|
2009. 7. 19 アルゴスの神話がヤバすぎる+ハーデス様雑感
|
|
(ディオニュソスを殺すペルセウス) ―ギリシャのアルゴス地方に伝わる神話。 メデューサを殺し、アンドロメダを助けた英雄ペルセウス。 かつて彼の国アルゴスに酒神ディオニュソスが女たちを伴ってやってきた。 ペルセウスは彼の勢力を恐れ、 まずディオニュソスの妻であるアリアドネーを殺し、 続いてディオニュソス自身をレルネの沼に沈めて殺害したのだった。 ――…ディオニュソスって殺そうと思っても意外と死なないよ!?神様だし!!なんっだこの神話!?とにかくヤバイ。やばすぎだろ。ペルセウス。なんなんだコイツ…!? そしてディオニュソス、奥さん殺された上に沼で溺死かよ!まったくもって浮かばれないぞこの男!!って話じゃん! とにかくアルゴスに伝わる神話はぶっちぎりでヤバイ!! でも本当にヤバイのはここからなのよ! このアルゴスでは、英雄ペルセウスはハーデス様と同一人物として祀られている…!! ――いったい全体、この二人のどこに同一人物とみなす要素があるんだ!?愛妻家なとこ!? もう全然意味が分からない!めちゃくちゃ!アルゴスの神話めちゃくちゃ!! ――そんな訳で、かなり前からこのアルゴス神話のヤバさが気になってはいたんですが、来週からギリシャに行くので、せっかくだからこのアルゴスの地に足を踏み入れてみたい…!! だって本当に気にならないか!? ペルセウスは、怪物メデューサを殺して、アンドロメダを救った英雄中の英雄!! しかもアルゴスではあのディオニュソスをも殺した男!! それがどうして、冥界で『はぁ…ペルセポネーもいないし…ヒマだし……アリの巣穴観察でもするか…』とかで余生を過ごしてそうなハーデス様と同一人物なんだ?! アルゴスにあるペルセウス=ハーデスの神殿、 そして壺絵に描かれたペルセウスに隠れ兜を渡すハーデスの絵… アルゴス!なにもかもが謎めいていて面白い!! ああ〜っアルゴス行きたいなぁあああ!! 本当にどうしてなんだろうな!? 例えば、穀物神のデメテルと一緒に祀られている英雄に「クリュメノス」という人がいるのですが、 この「クリュメノス」という英雄もどうやらハーデス様の別名らしいんだ!! もう、あんたいくつハンドルネーム持ってるんだ!?って話だよ。 確かに、ハーデス様が本名で呼ばれることはほとんどなく、 いつもこういうハンドルネームなんですよね…、 クリュメノス(=名高き者)、 ゼウス=カタクトニオス(地下のゼウス)… …それで色々考えたんですけど…。 もしかしてハーデス様は、地上で人間を助けた時はいつでも、本名(=ハーデス)を名乗らずに、ハンドルネームを使っていたんじゃないか? 人間「我々を助けて下さってありがとうございます!あなたはいずれの神か、いずれの英雄か?お名前をお教え下さい!あなたの神殿をここに建てます!」 ハーデス様「(え…まずい…私、目立ちたくない…。)いや…名乗るほどの者ではない。」 人間「いえ、ぜひお名前を!!」 ハーデス様「(もう適当に名乗っちゃえ…)じゃあ、え〜と…クリュメノスだ。」 ――とか、「じゃあゼウス。」とか、そういうことが多々あったんじゃないかと思う。 つまり、何が言いたいかというと… 「ペルセウス」。 これもハーデス様が適当に名乗ったハンドルネームの一つなんじゃないか?! アルゴス人「ディオニュソスを殺して下さってありがとうございます!あなたのお名前は?」 こう聞かれて、「ペルセウス」。 そう名乗ったことがあったんじゃないのか、ハーデス様!? つまりつまり、最終的に私が何を言いたいかというと、 「ハーデス」は確かにギリシャでは全然崇拝されていない。 だけど、飛躍しすぎではあるんだけど、「英雄クリュメノス」、「英雄エウブレウス」、そして「英雄ペルセウス」も…もしかしたらみんなハーデス様の別名で、全部ハーデス様の崇拝なんじゃないか? でも、そういう英雄がハーデス様の事を指している、というのは今では誰も覚えていない。だから、 一見ハーデス様の崇拝は皆無に見えても、実際はギリシャ各地にハーデス崇拝はあったんじゃないか…? ――と、アルゴスの神話から本当に妄想が広がってしまうよ!! ペルセウス=ハーデス!! アルゴス人が言うように、本当にそうだとしたらマジで面白いですね!! 