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  家解体の不安

[5063] どりー
[5068] 天台沙門
[5070] どりー

Name: どりー
Date: 2014/03/10(月) 10:03   No:5063
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Title: 家解体の不安    
迷った時に頼りにさせて頂いております、よろしくお願い致します。今回家の解体に対しての不安です…。実家が借地を地主に返す為に家を解体します、実家は私の母方で私の父は養子です(昨年亡くなりました)、そしてその解体する家は元を辿ると私の祖母の実家であり、祖母は結婚して実家をでましたが戦災で住むところを無くし、嫁ぎ先(私の名字)家族でこの家に出戻り暮らし続けていた家らしいです。で、祖母が女兄弟のみで男が無くて祖母実家を継ぐものが無く、その流れのその家で私は生まれました。その家を間もなく母の希望で取り壊してしまう事が何とも不安です。祖母実家をさかのぼればその家にどれだけの人が生まれては亡くなりの想像もつかない程の沢山の方の魂が宿っていると思います…、その家を壊す権利が母にあるのか疑問で身勝手傲慢の様な気がしました、そしてその旨は当初から両親に伝えてはいましたが通りませんでした。もう決まってしまってる事で、近づくにつれて不安が高まります、何か今自分にできる事が無いか、祖母実家の魂に対して行う正しい方法等が無いか、どなたかお教え頂けます様、何卒宜しくお願い申し上げます。


Name: 天台沙門
Date: 2014/03/15(土) 09:37   No:5068
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Title: Re:家解体の不安    
某政令指定都市に所在する寺を預かる天台を宗とする者の立場から。

貴殿の「家の解体に対しての不安」とは、いわば先祖霊の神聖所が解体されることへの無念さと言い換えることができます。したがって、解体工事に際し何らかの宗教儀礼を行ってもらい、そこに参加することをお勧めします。その儀礼は神式でも仏式でもかまいません。解体工事の安全祈願でも、ご実家をそのものを仏像と見なしての発遣供養でも、家を建てさせていただいていた堅牢地神への報恩供養でも、なんでもよいでしょう。



仏教の本質は「縁起説」にあります。
哲学的に言えば「全ての事象は直接・間接の原因・結果という関係性の中に生じる現象である」ということで、これは日本の文化においては「諸行無常」や「空」という言葉で表現されます。具体的には、家という物理的構造物(=果)はなにごとかの必要性(=因・縁)によってたまたま存在しているだけで、その因が失われれば家が失われるという果も自然なことであるわけです。それだけではなく、万人が信じている「たましい/霊魂」という存在も人間関係という因と縁によって生じる個人の内的な現象(=果)であって、固定した実体をもつ存在ではないということが仏教の正統的思想です。
さて。
借地を返還するときにその上の建造物を撤去することは、少なくとも現代日本社会では貸方借方の共通認識(=縁)です。そこに家を建てることを目的とした借地契約という「因」により、契約終了時(=縁)には家を壊すという「果」が定められたということです。ですから「その家を壊す権利が母にあるのか」は逆に言えば「借地を利用する権利(=因)により母には家を壊す義務(=果)が生じた」ということになります。
ひるがえるに、御母堂を「身勝手傲慢」とする貴殿の感情の基底には「家への執着」があるのではないでしょうか?



仏教の修行の目的は常住なるものへの執着からの解放といえます。
上記の通り、家という物理的構造物は常住たりえませんし、また、タマシイも個々人の人格的紐帯が本質であってやはり常住たりえません。そういった、常住たりえないものからの解放のための思想が縁起説であり、実践過程が仏道修行または宗教儀礼であるといってよいでしょう。葬祭儀礼は生き残った者が亡くなった方への執着から解き放たれることが目的です。

そこで前述の宗教儀礼の実施と参加をお勧めする、ということになるわけです。


Name: どりー
Date: 2014/03/15(土) 21:50   No:5070
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Title: Re:家解体の不安    
天台沙門様、又有り難いお教えを頂き誠にありがとうございました。先日に母親が依頼して、地域の神社の神主様に来て頂き、お祓いの式を行って頂きまして私も参加致したところでした。神主様からも天台沙門様と同じ様に有り難いお言葉を頂き、自然に涙が出ました。平日だったのですが、たまたま中学一年の私の長男のクラスが学級閉鎖になり、長男も一緒に式に参加する事ができ、結果的に非常によかったと思っております。天台沙門様のお教えで又心が救われました、本当にありがとうございました。




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