 
 
確かに神話よりも、科学や哲学や歴史の方が優れている!! 
だけど、そういったすぐれた学問を育てたのは誰だ!?
 
 
「太陽はなぜ動くのか?」「人間はなぜ生きるのか?」「我々の祖先は何をしてきたのか?」 
 
こういう問いに最初に答えを見出そうとしたのは、 
科学でも、哲学でも、歴史でもない! 
神話だ!! 
 
 
――と、まあありえないくらい熱く語ってしまっているのですが… 
いやー…何年かギリシャ神話と付き合ってきて、まざまざと感じるのはさ〜… 
神話に対する風当たりの強さなんだよぉ!! 
 
特に、歴史学からの神話に対する迫害はすさまじいものだぞ…! 
「神話なんか作り話でしょ?」から始まって「歴史は事実をあつかう学問だから、神話は論外。」まで私もいろいろ言われた!! 
 
くっそー!! 
歴史から神話に父の日のネクタイを送られてもいいハズなのに、侮辱の言葉を投げかけられるなんて! 
そんないわれは一ミクロンもねえよ!! 
歴史よ、お前の父の名前を言ってみろ!! 
お前を育てたのが誰かを言ってみろ!!
 
 
 
神話だろーッ!! 
 
 
――神話を真剣に学ぶ意味とか、誇りとかってこれじゃないか!? 
そして、私にとって
「なぜギリシャ神話を愛するのか?」って問いの答えもこれだ! 
「神話はすべての学問や芸術の父だから。」…私はそう信じてる! 
まあ、アポロンがカッコイイから、っていう単純な理由もあるけど!!(笑) 
 
うーん、今日はマジメな話ですみません! 
 
っていうか私はすごいマジメな人間なのよ!!普段全然チンコとか男根とか言わないよ?! 
ってミュートス(話)は全然説得力ねえけど!!(笑) 
 
…まあ、
これから半月くらいは延々黒川さんとのくだらねえ死闘が始まるかな?と思って、小休止に真面目な話でした。 
 
 
全然関係ないですが、明日から始まる映画、
「天使と悪魔」が楽しみでしょうがない!! 
前に小説読んだ時は、「こ、こんな面白い小説があったのか!」とすごい感動したので、映画版本当に楽しみです!! 
 
 
拍手ありがとうございます!! 
お返事少々お待ちを!!明日発表なんだ… 
  
 

 

2009. 5. 16
      デカメロン状態+ギリシャ神話関係の参考文献とか

リアルではインフルエンザが猛威をふるって、ネット世界ではヤバいコンピュータウイルスが感染拡大…。外出もままならねえ、ネットサーフィンも危険…じゃあもうこの週末に何したらいいんだ?って話だよ…。 
こんなのまさに「デカメロン」状態じゃないか?! 
中世のペストの流行をのがれて、山奥の屋敷に男女10人が引きこもって、退屈しのぎに面白い話をする、という…! 
 
それじゃあ、お前は一体どんな退屈しのぎの話を聞かせてくれるんだ?って話ですが…。 
…そうそう、3年くらい前から作ろう作ろう!と思っていたものをついに作ったので、そのアドレスを貼ります! 
 
 「ギリシャ神話の参考文献+読書感想」 
 http://hermes.blog.shinobi.jp/ 
 
このサイトで使わせてもらった、ギリシャ神話関係の参考文献とその読書感想のブログです。(ありえないくらい不完全ですが…)まあ、退屈しのぎくらいにはなってほしい! 
 
 
そんなわけで、この週末は読書に勤しもうと思う!! 
みなさん、ウイルスにお気をつけ下さい。私も気を付ける。なんか感染したサイトを閲覧しただけで感染するらしいぞ。(一応ウイルスまとめサイト(同人用)にリンクを貼っておきます→http://www31.atwiki.jp/doujin_vinfo/) 
  
 

 

2009. 5. 17
      【六本木は罠か?】黒川プラトン誕生計画!〜アポロンの誕生日に黒川を祝う〜
 +黒川の下ネタが好き

後藤「もしもし!?藤村先輩っ!逃げて下さい!!罠です!!六本木に行っちゃだめだーーっ!!」 
 
…先日、私の送り込んだスパイだということが黒川にバレ、 
精神的拷問にかけられた後藤。 
もう、後藤の変死体はどういう形であがるんだ?と 
思っていた私からしたら、彼の元気そうな声が聞けてなによりですが、 
 
 
私「……う〜ん、何ー?こんな朝っぱら(※昼の11時)から…?私、昨日徹夜だったのよ…寝かせてくれよ…夕方くらいまで……ぐー。」 
 
後藤
「寝ないでください!!藤村先輩!寝たら死にます!!来週、黒川先輩と六本木に行くんでしょ!?ダメです!絶対何か企んでますよあの悪魔は!!」 
 
私「…え…?」 
 
後藤「…六本木と指定してきたのは黒川先輩なんでしょう?!何かあるんじゃないですか?
六本木の『6』がアポロンに関係する数字とか…」 
 
私「いや…6は…ディオニュソスと、アルテミスの数字だし…アポロンの数字は『7』で…」 
 
 
後藤
「それじゃあ、当日にデッカい月桂樹の木を六本木に突き刺して、『どうだこれで七本木じゃあ!!』とか言うつもりなんじゃないですか!!?」 
 
 
―ってか
お前の想像力の方がよっぽど怖いよ!! 
 
黒川を
「大錬金術師ヘルメス・トリスメギストスの弟子」とか呼んだの 
絶対お前が最初だろ!! 
 
 
私「…後藤よ。私はこれでも一応歴史学の人間なんだぞ…。根拠のない憶測には惑わされないぞ…。」 
 
後藤
「根拠ならあります!!最近、黒川先輩、ずっと院生室でギリシャ語の文献を読みながらブツブツ言ってるんスよ!そのギリシャ語の文献っていうのが…!」 
 
私「ぶ、文献って言うのが…?」 
 
ゴク…ッ。 
 
後藤「――まあ、俺はギリシャ語読めないので、何の文献かは全く分からなかったのですが」 
 
 
…後藤…お前はつくづく使えない男だな。
 
 
 
後藤「でも、
どの文献の表紙にも、ある一つの文字列が書かれていたので、それを記憶してきました!!もしかして、藤村先輩は心当たりあるんじゃないかと…」 
 
私「…まあ、一応言ってみて。」 
 
後藤「まず、最初の文字は、円周率のπ(パイ)という文字です。」 
 
最初の文字は 
Π(パイ)。 
 
後藤「その次は、英語のIみたいな文字、それから、Nみたいな文字です。」 
 
Ι(イオタ)、Ν(ニュー)、 
 
後藤「それから、なんだか三角形みたいな文字です。」 
 
Δ(デルタ)。 
 
後藤「そして、英語のA、P、Oのような文字が続いて、」 
 
A(アルファ)、Ρ(ロー)、Ο(オミクロン)、 
 
後藤「そして最後に
煤iシグマ)です。…この文字列の意味が分かりますか?何か心当たりは??」 
 
 
Π、Ι、Ν、Δ、Α、Ρ、Ο、煤B 
 
ΠΙΝΔΑΡΟ煤B 
 
「ピンダロス」。
 
 
…もう一気に眠気が吹き飛んだ!!! 
 
 
「心当たりも何も…!!!」 
 
ピンダロス!! 
アポロンに最も愛されたと言われる古代ギリシャの詩人!! 
そして何より、 
 
「私の専門分野だ!!」 
 
 
…どういうつもり!?まさかこの私の専門分野で勝負を仕掛けてくるつもりなの!!? 
「お金のかかっていない、形のないもの、それでいてアポロン関係のもの。」 
…それをピンダロス関係で用意するつもりなのか!!?
 
