『願はくは花のもとにて春死なむ その如月(きさらぎ)の望月の頃』 ※如月の望月=2月15日。お釈迦様の命日。 「願わくば(お釈迦様の命日である)2月15日ごろ、満開の桜の下で春逝きたい」 そう詠んだ西行が来世へ旅立ったのは2月16日。 旧暦の2月16日は今の太陽暦になおすと3月20日。 まさに母が旅立ったその日だった。 おりしもこの日の満月は 「エクストラスーパームーン」と言われる19年ぶりの大きな満月の日だった。 実家ではその満月に大きな光の輪(月暈)が現れていて 導師様が西行の話をされた後、月の話もされていた。 母の眠るような穏やかで白い顔を見ていると 「なんとも不思議な気がする」と。 そう、母は私にとってはまさに菩薩の様な人だった。 遠く離れて暮らしていても、常に大きな優しさと大きな愛情で私の心にいた。 いつかは訪れる親との別れ。 その「時」はもっともっと先であって欲しいと願うのが子の気持ちでもあるが 父が亡くなって7年、病気との闘いだった母・・・・ 特にこの3年間は何度も入退院を繰り返し、何度も救急車で運ばれる日々だった。 身体も心も苦しんだであろう3年間。 これでようやく楽になれたのかなとも思う。 母の戒名は「妙玄院香温和親大姉」 生前の母にぴったりの戒名を頂いている。 母は生前に自分で戒名を用意し、そして意識を失って倒れたその朝には お仏壇に線香を1本、綺麗に真っ直ぐに立てていた。 何もかもが定められた光の道の上を歩いていたような気さえする母。 亡くなってもなお、私の心に大きく在り続ける。 しっかり生きろと、頑張れと。 今までそうだった様に励まし続けてくれる。 ありがとう、お母さん。
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