藤村シシンぶろぐ


 

2010. 12. 1
      理性の神 vs 愛の女神:アポロン×アフロディーテ…を推したい!
そしてまだ終わってなかった!誕生日テロ(予告)

※ちょっとアダルトです。 
 
――デルフォイのアポロン神殿。午前2時。 
就寝中のアポロンは、自分の上にのしかかる重みで目が覚めた。 
 
画像 
 
アポロン
「………。…アフロディーテ…お前…人の腹の上、スッポンポンで何をやっているのだ……?」 
 
アフロディーテ「…残念。もう起きちゃったのね。」 
 
アポロン「……こんな時間に何用だ…?すぐ出て行け、ここは私の神殿。巫女以外は女人禁制で…」 
 
アフロディーテ「…こうなったら単刀直入に言うわ…
アポロン、私のオッパイを揉んでちょうだい。」 
 
 
アポロン「……おっぱい?」 
 
アフロディーテ「そうよ。――ほら、こんな風に。どう?どんな感触がする?」 
 
アポロン「…あのな、アフロディーテ……確かに私は医術の神だが…、
乳がんの触診検査なら、息子の医聖アスクレピオスの所に行ってくれないか。夜間もやってるから。 
  
   ……では、おやすみ。」 
 
 
アフロディーテ「バカッ!あなたってホンット鈍いのねッ!!乳がん検査なわけないでしょ!?この私が、美の女神アフロディーテが、胸を触って欲しいって言ってるのよ!?」 
 
アポロン「美の女神だろうが何だろうが女なら乳がん検査はした方がいい。このアポローン、医神として助言する。年に一回は必ず行け。いいな。 
 
  …まあその話なら、明日アスクレピオスにゆっくり聞いてくr…」
 
 
アフロディーテ「美の女神がここまで誘惑してるのに何で分からないのよっ!!
セックスよっ!!私、あなたとセックスがしたいのっ!!」 
 
 
アポロン「は?…セックス?」 
 
 
アフロディーテ「分かったらホラ、さっさと揉みなさいよっ!!話はそれからよっ!レディにここまで言わせるなんて酷い男ね…!」 
 
アポロン「……すまん、話が全く見えないのだが…なぜ、私がそなたとセックスするのだろうか。」 
 
アフロディーテ「もおおーっ理屈ばっかりで嫌味な男!いいわ、あなたはそのまま寝てらっしゃい。私が勝手にやらせてもらうから!」 
 
アポロン「うわッ!?ちょ、ちょ、ちょっと待て!!どこ触ってるっ!?」 
 
アフロディーテ「…フフ、意外とウブで可愛いのね。大丈夫よ、3分で終わらせてあげるわ」 
 
アポロン
「バッ…私がそんな早いわけ…! 
 
   ――うあ…っ!?なッ…何してる、お前…ッ!?」
 
 
 
アフロディーテ「何って…あなたのを、なm…」 
 
アポロン「…落ち着こう!とりあえず落ち着こう!!;話せば分かるッ!!」 
 
 
アフロディーテ「もう!せっかく盛り上がって来たところなのに…!何よ、話って。」 
 
アポロン「――はあっ、いいか、アフロディーテ。私とそなたは、昨日までこれと言って仲良くも無い間柄だった。」 
 
アフロディーテ「そうね。」 
 
アポロン「饗宴で会っても、お互い
『今日も素敵な髪型ですね』的な社交辞令を交わす程度。年賀状も『今年もよろしく』一言のみだった…ここ1000年くらい。」 
 
アフロディーテ「その通りね。」 
 
アポロン『オリンポス十二神、全員言えるかなクイズ』では、お互い最後に名前を思い出せるか出せないか、という…そんな間柄だった。 
 
   ――ここまではいいな?」 
 
アフロディーテ「ええ。」 
 
アポロン「では、それがなぜ今日になっていきなりセックスという話になったのだろうか。」 
 
 
 
アフロディーテ「……。だって…。だって、ヘルメスが…」 
 
アポロン「…。……ヘルメス?」 
 
アフロディーテ「そうよ!ヘルメスが、昨日私に言ったのよ!!――」 
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
 
