藤村シシンぶろぐ


 

2010. 5. 8
      黒川さんのギリシャ土産が神すぎて泣いた…
+前回の話の補足

――……今まで黒川さんからは色んな物を頂いてきましたけど…… 
今までは…ずっと…月桂樹とか糸杉とか歌とか… 
そんな基本的にどうしようもない物ばっかりだったじゃん… 
 
反則!!こんなん絶対反則だから!! 
冗談ぬきで!ウソなし誇張ゼロで…私は鼻血を噴いた!! 
今回ばっかりは…!
鼻血をジョバジョバたらしながら「黒川さん…ありがとう…」だったんだ!!!本当に!! 
本当に…!!黒川さん…ありがとう………!!!!
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
 
――先日ギリシャから帰国した 
私の永遠のライバルこと黒川さんですが、 
 
黒川「そうそう、藤村さんにギリシャのお土産があるんですが……最初に宣言しておきます。あなた、めっちゃ喜びますよ。
これれはおそらく藤村さんが今一番欲しいものです。僕、自信があります。」 
 
私「……!!?」 
 
い、いつも慎重な黒川がここまで自信に満ちているということは… 
まさか…!!? 
 
「何…まさか本当に『アポロンとお医者さんごっこができるセット』!!?」 
 
――そう、3月29日のつなビィに書いたとおり、 
私は医神アポロンが薬として用いたであろうアイリス根その他を 
お土産として黒川にリクエストしていたのですが!! 
 
「私、アポロンとお医者さんごっこするのが夢ですから!!それを買ってきてくれたんですね!!?そうでしょう!?」 
 
……この私の予想をフッっと鼻で一笑に付すと、 
 
黒川「…違うでしょう。あなたの夢はそんなことじゃないはずだ。」 
 
私「えっ…!?」 
 
黒川「あなたの本当の夢はアポロンとお医者さんごっこをすることじゃない!!アポロンと一緒に世界を救うことでしょう!!アイアコスがそうしたように!!」 
 
――その言葉と共に私の眼前に投げ出された、 
 
 
 
紙の束…!! 
 
私は…私は自分の目を疑った…!!! 
なぜなら、その一枚目に刻まれたタイトルが…!!
 
 
 
 
『アイギナにおけるアイアコス王家の研究』…!!?」 
 
!!!これ… 
これ、私がずっと読みたかった本だ…!!でも…日本国内じゃ絶対に手に入らない本のはず…!!日本のどこにもない本のはず!!!!!
 
 
 
黒川
「アテネ大学にありました。」 
 
アッ―― 
 
 
 
アテネ大学ッ―――!!!?
 
 
「貴様…どうやって…!!?」 
 
どんなキャッツカードを投げ込んで侵入したんだよアテネ大に!!? 
 
黒川人聞きの悪いことを言わないで下さいッ!!普通に合法的手段で入って、合法的に一部分コピーしてきたんです!!」 
 
私「……ええっ……えええええ…!!!」 
 
 
 
ちょっ…と待って…!!! 
こんな事って…あるのかよ…!! 
私が一番読みたかった本を…!ギリシャのアテネ大学でコピーしてきてくれたというのか…!!! 
私が一番読みたいアイアコスの本を!!!
 
 
私「黒川さん…私…アイアコスが好きなんです。ギリシャ神話で一番好きな人なんです…!」 
 
黒川「ええ、そうですね。」 
 
 
あのね、ギリシャ神話でね…!! 
ヘラクレスとか、テセウスとか、アキレウスとか、 
武器を持たせたら強いとか、戦いで負けなしっていう英雄はたくさんいるんだ!! 
 
だけど、だけどアイアコスは一度も武器をとらなかったんだよ! 
一度も剣をとらずして、ギリシャを三度救ったんだ!!アポロンと共に…!!!
 
 
アポロンとのあの信頼関係…! 
親友、相棒、パートナー… 
うまく言えないけど、あの神と人との信頼関係!! 
私は本当に憧れるんだ…! 
 
私「私はアイアコスが本当に好きなんです…!」 
 
古代のギリシャで!! 
デルフォイのアポロンの競技祭の勝者には、月桂冠が授けられるんだけど!! 
勝者がその月桂冠をどうしたと思う…!!? 
 
「みんな、その月桂冠をアイアコスの神殿の玄関にかけに行ったんだよ…!!」 
 
アポロンの神殿とアイアコスの神殿を華やかな勝利の行列で結びながら!! 
アイアコスにアポロンの月桂冠をかぶせに行ったんだ! 
 
私、今でもそれをやりたい!!
 
