[855] 彩遊紀の紀 .. 2022/06/11(土) 19:30
◆ 花の色はうつりにけりな
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皆さん今晩は、彩遊紀の紀です。 関東地方が近畿や九州より早く梅雨入りするというのは珍しいことのようで、毎日鬱陶しい日が続いています。でもこの梅雨の時期は紫陽花の花を楽しめる時期でもあります。今週の一週一絵に描いたヤマアジサイ:紅などは、白からピンク、そして赤と花びらが変化していき、楽しめる花です。昔小野小町が「花の色は移りにけりないたずらに・・・」と花の色の変化を自分の美貌の変化になぞらえて歌によみましたが、このヤマアジサイの色の変化を見ていると、その歌が思い出され、白い色からピンクに、そして濃い赤に変化する様子が、女性が少女からだんだん変化していくということに例えてみることも確かに見えるなぁとも思えます。でも紫陽花だけでなく、いろいろな花の変化をみていても、女性の変化だけでなく、少し枯れていく様を見ると男性が定年を迎え、ついには自分の役目を終えて後輩に道を譲る様とも思えます。でも昔、私が定年になった年に、ローマ(正しくはバチカン市ですが)でミケランジェロが描いたシスティナ礼拝堂の天井画を見た際に、説明の方が「この絵はミケランジェロが60歳から描き始めて5年間かかって描いたのです」という説明を聞いて、日本では60歳になったら定年で隠居というのが当たり前のように言われていたのに、ミケランジェロは60歳からあの大仕事をやったのだというのを聞いて涙が止まりませんでした。そんなこともあって定年後、もう一度絵をやろうと、この彩遊紀のサイトを立ち上げ、個展もやって自分の絵を見てもらおうと思い立ちました。移つろいゆくということをネガティブにとらえないことも必要ですね。
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