 
ヘルメス『…あなたって、こんな風に誰でも誘惑できますけど、アポロンは例外なんですか?』 
 
アフロディーテ『…何ですって?』 
 
ヘルメス『だってそうでしょう。僕やアレス、ヘパイストス、ディオニュソス、ゼウスの息子は全員味見してるでしょ?アポロン以外は。やはり、理性の神にはキュプリアの技は通じないんですか?』 
 
アフロディーテ『そ、そんな事…』 
 
ヘルメス『…ふうん?愛の女神にも、誘惑できない男が居るんですねぇ。』
 
 
・・・・・・・・・・・・・・・ 
 
アフロディーテ「…
『愛の女神でも、理性の神は誘惑できないんだ。』…あのマセガキ、私にそう言ったのよ…!!この私に!こんな屈辱ってないわ!!」 
 
アポロン「……なるほど。あい分かった。あのクソガキは私の方からキツく叱っておくから、今日はもう帰……」 
 
アフロディーテ「何いってるのよっ!!分かったならさっさと続きをしましょうって言ってるの!分かんない男ねッ!」 
 
アポロン「エッ!?うわ、くっつくな!」 
 
アフロディーテ「確かに、私はあなたの好みのタイプじゃないかもしれないけど…でも、こっちは愛の女神としての沽券に関わってるの!!」 
 
アポロン「いや、ちょっと、」 
 
アフロディーテ「でも言っとくけど、私だってあんたなんか全然好みじゃないんだからね!アンタなんかただのナルシストの処女厨じゃない!!」 
 
アポロン「分かったから、止め…」 
 
アフロディーテ「いつまでも未練がましく初恋の女(月桂樹)なんて頭に戴いちゃってさ…!それで女が喜ぶとでも思うの!?そんなの、ただの自己満足よ!男のエゴよ!」 
 
アポロン「……おい、少し落ち着いて…」 
 
アフロディーテ「何よ!冷静ぶっちゃってさ!!男なんてみんなそうよね!普段冷静ぶるくせに、いざとなるとただの性欲のカタマリなのよねっ!!あんただってそうでしょ!!」 
 
アポロン「…落ち着いてくr…」 
 
 
アフロディーテ「あんたに男根がついてるんじゃなくて、男根にあんたが付いてるんじゃないの!?フンッ!!」 
 
アポロン「ああ、ああ、分かった分かった。そなたの言う通りだ。
私に男根が付いてるのではない、男根にこのアポロンが付いているのだ。 
 
  ……どうだ、これで少しは落ち着いてくれるか?」
 
 
 
アフロディーテ「…!ああっ…違うのっ!こんな話ししにきたんじゃないの…!!うわぁあああん!!違うのに〜〜〜!アポロン〜〜〜!!ごめんなさい〜〜〜!」 
 
アポロン「ああ、分かってる分かってる。 
 
     …はあ、あまりひっ付かないで貰いたいものだ…私の理性にも限度が…」 
 
 
アフロディーテ「…えっ?何か言った?」 
 
アポロン「いや別に。」 
 
 
アフロディーテ「…ねえ、私、あなたが愛したどの女よりもイイ女だと思わない?……ダフネーと私だったら、どっちが綺麗?」 
 
アポロン「……もちろん、そなただ。」 
 
アフロディーテ「じゃあ、コロニスと私だったら?」 
 
アポロン「…この世界にそなた以上に魅力的な女はおらん。」 
 
アフロディーテ「じゃあ、なんで私のおっぱいを揉もうとしないのよ!?言っとくけど私の胸、
Η(エータ)カップよ!?ねえ、ちゃんと見てる!?」 
 
 
アポロン「……っ、ああ。見てる。」 
 
 
アフロディーテ「…じゃあ、やっぱり、理性の神は愛なんかに屈しないって事なのね…?これだけ誘惑してもダメだもの。」 
 
アポロン
「いや、言っておくが私は愛には敗れっぱなしだぞ。皆さんご存じのとおり。愛の連敗街道驀進中だ。」 
 
アフロディーテ「そんなの嘘よ!さっきからおっぱいグイグイ押しつけてるのに、あなた全然じゃない!ねえ、私にムラムラ来ないの!?」 
 
 
アポロン
「…アフロディーテ。…私はな、 
 
    愛には負けっぱなしだが、性欲に負けた事は無いのだ。」
 
 
 