 
アポロンもきっと待ってるよ!! 
アイアコスに月桂冠を手渡してくれる誰かを! 
ずっとずっと待ってるよ!!
 
 
私「それだけアポロンに信頼されるアイアコスが私はうらやましい!!本当に本当にうらやましい…!!」 
 
ああ、アイアコスは冥界で裁判官やってけどさ!! 
絶対ギリシャ人も
「自分を裁くのはアイアコスだ」と思ってたから勇敢に死んで行けたんだと思うよ…!! 
 
本当に、どんな男だったんだろう、アイアコスは!! 
アポロンから信頼され、武器も持たずに人間も神々も屈服させたその人は…!!
 
 
「黒川さん……ありがとう……!!!」 
 
 
黒川「いや、実はもう一つアテネ大でコピーしてきた物があるんです……これなんですけど、」 
 
 
 
 
黒川
「アポロン神殿の設計図です。これはギリシャじゃないと手に入らないかと思いまして……」 
 
「………。」 
 
 
黒川「…あれ?もしかして、もう持ってましたか?これ、あなたが一番好きなアイアコス神殿の隣にあったアポロン神殿の設計図なんですけど…」 
 
ここで私は…、 
 
 
私「………」 
 
………
ブッ。 
 
リアルで鼻血を噴きました。 
 
 
黒川
「ウワーーーー!!!?ちょ、ちょっと!!!あんた人がせっかくコピーしてきた物に何鼻血たらしてんですか!!!?」 
 
「黒川ふぁ〜〜〜ん!!黒川ふぁぁあああ〜〜〜ん!!!!はりがとぉおっ〜」 
 
黒川
「ちょ、ちょっと、すごい勢いで出てます!すごい勢いで鼻血出てますよ!!!藤村さん、テッシュは!?」 
 
「わたひテッシュ持ってない〜〜黒川ふぁああああ〜〜ん!!はーりーがーとー〜!!」 
 
黒川
「あ、じゃあこれ僕のテッシュ使ってください!!ぼ、僕で良ければ首の後ろをトントンして差し上げましょうか!?」 
 
「黒川ふぁあああああーーーーん!!!!」 
 
ああ、黒川さん…!!! 
 
アイアコスは武器もなしに誰の心も掌握したけど…!! 
ああああだとしたらアイアコスはこんな男だったんじゃないの!!!? 
 
アイアコスは黒川さんみたいな人だったんじゃないの!!!?
 
 
 
――……今まで黒川さんからは色んな物を頂いてきましたけど…… 
今までは…ずっと…月桂樹とか糸杉とか歌とか… 
そんな基本的にどうしようもない物ばっかりだったじゃん…!! 
 
こんな有益すぎる物をもらったら私どうしたらいいんだよ!!? 
私、何も返せない…!!これに匹敵する物を私、返せない…!!! 
 
ああ、だけど!!だけど、 
次のアポロンの誕生日の時には…!!黒川さんの家の玄関先に行く!!! 
 
ギリシャ人がアポロンから授かりし月桂冠を 
アイアコス神殿の玄関にかけに行ったように!!
 
 
私も黒川さんの玄関に月桂冠をかけに行くよ!!! 
その道のりを華やかな行列でつなぎながら!!
 
 
 
 
ありがとう…黒川さん…!!!! 
 
 
↑アポロン神殿の設計図。私の鼻血がベットリなのでここでご紹介はできませんが…! 
 
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
 
そしてちょっと前回の話の補足ですが!! 
 
そう、黒川さんが
「デルフォイのアポロン神殿が小さすぎる。」と言ったことに対して、私はずっと不思議に思っていたのですが、 
 
ようやく彼の言葉の意味が分かりました。 
 
この男、昔トルコのアポロン神殿に行っています。 
 
トルコのディデュマにある、デルフォイよりも古く壮麗なアポロンの神託所を見ている…!!!
 
 
トルコのアポロン神域ってあれでしょ…!? 
長さが17キロメートルあるんでしょ!!? 
 
で、その道の両側にアポロンの神像がビッシリ並んでて、
「もう死ぬほどアポロンのフィギュアがダブってる」って感じなんでしょ!!?
 
 
しかも、トルコのアポロン神殿の柱は、
 
 
 
↑このデルフォイの神殿の柱の2倍の高さがあるんだろ!!!? 
 
そんなの見た後だったらどんな神殿もショボく見えるに決まってるじゃん!!!
 