 
 
「…なんか…すっごい嫌な予感がしてきた…。」 
 
後藤「…そうでしょう!?今からでも逃げた方が…!!」 
 
私「…でも後藤君。さっきも言ったけど、私は歴史学の人間。歴史学の基本は、まず第一に、
あたり前だと思っていることを疑うことだ。」 
 
後藤「…えっ?一体どういう…」 
 
 
「…後藤。お前は本当に私サイドの人間か?」 
 
後藤「エ…?」 
 
「お前は黒川にスパイということがバレたんだろ?どうして、まだ私に黒川の情報を流していられるんだ?」 
 
後藤「…えええっ!!??;」 
 
「…お前、黒川サイドに寝返っただろう?それで、わざと黒川に都合のいい情報を私に流してるんだろ?!そんな小賢しい手にこの私が引っかかるか!このドブネズミめが!!」 
 
 
後藤「…ちょっと待って下さい!藤村先輩!
俺は潔白です!!俺はむしろ黒川先輩がコテンパンに打ちのめされてる所を心から見たいと思っている派で…!信じて下さい!」 
 
「後藤…いや、二重スパイめ!!黒川に伝えろ!!私は逃げも隠れもしない!六本木を七本木にするのはお前ではない、この私だとな!!」 
 
後藤「…ちょっ、藤村センパ…」 
 
ブチッ!!(←強制的に電話を切る。) 
 
 
…フー。 
まあ、なんというか…… 
 
 …後藤君、…潔白、だったかもな…。
 
 
途中で彼の反応をみて、「あれっ?これは…二重スパイとかじゃないかも…
ただ後藤がアホなだけかも…」と思ったけど、あれだけ大見栄を切ってしまった以上、引っ込みがつかなかったのよ。一応あとで「後藤めんご」というメール送っておく。後藤まじでごめん。 
 
 
…黒川が本当にピンダロス関係で来るのかどうかは知らないが、 
飛んで火に入る夏の虫とはこのことだ。 
 
黒川に何を送るか…私はもう決めている。 
 
「言葉あそび」が好きな黒川さん。あなたでも絶対に解けない「言葉あそび」を仕掛けてやるよ。 
 
どんな手段でも使ってくるがいい!! 
お前を血祭りにあげるショーの舞台はとっくに整っている!!
 
 
 
 
 
…そんなわけで、次回、私が何を送るかをご紹介できると思います。 
 
それと、最近よく
「お前さんは、黒川さんとお付き合いしてるのかい?」という旨のコメントを頂くのですが、それは全然違う。全然違うし、これから先も無い。すみません、私の日記の書き方が悪いのだろうか…!なんか黒川さんに申し訳なくなってきたぞ…。 
なんというか、私も、男性とお友達になれることはほとんど無いのですが…。じゃあなんで黒川さんとは仲良くなれたのか、と言うと、一つの理由として、黒川の下ネタが大好きだからだ。 
 
これまで私は、 
 
「男の性」は喜劇名詞、「女の性」は悲劇名詞。 
 
という固定観念があったので、後者の下ネタは全然面白くなかったのですが、同じ女の性下ネタでも黒川さんのはまるで違う!! 
 
 
黒川
「『処女膜』って訳を最初につけたのは杉田玄白。でも、玄白先生には申し訳ないですが、僕なら絶対もっといい訳を付けます!だって『膜』は違う!『膜』っていう訳は正確じゃない!」 
 
――またある時は、 
 
黒川
「アイアン・メイデンってあるでしょう?あの中世の拷問具の。あれって、なんでアイアン・メイデン(鋼鉄の処女)っていうか知ってます?」 
 
「は?」 
 
黒川「蓋をしめると中にいる人間に突起が刺さって、下から血がドバーって出てくるからなんです。…完璧。このネーミング・センス。ああ、どうしたらこんな素晴らしい名前が付けられるのだろう!本当に完璧すぎます!!」 
 
 
――なんだろう…たぶんコイツは女にまったく興味がない。女の性をネタにしているのに全然いやらしさ無い。というか、本人はただ単に本気で言っているだけだと思いますが、とにかく
「コイツとは友達になれそうだ!」と私は思った。 
 
…読んでいる方は「全然違いがわからん!」って感じかもしれませんが!(笑)。ただ単に私の下ネタの好みの問題か…!? 
そんなわけで、私にとって黒川さんは
「良き学友」。そしてこれは向こうも同じように思っていると思います。本当に、私にはもったいないくらいの良き友だわ〜!来週コテンパンにするけど。 
 
 
拍手ありがとうございます! 
お返事、もう少々おまちを…!
  
 

 

2009. 5. 19
      ディオニュソスとヘパイストスの友情が熱すぎる

→今、古代ギリシャのつぼ絵集を見ていたら… 
こういうシーンがあってすさまじく興奮した…!! 
 
大親友同士こと、ディオニュソスと鍛冶の神ヘパイストスが、ロバに二人乗りしている…!!゛゛゛゛゛゛←ふるえ 
 
こんなの完全にあれでしょ!?
学校帰りのチャリンコ2ケツでしょ!? 
「乗せていってやるよ、ディオニュソス!」的な!?うわあーー!!こんな青春してみてぇえええーー!!!
 
 
 
しかもしかも、ディオニュソスは馬やロバとかには 
「乗る技術が無い」から、 
 
ディオニュソス「…俺、乗れないっ。ロ、ロバなんか怖くて絶対乗れねーよ!」 
 
ヘパイストス「大丈夫だ。俺がちゃんと支えててやる。間違ってもお前を落としたりしない。俺を信用してくれ。」 
 
…なんつって、他の誰かだったら絶対「乗らねーっつってんだろ!」って断るディオニュソスでも、 
ヘパイストスの愚直なまでに真面目な言葉には逆らえない。 
それで、ロバに二人乗りでのんびり移動するんだけど、 
 
 
ディオニュソス「――あっ!進行方向にこえだめがっ!!…お前、間違っても俺を押すなよ!?俺がよそ見してるうちに、俺の背中をドン!っつって押して、俺が見事な放物線を描きながらこえだめに頭から突き刺さって、周りの連中が大爆笑!…みたいなことは絶対するなよ!?」 
 
ヘパイストス「は?」 
 
ディオニュソス「押すなよ!?絶っっ対押すなよ!!!?俺は今からよそ見をするけど!絶対やめろよ!?絶ッ対押すなよー!!」 
 
 
ヘパイストス「…当たり前だ。お前は大切な友人だ。誓って言う。絶対に押したりなどしない。」 
 
 
ディオニュソス「押せよ!!!違うだろ!?今のは押すとこだろ!?俺が最高の前フリを出してるのに!!こんなおいしいパスをスルーってどういうことだお前!!?」 
 
ヘパイストス「…お前の言っていることは全然理解できない。」 
 
 
…ヘパイストスなんて
全然笑いが通じなそうな相手なのに、 
どうしてディオニュソスは親友をやっているんだろう。 
 
でも、二人が一緒に描かれているつぼ絵だと、ディオニュソスがヘパイストスを気遣わしげな視線で振り返ってたりと、いつも仲良さげでいいなあ!と思う!! 
ヘパイストスが、アポロンとヘルメスに嘲笑された時、きっとディオニュソスは真っ先に彼を慰めに行っただろうなあ! 
しかも、「元気出して」とかの言葉を並べるんじゃなくて、 
でっかい酒瓶持ってって、一言。 
 
ディオニュソス
「飲もうぜ。」 
 
そんな感じ!この二人は!! 
 
 
――くっそーヘパイストスのつぼ絵を調べたかったわけじゃないのに!! 
Heracles を引こうとして、手前のHephaistosでつかまってしまった…。 
これだからギリシャ神話はやめられねぇよ! 
 
(ところで、ディオニュソスの名誉のために言っておくと、古代ギリシャの馬やロバには鐙(あぶみ)がつけられていなかったので、乗りこなすのはとても難しかったらしい。) 
 
 
..6:18
  
 

 

2009. 5. 20
      拍手のお返事について

黒川との決闘話待ってる方がいらしたら、遅くなっていてすみません! 
 
とりあえずこれだけ…!!拍手のお返事の場所が日記の末尾から、↑のメニューのclapの右隣の、reというところに変わりました。 
 
私、拍手のお返事1か月分とかまとめてお返事することが多いので、そうすると日記の字数制限で別々の記事にまたがってしまって、探すの大変だし、不便じゃないかと…。そう思ったので、移動してみました(私がお返事遅いのが原因なんですが!すみません!)。 
 
この日記、記事の字数制限が8000字なんですよねー。毎回毎回「文字数オーバーで書きこめないぞ」と言われてしまうんだ。じゃあお前、たまに黒川との死闘が前後篇になったりするのは、16000字くらい書いてるからかよ!?と愕然とするんですけど!! 
 