アフロディーテ「……」 
 
アポロン「フッ…どうだ。これが理性の神だ。」 
 
アフロディーテ「…なによ、それ。…変なの!フフ」 
 
 
アポロン「落ち着いたか。」 
 
アフロディーテ「うん…ありがと。…ねえ、今日はここに泊って行ってもいい?
何もしないから。」 
 
アポロン「それは普通男のセリフだと思うんだが。とにかく、そんな格好では冷える。私の布団の中に入れ。風邪でも引かれたらどうせ治すの私だしな。」 
 
アフロディーテ「そうするわ。……あなたって、近くで見ると本当に美男子よね。見た目だけは私、嫌いじゃないわ。」 
 
アポロン「よく言われる。」 
 
 
アフロディーテ「あと、中身はいけ好かない性格だけど、でも、私は、嫌いじゃないかもしれないわ。」 
 
アポロン「よく言われる。」 
 
 
アフロディーテ
「あと、オチンチンもすごく可愛いわ。」 
 
アポロン
「よく言われる。」 
 
 
アフロディーテ「…あと、今度
『オリンポス十二神、全員言えるかなクイズ』があったら、」 
 
 
アポロン「うん?」 
 
 
 
アフロディーテ「――あなたの事……10番目くらいに思い出してあげても、いいわ。」 
 
 
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
<翌朝> 
 
ヘルメス「――やあやあ、おはよう!アポローンの君!昨晩はアフロディーテとお楽しみでしたね!!」 
 
アポロン「表へ出ろ貴様。貴様のふざけた一言のおかげで、こっちは危うくアフロディーテに犯されかけたんだぞ!!?」 
 
ヘルメス「…ん!?
『犯されかけた』…!?って事は……何も無かったんですか!?まさか!」 
 
 
アポロン「私の母の名に誓って、何も無かった。多少なめられた程度だ。」 
 
ヘルメス「…嘘でしょ…!?だって僕の情報筋では、彼女、昨日あなたの神殿に泊った、って…!しかも全裸で…!」 
 
アポロン「それは真実だが、全裸で二人で夜通しディベートをしていただけだ。」 
 
ヘルメス「ディベートって…何の…!?理性の神と愛の女神が、一体何を話し合うっていうんです…!?」 
 
 
アポロン「そうだな…、まず最近の若い男女の性の乱れについて。それから、
女性専用車両は是か非かとか…。色々議論したぞ。」 
 
ヘルメス「し、信じられない…!!世界一の美女が一晩中全裸で隣にいて、あなた、一切手を出さなかった、と…!!?」 
 
 
アポロン
「フッ、見たか。これが理性の神だ。」 
 
 
ヘルメス
「変態ーーッ!!あんた筋金入りのド変態です――ッ!!」 
 
 
 - FIN - 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
 
――私、この二人大好きです!! 
世界一の美男 × 世界一の美女、 
何者にも崩せぬ鉄壁の理性 × 誰もを誘惑できる魅力…!
 
 
逆にエロい事とか起きなさそうじゃね…!? 
アポロンの理性が焼き切れない限りは…!!
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
 
――さて、と。 
 
それじゃあ、一体なぜ今こんな浮かれたセリフ小説を書かせてもらったのか…問題はそこだ。
 
 
まず何というかこう、私の中の理想の、「完璧な女性像」ってアフロディーテなんだ…!可愛いけど色っぽくて、ワガママだけど許せちゃうんだ!不二子ちゃんみたいな…! 
そして、私の理想の「アポロン像」って、拙いけどこんな感じなんだよ…!!
苦悩する理性の神なんだよ!!愛には屈するけど、性欲には屈しない、そんな男なんだよ!! 
 
――じゃあ、その理想の「アポロン像&女性像」が一体何に関係するのかというとだ…!!
 