 
黒川「子供のころに家族でトルコに行ったんですよ。記憶がおぼろげですが、その時に見たアポロン神域がとてつもなく広大で…。 
 
もう地平線の先までアポロンの神域なんじゃないか、ってくらいで…壁も柱も高くてね…これぞアポロン、っていう荘厳さで…。」 
 
 
ああ、それがアポロン神殿の原風景として心にあったのか、黒川さんは…!! 
だけど、それを聞いて私はとてつもなく行きたくなった…最も壮麗なディデュマの神託所に…!! 
ギリシャ本土よりも古いアポロンの崇拝地に…!!
 
 

大きな地図で見る 
 
ディデュマのアポロンの神託所はさ、顧客が
エジプト王とかだったから、すごいお金があったんだよ!ギリシャの貧乏貴族と違ってさ…!! 
 
だから、ご本尊のアポロン像にものすごいカラクリが仕掛けてあって… 
 
アポロンが動いたのよ!!! 
すごくない!?アポロン像が動く、っていうカラクリが像自体に仕掛けてあったんだぜ!!
 
 
もうどんだけ金が有り余ってんだよ!! 
と思うと同時に、
どうしようもなくアポロンへの愛を感じてしまうんだ…!! 
 
みんな、本当に
「動いているアポロン」が見たかったんでしょうね!! 
生き生きと動いている、生きたアポロンが…!! 
本当にアポロンへの愛を感じてやまないわ…!!
 
 
アポロンがアジアびいきなのも頷ける…! 
そしてそんなアポロンの神託所に私も行ってみたい!! 
 
私はデルフォイのアポロン神殿ですら「すげえデケェ」と思ったから、そんな「地平線の果てまで続くアポロン神殿」なんか見ちゃったら…! 
ああ、本当にどんな心境になるんだか…!! 
 
ああトルコに行きたい…!アポロンが愛した土地に行きたい…!
 
 
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
――そんなわけで、黒川さんのギリシャ土産には手も足も出ないカンジでした。 
ほんと、これはすごいんじゃないのか、実際…!! 
アポロン神殿の設計図は見た事なかったので本当に感動しました…! 
 
で、最近日記とかが更新遅いのは、このすごすぎるギリシャ土産に触発されて、真面目にアイアコス漫画を描いているからです…。 
もう今描かなきゃダメだ!と思ってずっとペンを止めてた漫画を頑張って描いております…。 
 
そんなわけで、日記更新ペースもゆっくりになっております、すみません! 
 
 
そして、今日はこれから、「宝瓶宮へといたる道」のエレニさん、「SECRET BASE」の星彦さんと、「ルーズリーフ」のふたばさん、「Garden of Delights」のそらのはなこさんらと 
横浜のポンペイ展+「タイタンの戦い」+ギリシャ料理を堪能する会に行ってきます!! 
 
なんという豪華メンバー…!これが神々の集いか!! 
まじ楽しみです…!! 
 
 
拍手ありがとうございます!! 
お返事は3月26日分まであります!
  
 

ディデュマの神殿も一応ギリシャ人が建てた物だと思うのでうすが
原風景が唯一の物だと後で苦労するのを黒川さんは体験されてたのですね、
確かに古代でもディデュマは観光地で規模が違いますし(違津てた??)
でも本土のギリシャ人も信仰心は負けて無い筈。
僕、個人の意見ではディデュマと本土では役割が違うと思うので
その役目に応じた造りにしてるのだと考てえます

あぁ、黒川さん素敵過ぎるvv 
彼女の好みを日々観察し抜群のタイミングで与えるなんて!!
彼氏にしたらとても楽しく有意義な時間が過ごせそうですね(笑)
黒川さんの彼女が羨ましい
..5/10 1:51(Mon)



藤村シシン
古代ギリシャ・ギリシャ神話研究家。
高校で出会ったアニメ『聖闘士星矢』がきっかけでこの道へ。東京女子大学大学院(西洋史学専攻)修了。

◆著書『古代ギリシャのリアル』(実業之日本社)。◆ NHKカルチャー講座講師。◆2020年オリンピック採火式NHK生中継内、古代ギリシャ語同時翻訳。 ◆平成28年 東京国立博物館『特別展・古代ギリシャ』公式応援サポーター。 ◆UBIソフト『アサシンクリード・オデッセイ』公式コラボ ◆古代ギリシャナイト主催。 など。

お仕事のご依頼 euermo★gmail.com
(*をアットマークに変えて送って下さい)


書籍『古代ギリシャのリアル』発売中。




★よく出てくる宿敵「黒川君」については
【黒川wiki】をご参照下さい。



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2010. 5. 21 後半】対黒川・アポロン誕生日....
2010. 5. 20 【前半】対黒川・アポロン誕生....
2010. 5. 12 【リハーサル】アポロンの誕生....
2010. 5. 08 黒川さんのギリシャ土産が神す....

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