そんな訳で、拍手どうもありがとうございました!!! 
コメントのお返事は「re」のところです(〜15日。それ以降の方はもう少々お待ちを。) 
↑訂正:18日分までです!    
  
 

 

2009. 5. 22
      【とりあえずのご報告】黒川プラトン誕生計画!〜アポロンの誕生日に笑い死ぬ〜

…順序が逆になって申し訳ありませんが… 
昨日、黒川さんに会ってきました…。 
 
…………。 
……なんでこんなテンション低いのか、って話でしょ?
 
 
ひどい目にあった。 
 
 
…黒川に、
「アポロンで殺す」という宣言は受けていたのですが、 
まさかそれが「アポロンで笑い殺す」の意だったとは…!
 
 
もうダメ私、死ぬ…!笑い死ぬ!!! 
まさか…アポロンでここまで笑わされるなんて…!!!
 
ヒーーッ!!もうダメーっ「アポロン」という単語を見るだけで思い出し笑いで死にそう!!
もう本当にダメ!死ぬ!!お腹が痛い!!もう腹筋が痙攣しすぎて痛い…!! 
 
だってまさか…!
これはたとえ話ですけども!! 
まさか…私の最も尊敬する男二人を…アポロンとピンダロスをよ!? 
 
黒川がその2人を抱えたまま、こえだめに頭からダイブするなんてまさか思わないじゃん!!!
 
 
 
 
しかも、悪いことに、美術館に行ったあと、 
 
黒川「ついでに
『天使と悪魔』観ませんか?藤村さんも好きですよね?」 
 
の言葉に惑わされ、一緒に観にいってしまったのですが… 
 
これ、映画のネタバレでもなんでもない一般知識なので言うけど、 
 
もう背景にチラチラ出てくるアポロンが…!! 
 
もう死ぬーーーっ!!思い出し笑いで死ぬーー!! 
くっそぉおおおお!!!ここまでが貴様の作戦か黒川ーーーっ!!??
 
ヴァチカンのサンピエトロ大聖堂が舞台=もちろんアポロンも映るはず 
という作戦だったのかぁあああーーーー!!???
 
 
こんなマジメな映画なのに 
もうチラチラ出てくるアポロンに思い出し笑いをこらえるのが精一杯だよーーっ!! 
うわぁあああ失敗したぁあああ!!!今日観るんじゃなかったーーー!!! 
 
 
黒川「いやー感動しましたね!」 
 
うるっせえええーーー!!こっちは地図のない砂漠のド真ん中で流砂に腰まで飲まれてんだぁああ!!!! 
 
帰りの電車の中でも思い出し笑いでプルプルしてたし、家に帰ってからもずっと笑ってたし、眠ってる間も笑ってたし、
今朝は自分の笑い声で目が覚めた!!枕はヨダレでベットリだし!! 
 
私このまま本当に死ぬんじゃないか…!! 
誰か助けてくれ!!私をこの流砂から助け出してくれ!!! 
でないとこのまま窒息死する!!誰か助けて…!!誰か…!!アポロン…!!!ってダメだって!!今アポロンは!!ブフッ!!ああーーーっダメだーーー!! 
 
くッそぉォオオくーろーかーわーー!!!
 
 
 
――そんなわけで、一応のご報告まででした…。 
一部始終は私が冷静になってから書きます…!! 
 
でも、この面白さは…!きっと私の文章じゃ伝えきれないと思うんだ…!ピンポイントで私に向けられた笑いだった上、黒川は私を笑わせるつもりは全くなく、いたって本気。 
しかも、私自身、なんでこんなに面白いのかわからない。 
本当に、録っておけばよかった!そしたらきっと一生笑って暮せたのに!! 
 
ああーーっ面白かった!! 
 
あっ、私のプレゼントはとても喜んでもらえました。でも、
その差し上げたプゼレントが…最終的に全部私の上に笑いとして降りかかってくるという最悪の状況に…。 
ああーもう!!次回!!ちゃんとお話しするのでマジで聞いてほしいよ!!なんだこれ!?私、大損だよ!!!! 
 
 
…拍手ありがとうございます! 
コメントもありがとうございました! 
前回の日記の通り、拍手のお返事は上のメニューの「re」のところに移動しました。 
18日までのお返事があります。それ以降の方、もう少々お待ちを! 
..6:44
  
 

 

2009. 5. 24
      【私が贈るもの】アポロンの誕生日に黒川を祝う〜私のプレゼント、「アポロン最後の謎かけ」〜

―いつも珍文が書かれたTシャツを着ていることでおなじみの黒川。 
かつて、学会で会った時の彼の胸元には、古代ギリシャ語でこう綴られていた――。 
 
 
『私は鉄によって切断される。 
  私の頭を落としてみれば、それと同時に日も落ちる。 
  当ててみよ、私は何者か?』
 
 
 
「…うわぁあ〜〜っなんだこれぇ〜〜!!?ちょっと黒川さん!!頼むからたまにはフランスの詩集からとったステキな花言葉とかを掲げてよ!!何、その猟奇的な文章!?何かの呪詛!?」 
 
黒川「違いますよ!これは古代ギリシャ語のなぞなぞです。答えられますか?
『鉄によって切断され』、『首を落とせば日も落ちる』もの!さて、な〜んだ?」 
 
私「え〜〜と…」 
 
黒川「あ、ちなみに答えは
Tシャツの背中に書いてあるんですけど…」 
 
「!!ちょっと待って、私、自分で考えます!今日、帰る時間になるまでは、絶っ対私に背中を向けないで下さいよ!!」 
 
――それから私は何時間も考えに考えた。 
鉄によって切断され、首を落とせば日も落ちるもの… 
だけど、結局答えはわからなかった。 
 
黒川「帰る時間ですね。タイムリミットですよ。答えは?」 
 
私「……くそぉお〜〜!分かりません!!」 
 
 
…黒川は勝ち誇ったように笑った。 
 
黒川
「また僕の勝ちですね!それじゃあ、ごきげんよう。」 
 
そう言うと、くるっと背中を向けて、歩き出す。 
 
その背中に掲げられた文字――――
 
 
 
ΟΝΥΞ 
オニュクス。
 
 
ギリシャ語で「ツメ」。…爪は鉄(=はさみ)によって切られる。 
頭(=頭文字)を落とせば、 
 
ΝΥΞ 
ニュクス(=夜)
 
 
…日が落ちる。
 
 
 
…やっとそこまで分かって、去っていく黒川の背中を呆然と見送ることしかできなかった私。 
そしてその時思った。 
 
この勝ち誇った背中を、泥にまみれさせることができたらどんなに気持ちがいいだろう。 
この黒川の絶対的な誇りを…
「古代ギリシャ語のなぞかけなら、僕に解けないものはない」、「ソクラテスやプラトンがしたように、アポロンの謎かけですら僕は解いてみせる。」この誇りとともにアイツをくしゃくしゃにすることができたなら…!! 
ああっ、それはどんなに気持ちがいいことだろう!!
 
 
 
…そこで私は決めたのだ。 
こいつにも絶対に解けない「謎かけ」を仕掛けてやろうと――!! 
 
 
『アポロンの誕生日に黒川を祝う 
〜私のプレゼント、「アポロン最後の謎かけ」〜』
 
 
 
…前置きが長くなりましたが、21日の六本木会戦に向けて、私が贈るものはこれだ!! 
「アポロンの謎かけ」! 
「言葉を司るアポロンの、最後の謎かけ」だ!!
 
 
 
 
…いや、これ何!?というと、これは簡単に言うと、
アポロンのマークです! 
でも、これには一つの謎がある!! 
 
中央の
「Ε(イプシロン)」……この「Ε」とは何なのか? 
 
