エペメリス・シシナス・フジムラス


 

2010. 3. 23
      【前篇】狂気のホワイトデー!!完全にあの男は狂ってやがる!!
〜黒川からのトドメの一撃:「世界で一番聞きたかった音」〜

――もう色んなイヤな予感はしてたのよ。 
 
色居とはなこのギリシャ神話で興奮させられまくって、 
文字どおりの廃人状態で…。 
しかも、「SECRET BASE」の星彦さんとすげえ楽しいアポロントークをしたり、(後述)、 
本当にものすごい一週間で…。 
 
…だけど、もうひとつ何か起こるんじゃないか、って。 
ギリシャ神話関係の何かがもう一つ起こって…私は本当に殺されるんじゃないか…。 
 
 
――まさにその通りだったよ。 
とどめの一撃は…まったく別の所から振り下ろされた…!! 
 
そして!!私はこの一週間で自分がイカれてることに十分気付いていたが!!もうこれだけは言わせてもらいたい!!あの男は完全に狂ってる!!!! 
そう…私を最後に殺したのは…やはりあの男だった……!!
 
 
 
――前の日記の通り、この一週間は興奮しずぎで全く眠れなかった私。 
ようやく眠れそうな感じになって、昨日9時に就寝したものの、 
 
――その1時間後の午後10時。 
 
 ブルルルル、ブルルルルル…… 
 
私はある一本の電話でたたき起こされた。 
 
 
私「…んんん〜……はいぃ、もしもしぃ…?誰ぇ……?」 
 
黒川『黒川です。ああ、よかった、やっと出てくれた。
ここ3時に閉まっちゃうんで、出て下さらなかったらどうしようかと思いました。』 
 
私「…黒川…さん…?あれ…気のせいか番号が違った気が…?気のせい…?てか、え…?『3時』…??え?今何時??私、そんなに寝てたかな??」 
 
黒川『寝ぼけないでください。そんな状態のあなたを倒しても僕はちっとも勝った気がしませんよ。』 
 
私「…倒す…?…え……黒川さん…今日はどういったご用件で…?」 
 
――この問いかけに、黒川はふっと鼻で笑って曰く、 
 
黒川『この前は素敵なバレンタインデーをありがとう。遅くなりましたがホワイトデーのお返しを持ってきました。』 
 
「…!!!?」 
 
このタイミングで…!!!!? 
私が色居とはなこのギリシャ神話に興奮させまくられて 
心身ともに疲れのピークが来ている…このタイミングで…!!? 
ホワイトデーのお返し…!!?
 
 
私「ま…待って…待って下さい…!お願いです…!!ちょっと今、ギリシャ神話に関することが立て続けに起こってて…
これ以上、神話関係の何かが来たら私…!!お願いですから、ちょっと落ち着く時間を…」 
 
黒川『だめです。これは今しかできないんです。』 
 
「もう、何なの…!どいつもこいつも揃いも揃って…!!で!?一体なんなのさ!!?」 
 
黒川
「藤村さんが世界で一番聞きたい音」をご用意いたしました。」』 
 
 
――「私が世界で一番聞きたい音」…? 
 
黒川『そんなわけで、お聞きください。』 
 
――この言葉とともに、電話口から聞こえてきたのは、 
 
 
 …ザザッ!!ガサ…ガサガサ…ザーー!!…カサカサ…… 
 
 
黒川『――どうでしたー!?きれいな音でしょー!?』 
 
「なんなの今の汚ねえ新聞紙みたいな雑音は?どこが『私が世界で一番聞きたい音』なんだよ?バカにしてんの!!」 
 
黒川『…僕、あなたに今の音を聴かせるために、この世界の西の果てまでやってきたのに…そのお言葉ですか…!』 
 
私「え…?」 
 
黒川
『あなたの一番聞きたがっていたゼウスの神託ですよっ!!ゼウスの神域の樫の木のざわめきですよ!!!?どうしちゃったんですか、藤村さん!!?』 
 
え…ちょっと待って…? 
 
――「世界の西の果て」?「ゼウスの神域の樫の木」? 
 
いつもと違う黒川の電話番号…。 
 
そして、今は10時なのに「3時」…?
 
 
 
私「……。……黒川さん……
今、どこにいるんですか?」 
 
 
黒川『ギリシャです。』 
 
はあああああああああーーーーー!!!!? 
ギリシャーーー!!?
 
 
「ギリシャ…!?え…!!?ええええっ…!!?ってことはこれ、
ギリシャからの国際電話!!?はああっ!?ああああーーー!!?」 
 
黒川『ふっ、やっと頭回ってきましたね。』 
 
「…『ゼウスの神域』!『世界の西の果て』!!…ドドナか!?ドドナのゼウスの神託所か!!?」 
 
 
黒川『「ドドナの樫の木にゼウスは座す。樫の木のざわめきにゼウスの声を聞く。」…! 
 
――そう、今僕が立っているのは、
ギリシャ最初の神託所にして最期の神託所!!ドドナのゼウスの神託所です!!!』 
 
↓黄色のマーカーのとこ!! 
 
 
私「ええ…っ!!?えええーーっ!!?ちょっと待っ…ああっ、頭回んない…!!ちょっと待って、おかしい…!!これはおかしい!!!」 
 
だって『一回のプレゼントは3000円まで』!! 
このルールはどこに行ったんだ!!? 
どうやってギリシャまで3000円で行ったんだよ!!?
 
