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  お寺が機能してません

[3749] 田舎の檀家です
[3766] 天台沙門
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[3792] 天台沙門

Name: 田舎の檀家です
Date: 2010/08/16(月) 10:33   No:3749
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Title: お寺が機能してません    
寺院関係者様、教えて下さい。

私達のお寺は関西の田舎にあるのですが、住職と副住職が高齢の為に余り檀務が機能されていません。

具体的に言いますと、住職の体調が良くないのでここ数年のお盆やお彼岸の御参りも、まともに読経が出来ませんし檀家の不幸事でも葬儀こそすれどもお通夜の参加は有りません。

副住職は奥さんなのですが、最近は認知症的な行動が目立って来て被害妄想が激しいのです。その為に境内の整備や清掃はもとより檀家さんとトラブルが続いています。

お寺には息子さんは無く、後の住職さんはいません。
壇務のお手伝いで若いお坊さんがこれまで数名お越しになりましたけども、住職と副住職とのトラブルで続きません。

私たちが拝見する限り、若いお坊さん達の方が真面目にお勤め下さいますし住職と檀家さんの取りまとめを行って頂けたのですが・・・

檀家規則(宗教法人規則?)ではお寺の住職が亡くなったら本山から新しいお坊さんが来てくれるのでしょうか?
それとも、副住職が昇格して住職になるのでしょうか?

ここの副住職は認知症が入って来てますので、昇格されても今の住職以上にお寺の壇務がこなせないと思います。

檀家には毎年お寺の会計が公表されますが、お寺の維費持や檀家の扶助活動費とお布施額が一致しません。

お布施の総額から寺院活動費を除いた金額は事実上の住職夫婦の収入だと思うのですが、総代会で所在を明らかにするのは可能でしょうか?

私たち檀家は以前お手伝いに来て頂いた若いお坊さんにお寺に戻って来て欲しいのですが、住職と宗派が違うらしいのです。

檀家の総意で次の住職さんを決めたいのですけど、本山と掛け合わないと無理でしょうか?

仮に住職が一時不在になっても近隣のお寺へお願いすれば、今の檀那寺の檀家としてご供養して頂けるのでしょうか?

いつ住職が亡くなってもおかしくないので、年忌法要とかが出来なくなった場合の事が解りません。

もちろん今の住職夫婦も高齢ですので檀家一同で後の面倒は支えて行きたいとは考えています。

質問ばかりで申し訳ありませんが、良い方策が有れば宜しくお願いします。



Name: 天台沙門
Date: 2010/08/18(水) 09:26   No:3766
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Title: Re:お寺が機能してません    
総論としては、ご相談のご寺院が所属している宗派の総本山ならびに都道府県単位に設置されている機関に、住職の代務者を決めてもらうよう請求なさることができます。多くの場合、寺院には寺単位の組織である「組寺」という制度があり、また僧侶には師弟関係を中心とした「法類」という制度があります。ご相談のような場合、「組寺」のうちで御住職の「法類」である方に、住職の代理を務めていただくことが、いちばんスジの通った話になります。

ただし、ご相談の場合、住職の奥さんである副住職さんに問題(認知症を原因とする被害妄想)があるとのことですから、この方が「他人に寺を乗っ取られて、自分たちは追い出される」という「被害妄想」をもっておられるならば、法類や組寺に代務を依頼するという段階から暗礁に乗り上げているのかもしれません。

なお、貴寺が所属する「○○宗」の本山があるのならば、他宗派の僧侶を住職にすることは不可能です。


以下、天台宗の場合を例にとってご説明しましょう。

Q1 現住職の後継者の決定方法は?
A1 寺院すなわち宗教法人の寺院規則によりますが、@現住職の指名によって A天台宗務総長の承認を得て B天台座主猊下の任命による、ことになっています。副住職がいる場合、後副住職が昇格して住職となることが暗黙の了解とされています。これは後継住職の決定に混乱を生じさせないためです。宗派によっては「住職は副住職からの昇格のみ」というところもあるようです。
貴寺の問題については、住職・副住職のご両名ともに職務執行能力が欠けていらっしゃるようなので、早急に同宗派の近隣寺院の住職さんに代務者になっていただくべきでしょう。(註1)

Q2 寺院会計を総代会で明らかにするのは可能か?
A1 可能です。というよりも、年次会計は関係者(すなわち檀信徒および関係寺院住職など)が閲覧できるようにすることが『宗教法人法』に定められています。ちなみに、寺院という法人の支出のうち、人件費の一部が役員報酬という形式で住職(代表役員)の収入となるのが一般的ですが、住職が副業収入を寺院に寄付することで経済的に成り立っている寺院もあります。(註2)

Q3 檀家の総意で次の住職さんを決めたいのだが?
A3 とりたてての問題はないでしょう。ただし、その場合でも最終決定権は檀家の側ではなく僧侶の側に存在します。この場合の「僧侶」は、現在の住職ご本人ということではなく、問題のご寺院が所属している宗派の最高意志決定機関に属するということです。A1に照らせば、檀家の相違で指名された僧侶が、宗派によって承認され、その宗派の最高位の僧侶(天台宗なら天台座主)によって任命される、ということです。他宗の僧侶を住職にできない理由は「宗派によって承認」という点にあります。(註3)