神殿に囲まれた「Ε(イプシロン)」。 
これを見ただけで古代人は「アポロン」を連想できたはずだ。 
 
でも「アポロン」と「Ε」にはいかなる関わりもない。 
 
つまり、なぜ「Ε」一文字がアポロンのシンボルなのか、この「Ε」が何なのか、何かの単語の頭文字なのか…?完全に謎に包まれているのよ! 
 
 
 
たった一文字。でもどんな長い謎かけよりも問題のある一文字!! 
今まで誰も解いたことのない一文字の謎かけ!!
 
 
――これをお前に贈る、黒川!! 
 
まあ、「贈る」って言っても、どうやって贈るのか、って話でしょ? 
まず、これを見てもらいたい。 
 
 
 
 
黒い無地のTシャツと、Tシャツ用プリント紙。 
 
…フフフ…ここまで来たら私がこれから何をするつもりなのかはお分かりだろう。 
 
…まさか貴様…!!?ああ、そのまさかだ!! 
 
 
 
さっきのアポロンのマークをもうちょっとアポロンぽくデコレートして、 
 
 
 
こうして、 
 
 
 
こうだ!!!! 
オリジナルアポロンTシャツ!! 
これを有無を言わせず貴様にプレゼントだ黒川!!!
 
 
 
フフ、そして胸のマークの半径は7センチ!!7はアポロンの聖数!!ちゃんと考えてるぞ!! 
しかも、 
 
 
 
暗闇で光るぜ!! 
 
あれ!?ちょっとこれ…意外とイケてない!?(笑)意外といい感じじゃない!?私は頼まれても着たくないけど!! 
 
 
もうここまでで完璧であると言えるが、なんだろう… 
何というか…黒川さんがいつも着てるTシャツって…もっと禍々しいんだよね。 
 
うーん、もうちょっと禍々しさをプラスしてみるか… 
これも付けちゃおう!! 
 
 
 
…ホントこれ何!!??って言うと、これはヘルメスです。古代ギリシャのピタゴラス教団の、ヘルメスのマークです。ピタゴラス教団のシンボルの五角形中に、ヘルメスの頭部が…ってごめん、実は私もよく分からない! 
まあ黒川さんの専門分野だろう! 
 
もちろんコレを印刷して、襟元に!! 
 
 
 
ちなみに、円の半径は4センチ!もちろん4はヘルメスの聖数!!そして、これももちろん、 
 
 
 
光るぜ!!…って怖ぇええーーー!!!やべぇえーー調子乗りすぎたぁーーー!!間違えたぁーーー!!なんでこれ付けちゃったんだぁー!?完璧に取り返しのつかない感じにーー!!うわああこんなのが暗闇で迫ってきたらおしっこチビんぞ!!やっべえ!こんなの絶対着れねええ!!ってかこれを黒川さんは本当に着てくれるのか…!? 
 
 
そんなわけで、最後にメッセージカードを添えて… 
 
 
 
ピンダロスの歌にピッタリの箇所があったので抜粋しました。 
「私が心を捧げるアポローンの君よりも先に、私は彼を祝いたい。どうかゆずりたまえ!アポローンの君!」〜というようなことが書いてあります。 
 
おっと、もちろんこれもただの紙じゃないぞ!! 
 
 
 
「アポロンケント」だ!! 
 
 
 
それを袋に入れて完成!!! 
 
フフフ、解いてみろ、黒川!!このアポロン最後の謎を!! 
だがお前には絶対に解けない!! 
 
このTシャツを着て、誰かに聞かれるだろう、「黒川さん、そのTシャツの『Ε』って何なの?」
 
 
だがお前はこう答えるしかないのだ!!「分からない」!! 
 
わはははははーーー!!ああーどんなにか気持ちがいいだろう!!その光景を見た時の私の心は!! 
 
六本木当日が楽しみだぜ!!
 
 
 
 
―――とまあ、前回お話したとおり、
これを書いている時点では、すでに六本木で黒川さんに会ってきた後なんですが… 
 
もうね、このTシャツ作ってる時は全然気付かなかったんだよね…私がまさに自分の墓穴を掘っていたということに。 
このTシャツの存在が私にすべて悪夢として降りかかってくるということに…!!ホント、やめときゃよかったんだよ!! 
 
今、タイムマシンがあったらこの日の私のところに行って言いたい! 
「絶対やめろ」と。「せめて発光機能だけは絶対やめとけ!!」と!!はああ〜〜〜!!! 
 
そんなわけで、次回は六本木決戦へと続きます!! 
 
 
 
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
<補足> 
◆こう…いつも日記では
「最初に事の核心を」がモットーなのですが、今回は変化球で回想シーンから入ってみました(笑)。「えっ?これ何の話だ?六本木の話じゃないの?」と困惑した方いたらすみません。…なんというか、どこから書き始めるかとか、限られたスペースでどの出来事をそぎ落とすかとかってかなり神経使いどころですよね。 
多分六本木本編は前後編になるかと…もういろんなことがあったのよ…あれも書きたいこれも書きたいだよ!しかし書いてる私も大変ですが、読んでくれてる方も同じくらい大変ですよね(笑)。なんとかスマートにまとめられるよう善処します。 
 
◆アポロンのマークについて 
 
 
↑デコレート後のやつ。レリーフはデルフォイのアポロン神殿のモチーフを入れました。
「三脚台を奪い合うヘラクレスとアポロン。それを止めに入るアテナとアルテミス。」 
 
このマークのΕが何なのか?っていうのは昔から議論されています。 
これが「アポロン」の頭文字なら、当然中央の文字は「Α(アルファ)」になるはずですよね。でも、アポロンはたくさんの異名を持っているので、Εで始まる名前が無いわけじゃない。
Ekatos(遠矢射る君)とか、 Endomagetes(7番目の君)とか…。 
 
でもだったら、どうしてもっと有名な
Phoibos(輝ける君)とか Loxias(ロクシアス)じゃないの?という…。 
 
また、この「Ε」にはもう一つの読み方がある。 
古代ギリシャ人は数字を持っていなかった。そのため、
数を表す時、ギリシャ文字一字で代用した。 
 
たとえば、Αは最初の文字なので「1」を、 
Βは2番目の文字なので、「2」を表す、というように。 
そして、「Ε」は、というと、
5番目の文字なので、「5」を示します。 
 
「5」! 
 
でもアポロンは「5」とは何の関わりもない!アポロンの聖数は「7」だ!
 
――ほんと何なんだ?っていう…。 
 
あっ、あとこんな説もある。 
アポロンは予言の神なので、人間がアポロンに話しかける時は、
「もし〜〜なら」という仮定法でお伺いを立てる。 
で、「Ε」というのは、この仮定法に係わりが深い文字だから〜、っていう。 
 
このΕに関しては黒川さんとも延々話し合った。 
Εで始まる単語(無数にあるが!)を二人で出し合ったりしてたけど… 
黒川さんは最終的に「これはやっぱり『5』だと思う」って結論を出してた。うーん、本当に何なんだろう!なんかこういうのって往々にしてすっごい単純な答えなんですよね!!
「Eidos(理想)」とか!アポロンって理想じゃん!!とか!そういうの。 
 
 
拍手ありがとうございました!! 
コメントもどうもありがとうございます!! 
お返事はメニューの「re」のところです。
(〜21日まで) 
  
 

 

2009. 5. 27
      超取り急ぎだけどお誕生日おめでとう、アポロン!アルテミス!!

六本木の話遅くなっててすみません!!ちょっと実生活が立て込んでいました…!だけど今日はこれだけ!言わせてもらいたい!! 
5月26日&27日!アルテミス、アポロン、お誕生日おめでとうーーー!!
 
 
 
 
この双子の神話で一番心に残ってるのは、 
ある殺人事件の犯人として嫌疑をかけられたアルテミスを、アポロンがかばう、というシーンです。 
 
アポロン「違う、殺したのはアルテミスではない。
我が片割れなら、昨日は一晩中私と一緒にデロス島にいたのだ。だから潔白だ。」 
 
アレっ?アルテミスにとっちゃアポロンと一晩中一緒にいたという証言の方がよっぽどヤバイのでは…? 
と思って、私はこのアポロンの言葉にすごく引っ掛かりを感じました(笑)。 
 
だけど、この言葉がとっさに出たアポロンの嘘(…じゃあないと思うけど!アポロンは嘘はつけないから)にせよ、本当にせよ、どっちにしてもなんだかすごく仲がいい双子ですよね! 
だって一晩中一緒になにしてんの?人生相談とか!?それともオセロ!?生まれたころから何千年、何万年も一緒なんだしもうすることないだろ!! 
 