 
…先日、私事ながら誕生日を迎えたのですが、 
先の日記にも描いた通り、「アポロ計画」とか、黒川さんからのTシャツとか、 
すっげえ嬉しいものをたくさん頂いたわけですけども…… 
 
 
……察しのいい方はもう感づいたかもしれませんが… 
 
 
…まだ終わってなかったぜ…!! 
 
 
 
色居+はなこ+黒川から、そして、「偽りの詩」の凍月さんから、もうひとつずつプレゼントを頂いた…! 
頂いたんだが!! 
それが、どんな言葉をもってしても言い表せないくらい凄まじいものだったのよ…!!
 
 
この一週間私は考えた! 
どう書いたら、あの恐ろしいプレゼントを、あの興奮を再現できるのか、どうしたら…この喜びを誰かに伝える事ができるのか…!! 
 
 
そして考えた結果がこれ…! 
まずは日記で「理想のアポロン像&女性像」を書くこと…! 
これが次の日記に繋がると私は信じる…!!
 
 
どうか覚えていてくれ…!! 
私の理想のアポロンは!!私が永久就職したいアポロンは… 
こういうアポロンなの…! 
こういうアポロンなのよーーーッ!!
 
 
 
そして今はただこう言わせてほしい! 
どうぞ次の日記をお楽しみに、と…! 
 
色居+はなこ+黒川から、凍月さんからの誕生日プレゼントをどうぞご期待下さい、と…! 
 
みんな、めっちゃ驚くぞ!!?
  
 

度々申し訳ない、黒川です。
どうしても一言言わせて欲しい!

「愛には負けっぱなしだが、性欲に負けた事は無いのだ。」

これ古代ギリシア語として言えば――というよりアポロンの言葉だとすれば、

「エロス(魂の愛)には負けっぱなしだが、アフロディーテ(肉体の愛)に負けた事は無いのだ。」

ということですよね?
貴女はそういう意味として使っていますよね?
――だとしたらこれは絶対にルビを振った方がいい!僕には確かにそのルビが見えた。しかしながら目に見える形で振るべき…話の流れとしても、アポロンの言葉としても!
..12/2 1:02(Thu)

黒川さん>――黒川…神。何それ…アポロンかっこよすぎだろ…!?

「エロス(魂の愛)には負けっぱなしだが、アフロディーテ(肉体の愛)に負けた事は無い」

これをアフロディーテ本人に言ったって事…!?
アポロンかっけええええーーー!!


すまん、自分で書いたのに、私にはそのルビ見えなかった…!!(笑)
だけど確かにそう!そうだ、そういう事だ!!

ただ私としては、「性欲」に「アフロディーテ」というルビを振るのはちょっと抵抗がある…。
これが「肉体の愛」とか、「性愛」ならいいけど、「性欲」となるとちょっとニュアンスが違う気がするのだ…。
アフロディーテに失礼っつーか…、そんな事ないかな…?


いずれにせよ、それはアポロン自身が性欲をどう定義しているかによるな!
つまり、アポロンが「アフロディーテ」をどう捉えてるかに!!
(笑)

でもそのルビは絶対振らせてもらいたいッ!!
ご指摘超ありがとうございました!
..12/2 1:35(Thu)



藤村シシン
古代ギリシャ・ギリシャ神話研究家。
高校で出会ったアニメ『聖闘士星矢』がきっかけでこの道へ。東京女子大学大学院(西洋史学専攻)修了。

◆著書『古代ギリシャのリアル』(実業之日本社)。◆ NHKカルチャー講座講師。◆2020年オリンピック採火式NHK生中継内、古代ギリシャ語同時翻訳。 ◆平成28年 東京国立博物館『特別展・古代ギリシャ』公式応援サポーター。 ◆UBIソフト『アサシンクリード・オデッセイ』公式コラボ ◆古代ギリシャナイト主催。 など。

お仕事のご依頼 euermo★gmail.com
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書籍『古代ギリシャのリアル』発売中。




★よく出てくる宿敵「黒川君」については
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2010. 12. 23 【後半】最高のアポロンドリー....
2010. 12. 22 【前半】最高のアポロンドリー....
2010. 12. 01 理性の神 vs 愛の女神:アポロ....

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