「ペルセウス」と「ペルセポネー」の名前の近似性も気になる。 やっぱハーデス様と関係あるっぽいなぁー。 あ、ちなみにペルセウスとディオニュソスはこの後ヘルメスが和解させました。 ヘルメスすごすぎるだろ!!一体どんな言葉をかけたら文字通り泥沼の戦いを演じた二人を和解させられんの!? ギリシャ神話を影で牛耳ってるのはヘルメスなんじゃないか…? こいつ怒らせたら世界崩壊すんだろ多分! そんなわけで、7月22日からギリシャに行ってきます。 ギリシャ史の先輩の山田先輩には、 山田「なんだよー!せっかく7月22日に日食あるからみんなで集まってペリクレスごっこしようと思ったのに!」 私「ペリクレスごっこ?何スか、そのどうしようもなさそうな遊び…?」 ・ペリクレスごっこ…ペリクレスは歴史上のアテナイの将軍。ある時、彼が兵を率いて戦に行く直前に、日食が起こった。兵たちは「神の怒りだ!アポロン神のお怒りだ!」とビビリまくる。 しかし、そこでペリクレスは一喝! 山田「『鎮まれ!日食とは、太陽と地球の間に月が入ることで起こるただの自然現象だ!!神ではない!!太陽などただの灼熱する石だ!!』 …ってやつをみんなでやりたかったんだよ!俺は…!」 私「そっか…ごめん、山田先輩……私、それギリシャの空の上でやってくるわ。」 『太陽は神ではない!太陽などただの灼熱する石だ!進めー〜!』 ――うわ〜〜っ気持ちいだろうなぁああ〜〜!! だけどこの後、アポロンお得意の天然痘が蔓延するんだよ…。それでアテネはスパルタに負けちゃったんだよ…。急いでアポロンの神殿建てたけど間に合わなかったんだよ…。 それのこともあるし、日食は古代では不吉だしで、日食の日に出発ということに対して密にビビってたんですが、この前とんでもなく嬉しいコメントを頂きました。 「日食はアポロン(太陽)とアルテミス(月)が会合する日」…っていう!! こんなロマンチックな表現があったのかよ!!超素敵!! もうわたしはこれで行くわ!!不吉な日じゃない!アポロンとアルテミスが会合する日に私はギリシャに行く!! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ しかし行く前にハリポタの映画だけは見ておきたい…! もうなんでもいいからスネイプ先生が幸せそうに笑ってるとこ見せてくれ!って感じだよ!!あースネイプ先生好きだわ…。スネイプ先生がみんなから愛されるとこ見たいよ!! 飛行機の上でやってるかな… 拍手ありがとうございます!! お返事追って書きます!もう少々お待ちを!
|
|
|
|
|
|
藤村シシン古代ギリシャ・ギリシャ神話研究家。 高校で出会ったアニメ『聖闘士星矢』がきっかけでこの道へ。東京女子大学大学院(西洋史学専攻)修了。
◆著書『古代ギリシャのリアル』(実業之日本社)。◆ NHKカルチャー講座講師。◆2020年オリンピック採火式NHK生中継内、古代ギリシャ語同時翻訳。 ◆平成28年 東京国立博物館『特別展・古代ギリシャ』公式応援サポーター。 ◆UBIソフト『アサシンクリード・オデッセイ』公式コラボ ◆古代ギリシャナイト主催。 など。
お仕事のご依頼: euermo★gmail.com (*をアットマークに変えて送って下さい)
書籍『古代ギリシャのリアル』発売中。 ★よく出てくる宿敵「黒川君」については →【黒川wiki】をご参照下さい。
各種リンク
twitter (基本的にここにいます)
「藤村一味」まとめ (古代ギリシャ、 呪術ナイトなどのトゥギャッターまとめ)
古代ギリシャナイト 歌って踊って喋って祭儀する、古代ギリシャ総合エンターテイメントです
twilog (ツイッターのログ)
(ピクシブ)
私のサイト(ギリシャ神話の創作とか)
|
|
←
2009年 7月 →
|
---|
Sun | Mon | Tue | Wed | Thu | Fri | Sat |
- | - | - | 1
| 2
| 3
| 4
|
5
| 6
| 7
| 8
| 9
| 10
| 11
|
12
| 13
| 14
| 15
| 16
| 17
| 18
|
19
| 20
| 21
| 22
| 23
| 24
| 25
|
26
| 27
| 28
| 29
| 30
| 31
| - |
|
|
|