 
黒川『いえ、ギリシャに来る事はバレンタインの勝負の前から決めてましたから。その証拠に、あの時に会った時、僕、ヒゲ伸ばしてたでしょ?』 
 
私「…???ええ…確かにヒゲ伸ばしてましたね…『なんかいつもより小汚いな』と思いましたから…」 
 
黒川
『あれはギリシャでケツを掘られないために伸ばしていたんです!!ギリシャにヒゲのない日本人男性が一人で来るとホモに狙われやすいですから!!』 
 
バカな―――!!!!? 
そうか…!!山田先輩もギリシャに行く時は確かにヒゲ伸ばしてる…!! 
あぁああああ!!あああああああッ!!!!!バカなぁああーーー!!?
 
 
私「じゃあ…ギリシャに行く事は決めてたのに…私には言わなかった、って事…!!?まさか…
バレンタインに手ひどくやられる事を見越して…!!?」 
 
黒川『ええ!!ギリシャに来るのは前から決めてたが!!ただ、僕がこのドドナに来たのは!あなたへの嫌がらせのためです!!』 
 
私「!!」 
 
黒川『前に山田先輩がドドナに行った、という話を聞いてあなたは本当にうらやましがっていましたからね!
「一度でいいから、神聖なあの樫のざわめきを聞いてみたい、ゼウスの声を心行くまで聞いてみたい」そう仰ってましたよね!!』 
 
「…あ…っああ…ああああ…!!」 
 
黒川
『だから僕は!国際免許をとって、車を運転し、はるばるこの西の果てまでやって来た!!そして、風が樫の木をゆらすのを2時間ほど待っていたのです!!』 
 
 
「…狂ってる…!!お前、狂ってるよ…!!!」 
 
黒川
『そして!僕は勝負に使える3000円という上限を!全てこの国際電話に使う!!!!』 
 
「!!」 
 
黒川『日本までの電話料金は1分200円!!僕はこの15分間に…全てをかける!!』 
 
私「…ちょ、待っ…!!」 
 
黒川『ゼウスの神託は、素足じゃないと貰えないんですよね!!オッケー、
すでに靴を脱いではだしになってますよ!!そして「黒いハト」ですが…今、僕、真っ黒の洋服着てるんで!!完璧ですよっ!!』 
 
「…待って…もうだめ…興奮しずぎて心臓が痛い…っ!待って…!」 
 
黒川『それでは、残りの10分間、ゼウスの神託をご堪能下さい!!』 
 
 
  ――ザーーッ…サワサワサワ…ザザ…ザザーッ。 
 
私「…ああ、もう…もう…こ、こんな事って…こんな事って…!!」 
 
 
  ――ザワザワザワ…ヒューッ…ザザザ…… 
 
普通、こんなことする…!!? 
…ちょっと待って、これ、この男がイカれてるの? 
私の方がおかしいの??それとも私も黒川も狂ってるの!? 
どれなの!?どれが正しいのっ!!?
 
 
  ――ヒューーッ…ザワワ…ザアアーーッ!…ヒューッ 
 
…しかも…、一週間前の私なら、確かにこのゼウスの樫の音は 
「世界で一番聞きたい音」だったんだけどね……。 
 
この一週間で、私、ゼウスの息子さんを凌辱しまくってたから!! 
アポローンの君に凌辱の限りを尽くしてたから…!!
 
ぶっちゃけ今一番顔を合わせづらい人なのよ!!ゼウスは!!「お義父さん、すみません…」ってやつなのよ!!!
 
 
 
  ――ザワザワザワ…ザアアアアーーーッ!!ザア…!!ザザザー!! 
 
もうこの樫の音が私に対する非難の声にしか聞こえない…!! 
すみません…ゼウス、すみません…!!あなたの最愛の息子を凌辱してすみません…!!
 
 
  ――ザザザザー!!ザザザーー!!ザァーー!! 
 
…もうだめだ…こんなのがあと10分も続いたら確実に狂う…!! 
 
私「あの…黒川さん…!もう、いいです…!!もう十分ですから…!…黒川さん?」 
 
  ――ザアアーー!!ザザ〜〜ザザザーーー!! 
 
……もしかして…携帯電話を樫の木に向けちゃってるから、 
私の声聞こえてない…?? 
 
「く、黒川さん!!もういいです!!黒川さーーん!!返事してーーっ!!黒ー川ーさぁーーーん!!」 
 
  ――ザワ!ザワワワワワーーー!!…ザザーー!! 
 
 
「黒川さあああああーーーーん!!黒川さあああーーーんっ!!!助けてーーーっ!!お願い電話出てーーっ!!出てえええーーっ!!黒川さあーーーんッッッ!!!」 
  
  ――ザワワワワーーー!ザザッザザザザ〜〜!!ビューー!! 
 
私「……ふっ…ふふふふ……なんかすっごいおもしろくなってきた…フフフフ…!!」 
 
  ――ザーーーッ!!ザザザッザーーー!! 
 
「…ハハハハ!!あはははははは!!もうだめ…!!なんかもうだめ…!!アハハハハ!!…ゴホッ!ゴホォッ!!ぅおええええっ!おええええっ!!!!」 
 
 
※後半に続く!!  
 



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