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松村由利子さんファンのみなさん、こんにちは。
松村由利子さんはNTT出版から『お嬢さん、空を飛ぶ』を上梓なさいました。 たくさんの資料とアメリカまでの取材を重ねた飛行機の草創期をめぐるルポルタージュです。 名著として名高い『与謝野晶子』を執筆中に与謝野晶子評論集の目次に「ス嬢の自由飛行を観て」というタイトルに興味を惹かれ調べだしたのがきっかけだったとか。
海外旅行に行くのに飛行機を利用するのは当たり前になったけれど、その飛行機を操縦するパイロットが女性であることを当たり前と受け取る人は少ないように思う。
まして、飛行機の歴史にさかのぼり、女性パイロットが自由に空を飛んだことや、与謝野晶子の時代を前後してアメリカ人女性パイロットが来日して曲芸飛行したこと、その時代の日本人が熱狂的に歓迎したことなど、知るすべもなく、知る機会もなかった。
そこに注目し、自らの取材を駆使して女性パイロット(キャサリン・ステインソン嬢)の草創期から現代の女性宇宙飛行士までの趨勢、時代の風潮、文学者たちへの影響、新聞社と飛行機の関係、空を飛んだ女性記者たち、大空をめざす人たちへと書かれたこの本は、誰も一度ならず幾度も「空を飛べたならどんなにいいだろう」という思いの原点を思い出させてくれ、それを実現させた人たちの物語だといえるでしょう。
「へ〜え、大正時代の女学生が英語や日本語で女性パイロットキャサリンさんにファンレターを出していたんだ〜あ」 「それを大切に保管していた影にはこんなひとがいたのね」 などと驚きの声をあげながら読んでしまった物語でした。
面白いエピソードが多いので、ぜひ多くの皆さんに読んでいただきたいです。
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