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 [707]   彩遊紀の紀   .. 2019/10/19(土) 18:00 
◆ 台風19号の被害は防げなかったのか
皆さん今晩は、彩遊紀の紀です。
先週の台風19号。我が家は無傷でしたが、多くの地域が水害の被害に合いました。このニュースをテレビで見ながら「なぜ毎年堤防決壊という間違いを繰り返し、国民の命を守れていないのだろうか」と思います。堤防も電気やガス、鉄道などと同じインフラであり、経済学者である宇沢弘文先生のいうところの社会的共通資本であり、それは国民の税金で賄われるものだと思うのですが、マスコミは消費税にしても税金を取ることに反対をしています。税金を払わないで、社会的共通資本を増やせとは言えませんよね。もう一つ今回の洪水で感じたのは、自然の驚異は人間の考えることを超えるということです。前の台風15号では、電信柱が沢山破壊されましたが、東京電力の規定では電信柱の耐力は40mの風力に耐える設計だったとのことで、風力60mという自然の力はそれを超えてしまったのです。洪水も100年に一度の雨量を想定しているとのことですが、実際にはそれを超えた雨が降りました。欧米的考えでは土木工事を「最大これだけに耐えられるように作る」という自然征服的な考えですが、日本の昔の考えは「自然の力は計り知れないから、それに順応して設計をする」というものだそうです。有名な釜無川の堤防の「信玄堤」は水量に耐えられるように堤防を築くのではなく、人間が考える一定水量を超えたら堤防の一部から水を逃がすことで、大規模な決壊が起こらないようにしたとのことをで、これは明治以降の先の欧米の自然征服法ではなく、人間の考えを超えた場合にはどうするかということを考えた遊水による治水方法だったということを読んだことがあります。すなわち今東京都が進めている大規模な地下遊水地の考えもそれだとのことです。また東日本大災害での津波被害でも、その後、できるだけ高い堤防を作って高い津波にも耐えようとしていますが、やはり同じ本に昔の津波対策の堤防の一つである由比ガ浜の「和賀江の堤」は海岸よりはるか先に平たい石を積み上げ、一時的に波の力を弱めて、直接大きな波が堤防に加わらないようにしていて、この堤は景観的にもいいものだそうです。気象庁が叫ぶ「今までに経験したことのないような雨風」という言い方は人間の考え以上の自然力にどう対応するかということであり、このような事態に対して日本的な考えをもう一度振り返ることも必要なのではないでしょうか。
 
 

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