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 [1032]   彩遊紀の紀   .. 2025/11/15(土) 12:54 
◆ 宮尾登美子の文章
皆さん今晩は、彩遊紀の紀です。
四国の旅であこがれの四万十川に行き、川下りをしました。四万十川と言えば高知出身の宮尾登美子さんが小説やエッセイでよく書かれています。私は宮尾登美子さんの流れるような情景描写のちょっと長めの文章が好きです。ビジネス文書はできるだけ短い、端的な書き方が要求され、また最近の小説では会話文が多いためもあり短い文章が多いですが、宮尾登美子さんの文章は流れるような格調の高い文章で、文庫本の2〜3行でやっと句点(。)がくるという長い文章ですが、私にとっては読んでいて気持ちのいい文章です。
「左手に連なる北幡の山系、右下に流れる四万十川の上流、九十九折にうねった白い埃の道、集落もない無人の辻にところどころ斜めにつったっているバスの標識に、長生、権谷口、枡瀬、今成、とつぎつぎ目で追いながら、ここが既に高知県分であることに、小杉は何となく感動めいたものを覚えている。」(「湿地帯」より)これで一文です。でも長めの文章と言っても、樋口一葉の文章のような長すぎるのもちょっと大変で、樋口一葉の文章は文庫本の1ページでやっと句点が出てくるという長い長い文章で、しかも明治時代に書かれた古文調でちょっと読みにくく、私は何回も挫折しました。私はやはり宮尾登美子の文章が好きです。

 
 

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