藤村シシンぶろぐ


 

2009. 9. 30
      …余談ですが、アポロンがアルテミスにプロポーズしたら

 
(アポロンとアルテミスが結婚したらこんな感じかな、という妄想)
 
 
たびたび余談で申し訳ないのですが、昨日テレビでやってた「石田純一がギリシャはミコノス島でプロポーズ!」っていう密着企画、ドキドキしながら見てました。 
石田さんみたいなスカしたプレイボーイでも、「結婚して下さい」って言う時にはあんなに緊張してテンパっちゃうもんなんだなー、と! 
 
そして、いざプロポーズ!って時のアオリ文句、 
『日本最後のプレイボーイ、ついに年貢の納め時!!』にすげー笑いました。 
 
なんかアポロンが結婚する時もそのアオリ文句出そうじゃね!? 
『ギリシャ最後のプレイゴッド、ついに年貢の納め時!!』って!
 
 
 
アポロンが誰かにプロポーズするとしたらだ! 
私はアポロン×アルテミスを推したいので、アルテミスへのプロポーズを考えるが! 
そうだな、こう、アポロンがデロス島のなつめ椰子の下に彼女を誘い出して、 
うっとりするような声色で、 
 
 
アポロン「……アルテミス、覚えてるか…?私たちがこのなつめ椰子の下で生まれた日のこと…」 
 
アルテミス
「…ふざけてるの?覚えてるに決まってるじゃない。あんたが生まれた時は7か月の早生児で、先に生まれた私があんたのお産を手伝ったんだから!(※これはマジ)本ッ当に大変だったのよ!?あんたが出てくるまで!!」 
 
アポロン「…いや、あの…アルテミス…」 
 
アルテミス
「出てきたら出てきたで全然泣かないし!!もうあんたに往復ビンタ喰らわした上、強烈なアッパーをお見舞いしたところでやっと産声を上げて…!!ホンット苦労したのよ!?まあ、あんたは覚えてないでしょうけどね!!」 
 
アポロン
(……まずい…全然ロマンチックなムードにならない…!) 
 
 
――
貞操の女神・アルテミス相手に甘い雰囲気にするのは至難の業だろうけど! 
でも、そこはアポロンの腕の見せ所じゃない!? 
 
アポロン「…思えば私も色々な恋をしてきたが…その度にお前に相手を殺されたりジャマされたりで一つも上手くいかなかった。……一体何だったんだ、あれは?嫉妬か?」 
 
アルテミス「あれは相手の女が、私の大切なに不誠実なマネをしたからよ。当然の報いだわ。」 
 
アポロン「…大切な『弟』、か…」 
 
アルテミス「そうよ。このなつめ椰子の下で、赤ん坊だったあなたをこの手で取り上げた時、私は決めたんだもの。
私があなたを守ろう、って。何者にも傷つけさせない、永遠に私がそばにいてあなたを守っていこう、って。」 
 
アポロン「……姉上…」 
 
 
――で、このあたりで、 
アポロンのプロポーズを草葉の影から見守っていた連中が、 
 
ディオニュソス
(ッ何やってんだよアイツーーッ!!さっさと告れーー!!こっちはレト家のほのぼの家族劇場見に来てるんじゃねぇんだよーーー!!) 
 
アレス
(そのまま押し倒せアポロンーーっ!!話はそれからだーーーっ!!) 
 
 
ヘルメス
(フッ。どうやら「プロポーズは成功しない」に賭けた僕の一人勝ちのようですね。「プロポーズは成功」に賭けたお二方には、あとで1タラントンずつ、耳そろえてキッチリ僕に払ってもらいますからね…。) 
 
ディオニュソス&アレス
((…!!ま、まだだ…!!アポロン頑張れーーーっ!!死ぬ気で頑張れーーッ!!)) 
 
 
 
アポロン「…いつまでも姉貴面するなよ。」 
 
アルテミス「なんですって?」 
 
アポロン「私は、もう姉上に守ってもらわなくても平気だ。…私の方がもう背も高いし。ほら、手だって私の方が全然大きいし。それに、私の方が矢を遠くに飛ばせる。」 
 
アルテミス「それは私が女で、あなたが男だからよ。」 
 
アポロン「そうだ。でもお前は男が嫌いなんだろう?私とは一緒にいて平気なのか。」 
 
アルテミス「それは…あなたは私の双子の弟だもの。いくら無駄にデカくなろうが、私にとってはなつめ椰子の下で泣いていた頼りない弱虫の、手のかかる弟よ。いつまで経っても。…何よ?弟と一緒にいるのはいけない事だっていうの?」 
 
アポロン「ああ、もう!そうじゃなくて…っ!私は、それでは足りないと言ってるんだ!一緒にいてくれるだけでは全然足りない! 
 
アルテミス
「エエッ!?生まれた時から一緒でもう何千年も二人一緒なのに、この上一体何が足りないっていうの!!?」 
 
アポロン「私は男で、お前は女だ!!」 
 
アルテミス
「だからなんだってのよ!?何なの、さっきから!?あッ、さては…私に喧嘩売ろうって腹ね!?いいわよ!さあ、来なさいよ!男なんかに負けないわよ!ドタマかち割ってやるわ!!」 
 
 
アポロン「どんだけニブいんだお前!?この私に全部言わせる気か!?この私に!!この光明の神たる私に!!人間の男のようにひざまずいてお前の愛を乞えと!そう言うのか!?」 
 
アルテミス「…は?愛???」 
 
アポロン
「分かった、ならばお望みどおりにしてやるわ!!この私の散りざま見とけーッ!!!」 
 
――そのままアルテミスの前にズシャァッ!とひざまずき、 
手をわしづかんで、熱い視線で彼女を射つつ!
 