Q4 住職の一時不在の場合の法務は?
A4 いうまでもなく、私的な海外旅行や公的な本山駐在といった予定されている一時不在の場合は、住職本人が代わりの人の手当をしておくのが社会人としての常識です。また、住職の急病などの予定されていない一時不在の場合は、前述の「組寺」や「法類」の住職さんがサポートするのが業界の仁義ということになっています。


Q5 もちろん今の住職夫婦も高齢ですので檀家一同で後の面倒は支えて行きたいとは考えています。
A5 ありがとうございます。


註1:まれに一寺一宗派の単立寺院が存在しており、この場合には組寺や法類や本山は存在しえないので、代務を依頼する先は宗派を問わず近所のお寺ということになる。
註2:住職さんに「寺は住職個人の物」という意識があると、(檀家としては正当な権利である)帳簿の公開を求めただけでトラブルが発生する。
註3:「檀家管理の寺では法務はできない」として住職への就任を断る人は少なくないので、住職の報酬や身分に関することを率直に話し合って事前に文書化して信頼関係を作っておく必要がある。


極論ですが、御住職が遷化なされれば葬儀をどうするかという喫緊の問題が発生し、その際には前述の法類や組寺という組織が実務を動かすことになります。そうなれば自動的に、後継の住職をどうするか、という話題も出てきます。


Name: 田舎の檀家
Date: 2010/08/20(金) 16:26   No:3775
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Title: Re:お寺が機能してません    
〉天台沙門様

ご丁寧なご説明有難う御座います。
クリアーする課題が多い事が判りました。

先日、この相談以後もお寺の住職を除いた総代と世話人が非公式で集まり話を持ったところです。

過疎になりつつ有る田舎と言う事もあって檀家総数が少ないのも悩みのタネです。

何をするにしても一檀家あたりの負担金が大きくなるので、この数年も土砂加持の法要が先延ばしになったりするのが現状です。

これは我々と言うより、言い難いですが檀家さんの中には昨今のお寺(住職・副住職)への不信感でお寺へこれ以上の負担は掛けたくないと言う檀家が居るもの現状です。

私たちとしてはそうは言っても高齢の住職夫妻をほっとく訳にもいかないので、面倒を見れるだけ見ようと考えてはおりますが、総代や世話人が交代した時にそうなるかも頭が痛いところです。

法類って制度が有るのですね安心しました。
施餓鬼やお花祭りの時に来てくれる近隣のご住職さん方の事ですよね?

でもイマイチ宗派の意味が理解出来ないのですけど、私達のお寺と近隣のお寺は宗派が違うみたいです。

私達は真言宗なのですけど、いつもお花祭りとかに集まっていただけるお坊さんは真言宗の高野山ですが私達のお寺は京都が総本山だと聞いてます。

真言宗なのに何処が違うんでしょう?
本山が違うと宗派が違うって事で理解したら宜しいのですよね。

早く新しい住職さんが来て欲しいとは思いますが、先ずは壇務が止まらない事を願ってます。

お寺さんのお葬式には莫大な費用が掛かるそうですね。
それと新しい住職をお迎えする儀式もそうだと聞きました。

これをきっかけにお寺さんと関係を断つ檀家さんが出てくるかも知れないと思うと頭が痛い話です。

先祖代々お世話になってますが、村の若い人達も自分達の生活の方が重要ですから。


Name: 天台沙門
Date: 2010/08/22(日) 12:35   No:3792
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Title: Re:お寺が機能してません    
Q1 施餓鬼やお花祭りの時に来てくれる近隣のご住職さん方の事ですよね?
A1 そう、ご理解いただいて結構です。

Q2 私達のお寺と近隣のお寺は宗派が違うみたいです。
A2 無理をしてでも同じ宗旨のご住職を呼ぶか、呼ばずにお一人(ご寺族だけ)で法要をなさるところもありますし、お互いに宗派を問わずお招きあわれて一定の人数はそろえようとお考えの方もあります。

Q3 本山が違うと宗派が違うって事で理解したら宜しいのですよね。
A3 そうです。京都に本山のある真言宗諸派ですと、智積院の「智山派」・醍醐寺の「醍醐寺派」・東寺の「東寺真言宗」など、たくさんありそうですね。

拝読しただけの印象ですが、宗派はさておき「真言宗」という大枠での関係があってる施餓鬼などに出仕いただけているようですから、その伝手で貴寺と同じ宗派の本山の相談窓口を紹介いただけるでしょう。


Q4 お寺さんのお葬式には莫大な費用が掛かるそうですね。それと新しい住職をお迎えする儀式もそうだと聞きました。
A4 これは一概には言えません。正直な話をいえば、葬儀にしろ新住職就任式(晋山式)にしろ、出てくれる僧侶方が「義理ごと」ということで手弁当ですべての法務をこなしてくれるならば、普通の人の葬儀や法事と変わりません。

Q5 これをきっかけにお寺さんと関係を断つ檀家さんが出てくるかも知れないと思うと頭が痛い話です。
A5 ご心労お察しします。……私の法縁の寺でも、ご住職が亡くなられ次の方がやっと決まったというところですので、それまでのご不安は想像できます。





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