毎年この季節になると、友が自宅で出来た柿をみかん箱いっぱい持って来てくれる。 その柿が今年は全く無いと言う。 柿の花が咲く時期に毛虫が大量発生したせいで実が減った上に、収穫時期を見計らったように、それらもひとつ残らず無くなったそうだ。 おそらくハイカーがもぎ取って行ったのだろうと言う。 来年からはきちんと柿の木が所有物であること、勝手に採るのは窃盗であることを記した立て看板を立てるように言った。 友が言う。 「取ったのがアライグマや猿なら文字読まれへんからなぁ」 そうだった、友は以前に畑のサツマイモを根こそぎ盗まれて立て看板を立てたことがあるのだ。 しかし翌年も全部取られた。翌々年も。 おかしいと思って近所に人に聞いたら、それはイノシシの仕業だと言う。 「3年イノシシに看板立ててた。あいつら文字読まれへんわなぁ」 それから畑に電気柵を取り付け、それからは被害が無くなったそうだ。 イノシシは木には登らない。今年の柿が無くなったのは別の動物の可能性もあるけど、彼らは跡形もなく採っては行かない。齧った食べカスが落ちているのだそうだ。 綺麗さっぱり無くなっているということは、人の可能性が高いようだ。 誰もいない荒地に生えた柿の木にも持ち主があるのだ。 山を歩く人も、その山が誰かの所有物であることを自覚してほしい。 私の秋の楽しみがなくなるじゃないか!
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