 
ところで、超急いで描いた上の絵ですが、
ひとつ、今まで私の夢だったものを入れてみました。 
絵にギリシャ語で
「お誕生日おめでとう、アルテミス&アポロン!」と入れてあるんですが、これただの「アポロン」じゃないのよ! 
 
ギリシャ語だと、アポロンは正式には
「アポローン」なのですが、アポローンを直接呼びつける時「アポロン」という発音をするんだ! 
私、一度でいいからアポローンを「アポロン、」で呼んでみたい…!!アポローンを直接呼びつけたい、「アポロン」、と!!
 
 
――そう思って、入れてある文字は 
ΑΠΜΛΛ
ΩΝ アポローン じゃなくて、 
ΑΠΟΛΛ
ΟΝ アポロン 
 
…にしてあるんだぜ!! 
――ってすみません、別にこれだけなんですが(笑)、ちょっと勇気が要ったので…だってすげえ嫌な顔されそうじゃん!! 
 
アポローン「お前に『アポロン』なんて呼ばれる筋合いはない!私のことは
『様』付けで呼ぶのも失礼と心得て、『輝ける君』、『遠矢射る君』、百歩譲って『アポローンの君』と呼べ」 
 
…くらいに言われそうじゃん!!でも、年に一度の誕生日だしいいだろ!と思って、アポローンをアポロンにしてみました!!イエエーーーイ!!! 
 
そんなわけでお誕生日おめでとうっ!レートーの輝かしき子ら、金の矢そそぐアルテミス!銀の弓もつアポローン!! 
 
あー色々遅くなっててすみません!! 
5月末はどうしてこんなにイベント目白押しなんだ!! 
 
(ところで、現在、アポロンのことアポロンアポロン言ってるのって、アポロンにとったらしょっちゅう呼びつけられてるみたいに聞こえるんだろうな…。あっ、なんかギリシャ語複雑!それでも普段はアポローンじゃなくてアポロンって言っちゃうけど!笑) 
  
 

 

2009. 5. 28
      【決戦当日:前半】アポロンの誕生日会戦!六本木の攻防
〜私の攻撃:「絶対に解けないなぞなぞ」〜

※二個前の日記から続いています。 
 
私『あの黒川さん、
六本木当日は…フォーマルな格好で来て下さいませんか?』 
 
黒川が軍服や変なTシャツでやって来るのを回避するため、 
事前にこう釘をさしておいたが…私は不安でしかたなかった。 
本当にアイツは「フォーマルな格好」で来てくれるのかどうかと…!さあ、果たして結果は!? 
 
――決戦当日。六本木駅。 
 
黒川「藤村さぁ〜〜ん!!こっち!こっちです〜〜!!」 
 
←黒川代理:ハーデス様 
 
   Very formal。 
 
やったぁあああーーー!!黒川さん、やればできるんじゃん!普通のカッコできるんじゃんーー!!
 
まあ
正直スーツもどうかと思うけどシルクハットに燕尾服と蝶ネクタイ、私の手に口づけを落としながら「ご機嫌うるわしゅう。」――このレベルのフォーマルさを覚悟していた私からしたら!!あああ感動してもう泣きそう!! 
 
黒川さん、ありがとう!ありがとう…!!! 
良かったぁああ〜〜!これで今日は人目を気にしなくて済むぞぉおおーっ!!
 
 
黒川「…今日は付き合って下さってありがとうございます。」 
 
私「いえいえ…
どうせ私も黒川さんにお渡しするものがあったのでね…。」 
 
黒川
奇遇ですねぇ、僕もです。あなたにお渡ししなければならないんですよね…『お金のかかってない、形のないモノで、それでいてアポロン関係の物』を。」 
 
私「……ふっ」 
 
黒川「……フフフフ」 
 
――そう、アポロンの誕生日をめぐるこの戦いの火ぶたは 
今まさに切って落とされたのであるーー!!
 
 
【決戦当日:前半】アポロンの誕生日会戦!六本木の攻防 
〜私の攻撃:「絶対に解けないなぞなぞ」〜
 
 
まずは先手必勝、とばかりに! 
 
私「…黒川さん、私のプレゼントはね――
『なぞなぞ』です。」 
 
黒川「…なんですって?」 
 
私「……あなたはかつて私にこう言った。
『古代ギリシャ語の謎かけなら、僕に解けないものはない』と!…その言葉は今も変わりありませんね!?」 
 
黒川「もちろん!…まさか、藤村さん。この僕に古代ギリシャ語のなぞなぞで勝負をしようと!?そういうつもりなんですか!?」 
 
「そうです!」 
 
黒川「あなたがそんな無謀な方だとは思わなかった!もう一度言ってさし上げましょう、
『古代ギリシャ語の謎かけなら、僕に解けないものはない』!!」 
 
「では、解いてみろ!この謎を!!『古代ギリシャ語のなぞなぞでも、黒川さんには絶対解けないなぞなぞはな〜んだ』!?」 
 
黒川「…!?」 
 
私「ヒント!もちろん、アポロン関係です!」 
 
黒川「バカな!そんなもの、あるはずがありません!!それは答えのないなぞなぞです!!」 
 
私「答えならありますよ――
この中にね。」 
 
 
 
黒川「…!!??」 
 
私「袋の中身を当てて御覧なさい。それが答えです。」 
 
黒川「ちょ…ちょっと待って下さい!!
こんなの卑怯です!!『古代ギリシャ語のなぞなぞでも、黒川さんには絶対解けないなぞなぞはな〜んだ』…これに答えられなかったら僕の負け!! 
 
でも、答えられたとしても!!『古代ギリシャ語の謎かけなら、僕に解けないものはない』――この僕の言葉に反することになるので僕の負けです!! 
どちらにせよこれは僕の負けではないですか!!」
 
 
 
――ようやく気付いたな、このうんち虫めが。 
 
 
「ワーーハハハ!!その通り!元からこれは貴方には勝ち目のない勝負なんですよ!」 
 
私がこの一か月、考えに考えた作戦!! 
お前を逃げ道のない論理の袋小路に追い込むための!! 
 
さあ、あがいてみせろ、ヘルメスの息子!! 
そして見せてくれ、お前が力尽きて私の前にひれ伏す様をな!!
 
 
私「さあ!どうする、黒川巧!?」 
 
黒川「く…っ、僕が勝てる道はただ一つ!
それはあなたが用意した『答え』を否定することだ!!」 
 
――そう言って黒川は袋を勢いよく開き、中身を広げた! 
中身はもちろん!! 
 
 
 
 
黒川
「あ…っああ…っぎゃぁああああ〜〜〜〜!!!これは…これは…っアポロンのΕ(イプシロン)!!!ウワァアアアアーーー!!!」 
 
――このTシャツのマークが何なのか、 
ということは先日の日記の通りですが、 
 
黒川
「ああ…っあ、あなたは卑怯だ!!こんなの僕だけじゃなく誰も解けないなぞなぞです!!」 
 
私「『黒川さん解けないなぞなぞ』とは言いましたが、『黒川さんだけが解けないなぞなぞ』とは言ってませんよ!」 
 
黒川
「!!!こんな馬鹿な…!!!僕が…僕がなぞなぞで負けた…!!この僕が…!!くそぉおおおおーーーっ!!」 
 
 
――勝った…! 
この一年弱、黒川にアポロンで負け続けた私だったが… 
ああっついに勝った!! 
この男の一番の特技で!この男の一番大切なものを奪ってやった!! 
うわーーっ!なんって気持ちがいいの!!!
 