 
アポロン「…アルテミス。私はお前のことを…」 
 
 
…いや、待って! 
そうだ、古代ギリシャの男は
「愛している」とは言わないのよね!! 
古代ギリシャの男が愛を告白するときには… 
そう、こう言うのよ!
 
 
アポロン
「…アルテミス、君の髪を花冠で飾りたい。婚礼の白いギンバイカの花冠で。」 
 
アルテミス「…えっ」 
 
アポロン
「私の妻になってほしい。」 
 
 
 
ディオニュソス&アレス&ヘルメス
「「「言ったァアアアアアーーーーーッ!!!!」」」 
 
 
アルテミス「…冗談でしょ?私は処女神なのよ」 
 
アポロン「処女神なんて他に腐るほどいる。そんなのアテナとかヘカテーとかに任せておけばいい。」 
 
アルテミス「でも……私、処女神でなくなったら、何の取り柄もなくなってしまうわ」 
 
アポロン「お前がすべての職能を失っても、私が必ずお前を守る。それでは不足か?」 
 
アルテミス「……でも」 
 
アポロン「……私も、覚えているよ。このなつめ椰子の下で、姉上に取り上げてもらった時のこと。」 
 
アルテミス「え…?」 
 
アポロン「私が初めて目にした美しい世界には、アルテミス、お前がいた。5月のデロスに輝く太陽と共に、お前は笑っていた。私はその時に決めたのだ。
この美しい女性を私が守ろう、と。」 
 
アルテミス「……」 
 
アポロン
「…結婚してくれ、アルテミス。」 
 
 
 
―――すみません、別にオチとかは無いです。 
ホントにアポロン×アルテミスを推したいだけだった!! 
 
なんというか、
「アルテミスがアポロンを取り上げた」っていう神話が私はとても好きで…。「金のアルテミス、銀のアポロン」の言葉のように、アルテミスが隣にいると、アポロンが一歩下がるような気がするんですよね。この二人の関係が大好きです!! 
そして、
アルテミスはアポロンと結婚しても大丈夫だと思う!! 
アルテミスとヘカテー姐さんなんて、古代ギリシャ人でも見分けつかないくらい役割一緒なんだし、後の事はヘカテー姐さんに一任でいいんじゃね!? 
 
 
 
――とまあ、バカはここまでにして、 
すみません、書いてる途中で思ったのですが、 
ギンバイカの花が婚礼で使われるのはローマだけだったかも…。 
ギリシャはギンバイカじゃなかったかも…。 
 
そう、もうすぐ結婚するローマ史の西野先輩が 
「俺、ローマ式の結婚式にしたいんだ」って言ってて、 
 
西野
「だから、結婚式の時にギンバイカの花冠、初夜の時にザクロの実が必要なんだ。」 
 
 
――私、実生活で「初夜」というワードを使う人を初めて見たので強烈に印象に残ってしまっていたのですが…。 
そう、ローマだと、ハーデス様の神話にあやかって、初めて奥さんが夫の家に来る時、永遠に家から離れられなくなるようにザクロを食べさせる、って風習があるらしいです。 
 
はぁ〜!ロマンチックー!ローマの結婚式!! 
私もサガ様に言われてみたいよ、 
 
サガ様
「ペルセポネーは3粒のザクロを食べて、一年の3分の一を夫と過ごすことになったが…。どうかこのザクロの実を全部食べてほしい。そして一年中、私と共にいてほしい。」 
 
そんで私がザクロをムシャクシャ食う!! 
ってのが理想だろ!どう考えても!!
 
 
ああっ、ローマ史の連中がうらやましい!! 
ギリシャだと初夜って言ったら奥さんの頭を丸刈りにして男装させる夜だからさあ!!(スパルタだけだけど!) 
 
ギリシャ式の結婚式だと、こう、
二人の手をリボンで結んで、一日それがほどけないように…って感じだったと思います。まあそれもロマンチックか…。 
 
 
 
…と、石田さんのミコノスプロポーズを見て 
「タイピングする手が止まらねェエエエ!!」となったので書きなぐってみました。 
あんな「冗談だろ!?」ってくらい手の込んだプロポーズ、本当にいいですね! 
エーゲ海に花火がドッカンドッカン打ち上がった瞬間に大爆笑してしまったが! 
 
 
…とまあ、今こんなこと考えてる場合じゃないのですが…!! 
くそッ、現実を直視し、乗り越えた者のみが!妄想に興じる資格を得る…ッ!! 
ってなわけで、しばし過酷な現実と戦ってくるぜ!私の愛するサガ様とギリシャ神話のためにッ!! 
 
黒川さんとの横浜死闘、もう少しお待ち下さい! 
がんばって、まとめているところだぜ…!! 
 
 
拍手ありがとうございます! 
お返事はメニューの「re」のところです。
(〜9月21日分まで) 
  
 



藤村シシン
古代ギリシャ・ギリシャ神話研究家。
高校で出会ったアニメ『聖闘士星矢』がきっかけでこの道へ。東京女子大学大学院(西洋史学専攻)修了。

◆著書『古代ギリシャのリアル』(実業之日本社)。◆ NHKカルチャー講座講師。◆2020年オリンピック採火式NHK生中継内、古代ギリシャ語同時翻訳。 ◆平成28年 東京国立博物館『特別展・古代ギリシャ』公式応援サポーター。 ◆UBIソフト『アサシンクリード・オデッセイ』公式コラボ ◆古代ギリシャナイト主催。 など。

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