 
 
私「…そのTシャツ、受け取って頂けると嬉しいです。お誕生日おめでとう!」 
 
――別に黒川さんの誕生日じゃないけど。 
 
私「今、黒川さん、『ホムンクルス』のTシャツしかないんでしょ?いろいろ大変かと思って…Tシャツにしたんですが…、あの、パジャマにでも使って下さったら嬉しいです。」 
 
 
黒川「…パジャマですって?こんなカッコイイTシャツを…?冗談じゃありませんよ!!藤村さん、ここで3分ほど待っていて下さい!」 
 
私「はっ?…く、黒川さん、どこ行くんですかっ!?」 
 
黒川
「いいからあなたは黙ってそこで僕の晴れ姿を待て!!!」 
 
――そう言って一目散に男子トイレに向かって行った黒川。 
まさか…この展開はまさか…!! 
 
――3分後。 
 
黒川「お待たせいたしました〜〜!!!」 
 
 
 
着ちゃったーーーー!!!! 
せっかく今までフォーマルな格好だったのにーー!! 
こんな珍奇な格好のヤツとこれから六本木の街を歩くのかよーーッ!!このTシャツ作ったの私だけど!!!
 
 
 
黒川「どうです?カッコイイですか?」 
 
ああーーでもやっぱりこれが黒川さんだな!! 
スーツじゃだめだ!!この変なTシャツこそが黒川さんだよ!! 
 
黒川「今は一本取られてしまいましたが…
でも、お忘れではないでしょうね?こちらにも貴女にお渡しする物がある、ということを」 
 
ゴク…ッ。 
 
黒川「でも、それはここではお渡しできません。もっと
人気のない場所でないとダメです。なので先に美術館に行きましょう」 
 
なんか…今ものすごく引っかかるワードがあったんだけど… 
ひ、ひとけの無い場所…? 
 
と若干の恐怖を覚えつつも、とにかく国立新美術館に。 
が、私はまだ知る由もなかったのだ。 
 
この美術館に予期せぬアポロンの戦いの場が用意されているということをーー!! 
 
←国立新美術館 
 
黒川が見たがっていたのは
『ルーブル博物館展〜美の宮殿の子供たち〜』という特別展。 
が、良く考えたら私は彼と違って幼女・少年の類に特別な思い入れがなく、あまり見るものがない…。 
しかたがないので、あいつが
女装している少年の絵を見ている間、 
私はシレノス爺さんにだっこされて「いい子いい子」されてる幼少期ディオニュソスの像をぼーっと見ていたのですが… 
(「子供」という縛りがあるので、古代ギリシャコーナーもディオニュソスやエロスが多かった。) 
 
まさかおみやげコーナーに… 
あれがあるとは思わないでしょ!!?
 
 
「…ウソでしょ…!?まさか…まさかこれがここにあるなんてーーー!! 
 
 
↑(これは中に入ってた紙ですが) 
 
アポロンの像も入ってるガシャポン、『石膏デッサンシリーズ2』ーー!! 
なんという偶然!!!これまだ私、一度もやってないのよ!!(詳しくは、1月23日の日記。) 
 
黒川「…?何ですかこれ…?アポロンも入ってるんですか?」 
 
私「フ。黒川。お前はここで1分ほど待て。なーに、私が一発でアポロンを引き当ててくる。」 
 
 
…結果。 
 
 
 
――まあご覧の通りの惨敗ですよね。
 
 
私「なんで変なオッサンしか出ないんだ!?くっそ!もう一回だ…!」 
 
――と、ここで今まで傍観していた黒川が、 
 
黒川「…あの、僕も一回だけやってみてもいいですか?」 
 
と言ってきたので、どうぞ、と場所を譲り、 
黒川がガシャポンを回すと、出てきたのは――  
 
 
 
 
 
ヴェルヴェデーレのアポロン。 
 
 
黒川「あっ、アポロン出ちゃいました!」 
 
出ちゃいましたじゃねーー!! 
バカな…!!私が何度やっても出せなかったものをどうしてお前が一発で引き当てられるんだ!!?
 
どういうことです、アポローンの君!?こんなにあなたに心を砕く私よりも、こんな3年前のかしわ餅みたいな男の方がいいとでも言うんですか!? 
 
しかもこれブロンズ製のバージョンじゃねぇかよ!!(大理石バージョンと2種類ある。) 
 
あのねえ、古代ギリシャ人はね、本当に大切な像はブロンズで作るのよ。 
大理石なんてギリシャ人にとっちゃそこらへんに転がってるただの石よ!! 
だからこのアポロン像ももともとはブロンズだったのよ!! 
 
そのブロンズのアポロンを一発で引き当てるなんて…!! 
 
「なんてことをしてくれるんです、黒川さん…!!」 
 
 
黒川「…どうぞ。これ、あなたに差し上げますよ。」 
 
私「…えっ!?なんで!?」 
 
黒川「別にあなたが熱心にやっていたので僕も試してみたくなっただけで……僕、別にデッサンとかしないですし。」 
 
だったら回さないでくれるか!!? 
お前が戯れに入ってこなきゃ私は順当にそのアポロンを引き当てられたのに!! 
 
私「…大変な屈辱ですが、ありがたく頂戴いたします。」 
 
 
 
…そんなこんなで、美術館を出たところで、 
 
黒川「…あの、藤村さん、
この辺りに、ひとけの無いところってありますかね…?」 
 
 
…来た。 
 
 
――後篇に続く! 
 
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
<追記> 
ちなみに、文字数足らないかなと思って省きましたが、美術館に着くまで1時間くらい迷いました。 
黒川「六本木駅と美術館、地下でつながってるみたいですよ」 
ってアイツの言葉もウソだったし、 
高速道路の下の墓地の中をウロウロ迷ったりしました。 
  
 

 

2009. 5. 29
      【決戦当日:後半】アポロンの誕生日会戦!六本木の攻防 
〜黒川の攻撃:「アポロンの童貞喪失」〜

※前日の日記から続いてます!アポロン好き注意。 
 
→続き 
 
黒川「…この辺りに、ひとけの無い場所ってありますかね…?」 
 
――この言葉を受け、東京ミッドタウンの公園にやってきた私たち。 
 
私「さあ、着きましたよ。…何をするつもりですか?」 
 
黒川
「決まっています。あなたにお渡しするんですよ!『お金のかかってない、形のないモノで、それでいてアポロン関係の物』をね!!」 
 
――そう言うと、脱兎のごとく明後日の方角に走り出す黒川!! 
 
「えっ…!?ちょ、ちょっとどこ行くの!?黒川さん!?黒川さぁああーーーんっ!!!」 
 
 
【決戦当日:後半】アポロンの誕生日会戦!六本木の攻防  
〜黒川の攻撃:「アポロンの童貞喪失」〜
 
 
…いきなりどこかへ走り去ってしまった黒川さん。 
仕方がないので、帰ってくるのを待っている間、 
私は近くのベンチに腰を下ろし、 
一体黒川が何を仕掛けてくるつもりなのかを考えることに。 
 
――
『お金のかかってない、形のないモノで、それでいてアポロン関係の物』…。 
 
そんなものが本当に用意できたとでも…? 
 
もう一つ。私が放ったスパイ・後藤がつかんだ情報では、 
黒川は
「ピンダロス」関係の本を読みあさっていた、と。 
 
ピンダロス…アポロンが最も愛した詩人。 
そして私の専門分野……一体…。 
と、その時! 
 
 
――ブルルルブルルル…
(←携帯のバイブ音) 
 
「!!…はい、もしもし?黒川さんですか?!もう、一体どこ行っちゃったんですか?!早く戻ってく…」 
 
黒川
『…アポローンの君!!わが唇にご降臨あって、アイオリス風の一節を授けたまえ!!』 
 
――……、
…あ? 
 
 
黒川
『♪っんエテ〜ロぉおおっ・かるかーすぺいだ!ピュティオニ〜カン!』 
 
っ何!?何だ!?何が始まったんだ!!? 
この金切り声なんなの!!お得意のヘビメタ!?
 
 
黒川
『♪シーュン・バテュゾーノイシン・アンゲっロぉおおー〜〜ン!!』 
 
――いや違う…これ…ギリシャ語!? 
これ…古代ギリシャ語の歌だ…!!六脚のリズムの歌…!! 
 
黒川
『♪ターン・ホ・カイターエイス・アネモスパーラゴーン・エン・パリウー・コルポーン・ポテ・ラトイダス』 
(――その彼女をかつて、レトの子なる長髪の神アポロンが、ペリオンの風音とどろく山ひだより、連れ去った)
 
 
 
――ピンダロス!! 
ピンダロスの歌だ!!ピンダロスの…ああっ思い出せ…! 
このシーンは…そう、確か…アポロンが… 
アポロンが童貞を喪失するシーンだ!! 
 
え!?ちょっと待って黒川さん…まさか…
 
 
黒川
『♪お話ししよう、アポロンとキュアネの甘美なふしどに、どのようにして愛すべき恥じらいが投げ広げられたのかを!』 
 
こいつ…アポロンの最初の口説き文句を今ここで再現するつもりなのか!? 
 
黒川
『♪それは、幅広の矢筒を持つ遠矢の神アポロンが、影の濃い山奥で彼女に遭遇した時のこと、』 
 
「!ダメだ!黒川さん!!やめて!歌っちゃダメだ!!」 
 
黒川
『♪すぐ神は彼女に声をかけ、その住まいから呼び出した、いわく…』 
 
やめてくれぇぇぇエエーーーーっ!!ダメだ!!その先のこっ恥ずかしいセリフは歌っちゃダメだぁあああああーーー!!!! 
 
 
黒川(アポロン)
…♪乙女よ、お前はどうしてこんなところに住んでいる? 
どの一族から引き離された? 
どの人間がお前を生んだのだ? 
 
私の名高い手でお前に触れてもかまわないか? 
お前のふしどから蜜のように甘い草葉を摘むのは許されているか?』
 
 
 
 
――こいつ…この台詞をシラフで?! 
 
”私の名高い手でお前に触れてもかまわないか?お前のふしどから蜜のように甘い草葉を摘むのは許されているか?” 
こんな言葉を、お前はこの東京ミッドタウンで…このコンクリートジャングルのど真ん中で叫んだのか!!? 
 
っていうかそれ以前にアポローンの君が音痴すぎるんだけど!! 
全っ然アポロンはお前の唇にご降臨あそばしてないぞ黒川!!!
 
 
 
 
黒川「♪……」 
 
――と、一瞬黒川の歌に間があったので、 
「あれ?もしかして続くキュアネの言葉は私がやるのかな?そうか、それを求められてるのか!」と思って、 
 
私(キュアネ)
『…♪フォイーベ・カイ…』 
      (フォイボス・アポロー…)
 
 
黒川(キュアネ)
『♪フォイボス・アポローンよ、神々においても、人間においても、甘美な一夜を初めて我が物にするのは恥ずかしいものです。』 
 
…ってお前が言うのかよ黒川!! 
 
黒川(キュアネ)
『♪実際、虚偽に触れることは許されていないはずの貴方も、甘い衝動に駆られてそのような偽りの言葉を口にした。私の生まれれはどこかとお尋ねになるのか、アポローンの君? 
物事すべての定められた結末をご存じの貴方が?』
 
 
童貞がお前でツッコむのもお前かよ!? 
何その放火魔が第一発見者みたいな!! 
お前が言ってお前が手柄か!!
 
 
「…ほんっともうやめてーー!!黒川さんーー!!っそりゃあアポロンだって初体験でいきなり『セックスしよう!』とは言えないんだよ!そりゃあ嘘だってつくさ!!」 
 
もうほんとにやめてくれぇええーーーー!!! 
 
…私の希望に反し、この電話口での狂宴は、アポロンとキュアネの子供が生まれて 
その子をヘルメスが取り上げるまで続いた――… 
 
歌が終わって、しばらくすると、黒川さんが息を切らしながらこちらに走ってきた。 
 
 
 
黒川「どうでした〜〜!?」 
 
私「………ふっ…ふふふふっアハハハハハははは!!!」 
 
黒川「な、なんです、急に笑い出して!!?」 
 
「ヒーーッ!…なんか今の一連の流れが…っブフッ!!もう私のツボにはまっ…っああ〜〜!!アハハハ!!もう、もう一回…!!もう一回、さっきの、アポロンのセリフ…っ、歌ってくれませんか?!」 
 
黒川(アポロン)「…
『♪私の名高い手でお前に触れてもかまわないか? 
お前のふしどから蜜のように甘い草葉を摘むのは許されているか?』
」 
 
 
もうだめーーっ!! 
アポロン、自分で自分のこと「名高い」って言ってるーーっ!! 
「お前のふしどから蜜のように甘い草葉を摘む」って…なにそれ!?どういう意味なの!?どういう状況なの!? 
っていうか黒川、お前その気持ち悪いTシャツ何だよ!
 
 
もう何かもが面白い!! 
 
なんかアポロンすげえ童貞じゃない!? 
アポロンから未だかつてない童貞臭がするんだけど!!
 
 
アレ!?これ日本語の問題じゃないよね!? 
 
 
Is it lawful to lay my renowned hand on you? 
  And to cut the honey-sweet grass of your bed...?
 
  
ダメだーーっ!!英語で聞いても面白いもん!! 
あなたのベッドからハニースウィートな葉っぱを摘むのはロウフルですか? 
――
何言ってんの!何言ってんのよアポローンの君!!
 
 
 
「アっハ!!アハハハ…ゴホッ!!オウェっ…ヒーーーッ!ヒーーッ!」 
 
黒川「…すみません、僕、選択を誤りましたか?このシーン、ピンダロスの中であなたが一番好きなシーンだろうと確信してたのですが…」 
 
私「好きです!めちゃくちゃ好きですよ!!」 
 
黒川「…でも、僕は感動で泣かせてやる!くらいの意気込みだったんですけど…」 
 
…だから泣いてるじゃん!!笑いという名の感動で!! 
 
黒川「はぁ…僕の負けでしょうか」 
 
何言ってんの!!? 
 
「アポロンでここまで私を笑わせたのは黒川さんが初めてです。そしてたぶんこの先もないでしょう!私の負けです!全面降伏です、黒川さん!!」 
 
黒川「えっ…!」 
 
私「…だからお願いです、もう一回だけ、アポロンの台詞を…!!」 
 
黒川「…
『♪私の名高い手でお前に触れてもかまわないか? 
お前のふしどから蜜のように甘い草葉を摘むのは許されているか?』
」 
 
…もうダメだわ、コイツとアポロン、今私の中でチャップリンに並ぶ地位だわ。 
 
 
 
その後も、「ダメだ、私、今日は『アポロン』っていうワードを見ただけで笑う」という状況になった私に対して、 
 
黒川「じゃあ、真面目な映画でもどうです?『天使と悪魔』観ませんか?藤村さんも好きですよね?」  
  
で、一緒に観にいってしまったのですが… 
 
映画が始まって、照明が落ちた瞬間、 
黒川のTシャツが
 
 
 
 
ボワ〜〜〜。 
 
(!!光ってる!めっちゃ光ってる!!そうだっ、私、これ暗闇で光るヤツにしたんだった!!ブフっ!!ククク…!ダメだ…笑っちゃダメだ!!) 
 
しかも、黒川さん自身もそれに気づいて、 
 
黒川
(ウワっ!?なんだこれ!?めっちゃ光ってる!!) 
 
――と、わたわたしていたのがもう本当に面白かったです!! 
しかも映画の背景にチラチラ出てくるアポロンにも思い出し笑いしそうになったり!! 
 
ああ〜もう本当に!!ダメだってこんなの!!! 
ああっアポローンの君、私の唇にご降臨あそばして、この男を賞賛する最高の一節を授けたまえ!!
 
 
――『お金のかかってない、形のないモノで、それでいてアポロン関係の物』! 
本当に、最高のものをありがとう!! 
 
なんだか黒川さんは不本意見みたいでしたが、あなたの六脚韻の正確さは素晴らしかったし、ギリシャ語の発音も本当に素晴らしかった!ちょっと音痴だったけど…。 
でもアポロンと黒川の交錯が…!! 
その二つの魂のハーモニーが本当に面白かったのよ!!
 
 
笑ってごめんね!!でも黒川さん、その面白さには誇りを持っていい!! 
だって、誰もそんなことできないよ!! 
六本木のど真ん中で、あの難しいピンダロスの歌を歌いあげることは 
お前以外の誰にもできない!!
 
 
本当に全面降伏だよ、黒川さん!!
 
 
 
アポロン『♪――乙女よ、お前はどうしてこんなところに住んでいる? 
      どの一族から引き離された? 
      どの人間がお前を生んだのだ? 
      私の名高い手でお前に触れてもかまわないか? 
      お前のふしどから蜜のように甘い草葉を摘むのは許されているか?』 
 
キュアネ『♪フォイボス・アポローンよ、 
      神々においても、人間においても、甘美な一夜を初めて我が物にするのは恥ずかしいもの。 
 
     ♪実際、虚偽に触れることは許されていないはずの貴方も、 
      甘い衝動に駆られてそのような偽りの言葉を口にした。 
     ♪私の生まれれはどこかとお尋ねになるのか、アポローンの君? 
      物事すべての定められた結末をご存じの貴方が? 
      物事のありとあらゆる道筋を、よく見通しているはずのあなたが? 
 
      だが、聡明なお方の向こうを張れと言われるなら、 
      お話しましょう。 
 
      あなたは私の夫になるべくこの谷間にやってきた――。』 
 
 
勝てないって!こんなのに!!(笑) 
本当は全部知っているのに、童貞で恥ずかしいからウソついて聞いちゃう、っていうこの初々しいアポロン!いやーアポロンにもそんな時期があったんだね! 
それにこの神話はアポロンの恋愛譚にしては珍しく…うん、
珍しくハッピーエンドだ!! 
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
――そんなわけで、一か月に及ぶ、私と黒川さんの戦い、いかがだったでしょうか? 
本当に、黒川さんの歌の魅力を100パーセントお伝えできずにすみません。少しでも私の興奮がお伝えできていればいいのですが…! 
 
 
てなわけで…あーもう29日の朝か…。 
――先に宣言しておく。
明日の5月30日の「彼」の誕生日は…たぶんちょっと遅れる!!だけど、ホラ、時差がね…?日本とギリシャだと時差があるじゃん。10時間くらい。10時間から1週間くらいの時差があるじゃん! 
だからちょっと遅れは許してくれ!サガ様!!今から本気出す!! 
 
くそーどうして5月後半はこんなにいっぱいいっぱいなんでしょう! 
そうか…去年は、アポロンの誕生日5月22日だと思ってたんだよね(笑)、だからサガ様の誕生日まで間があったんだ…。27日と30日て!中3日はキツいだろ!!どうなってんだ… 
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
<補足> 
◆「っていうか黒川さん、なんでわざわざ電話越しに歌ったの?」→やっぱり目の前で歌うのは恥ずかしいから。 
 
◆ピンダロスの歌は黒川リミックスバージョンです。本当はアポロンは直接キュアネを口説いたんじゃなくて、一度半人半馬のケイローンに相談しています。
ほんと童貞ですね。そんなアポロンも微笑ましいです。あと色々スペースの都合で私が短くまとめています、本当は5分くらい延々歌ってたぞ、黒川さん。 
 
◆あーもっと補足することあるよ…!!だけど、日記の字数制限8000字オーバーで書けねえ!無念…! 
 
◆スペシャルサンクス…はなこさんと彼氏さん、お二人のおかげで私たちは六本木駅で迷うことなく待ち合わせできました。あと公園にも…!ありがとうございました!またこんど遊びましょう!! 
 
◆アポローンの君すみません。 
 
 
拍手ありがとうございます! 
コメントもどうもありがとうございました! 
お返事、少々おまちください! 
  
 

 

2009. 5. 30
      サガ様からのプロポーズ

…ギリシャ神話の中で、ペルセポネーがハーデス様と結婚する時、 
彼女の父であるゼウスは、お祝いとして
シチリア島をペルセポネーに贈った。 
 
――それじゃあ今すぐ私にもくれよ。 
サガ様との結婚祝いにシチリア島を!! 
 
5月30日!サガ様のお誕生日の今日!! 
 
…全然予期してなかったんだけど!今日、突然!今、突然!
7月にギリシャに連れて行ってもらえることになりました!!
 
 
――もうこんなの完全にサガ様からのプロポーズでしょ!? 
論理的な思考から言ってそうとしか考えられない!5月30日だぞ!? 
これ新婚旅行のお誘いでしょ!?
 
 
私、花嫁衣裳で行っていいんだよね!?ウエディングドレスのすそをチビッ子たちに持たせ!! 
アテネ空港で「Will you marry me?」の横断幕もって待ってるサガ様の胸に飛び込みながら 
「I do!!」言っていいのよね!?
 
 
あっ…それともまさか…あれか!?5月27日のアポロンの誕生日に、アポロンにお肉とか月桂樹とかお供えしたから、そのご褒美にアポローンの君の方からサガ様に「結婚しろ」と御進言下さったんですか!? 
 
アポローンの君ありがとう!!まじでありあとう!! 
ブーケトスでは絶対アポローンの君の方に向ってブーケ投げるから!!お前も何万年も独身貴族気取ってないで早くいい奥さんもらえよ!! 
 
ああっ、なんかもう全然!!嬉しすぎて意味が分からないんだけど!! 
要するに、 
 
まあ、
たまたま今日、7月にギリシャに連れて行ってもらえる、という話を聞いたと。それだけなんですけど…。 
 
あーーでも、うれしい!すげえ嬉しい!! 
7月のギリシャ!!「で?お前はどこに行きたいんだ?好きなトコ連れってやる!」と言われても、 
行きたい所がありすぎる!!見たいものがありすぎるぞ!! 
アポロンの生まれた島デロス島!! 
スニオン岬のポセイドン神殿に…!! 
 
ああっ、あとエレウシスの隠しダンジョン「ハーデスの洞窟」にも行きたい!! 
それで、私がサガ様の背中に隠れながら、「怖ぁ〜い!サガ様たすけてぇ〜!!」なんつって、 
 
まあ、
神聖な洞窟を恋人たちの肝試し会場なんかに使ったらすげえ怒られるけど。ハーデス様に。 
 
――そんなわけで、今日は急きょ決まった旅行に色々とてんてこ舞いでした。 
 
そうそう、一番大切な言葉を言い忘れていましたが、 
サガ様、カノン、お誕生日おめでとう。 
 
そしてサガ様。私と結婚してくれ
 
私は料理もそんなに上手くないし、まだ学生だから給料の三か月分の結婚指輪も用意できない。 
だけどその代り、一生分の愛情をあなたに渡したい。 
サガ様を世界一幸せな男にしてみせる、だからお願いだ、私を世界一幸せな女にしてくれ!私と結婚して下さい、サガ様!!
 
 
――まあ、ギリシャに一緒に行くのはサガじゃなくて
なんだけどね…。 
 
(まえにサイトで私と一緒にギリシャ行ってもいいぜ〜と仰って下さった方はすみません…今回はふつうの家族旅行になってしまいました。) 
 
 
拍手ありがとうございます!! 
コメントも、どうもありがとうございました!! 
お返事、もう少々お待ちください!すみません〜!!  
 



藤村シシン
古代ギリシャ・ギリシャ神話研究家。
高校で出会ったアニメ『聖闘士星矢』がきっかけでこの道へ。東京女子大学大学院(西洋史学専攻)修了。

◆著書『古代ギリシャのリアル』(実業之日本社)。◆ NHKカルチャー講座講師。◆2020年オリンピック採火式NHK生中継内、古代ギリシャ語同時翻訳。 ◆平成28年 東京国立博物館『特別展・古代ギリシャ』公式応援サポーター。 ◆UBIソフト『アサシンクリード・オデッセイ』公式コラボ ◆古代ギリシャナイト主催。 など。

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2009. 5. 30 サガ様からのプロポーズ
2009. 5. 29 【決戦当日:後半】アポロンの....
2009. 5. 28 【決戦当日:前半】アポロンの....
2009. 5. 27 超取り急ぎだけどお誕生日おめ....
2009. 5. 24 【私が贈るもの】アポロンの誕....

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