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Name: 星
Date: 2016/07/14(木) 22:40
No:5337
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Title: 俗名葬式で成仏するのか?
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お坊様にお尋ね致します。 特にわが家が真言宗のため、真言宗のお坊様にお尋ね致します。 私は葬儀社に勤めているのですが、最近、俗名で葬式をする方が多いです。 葬式を俗名で行った場合は、成仏できるのでしょうか? 俗名で位牌は開眼できるのでしょうか?
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Name: 天台沙門
Date: 2016/07/26(火) 10:56
No:5341
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Title: Re:俗名葬式で成仏するのか?
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真言さんからのご回答がありませんので、質問者さんには不本意でしょうが某政令指定都市に所在する寺を預かる天台を宗とするものの立場から。
建前としての戒名は仏弟子になったことを示す宗教名ですが、本質的には死者の名前です。 例えば「源義経」が、牛若丸・遮那王・九郎(御曹司)・判官(伊予どの)など、名を変えている通り、日本人はライフサイクルにあわせて名を変えていました。その伝統のなかで、死者に名を与える(諡号を贈る)という行為が「戒名をつける」ということになったと理解できます。 私個人は、人類文化史という観点から戒名とは名の形態をとった墓碑銘である、と考えています。
Q1 葬式を俗名で行った場合は、成仏できるのでしょうか? A1 できます。 肉体という制約から自由になった「たましい」は大日如来という「宇宙の真理」と一体化しますから。
Q2 俗名で位牌は開眼できるのでしょうか? A2 できます。 前述の「墓碑銘」は死者の人格を表す文言であり位牌そのものは死者の人格の象徴物ですから、墓碑銘に記されるべき死者の人格を表す表現として生前の姓名を採用したにすぎませんから。
※
ただし、伝統的宗教儀礼を経ない場合、ご遺族をはじめとする生者が「死者は成仏できた」とか「死者は死んだ」と納得できるかどうかは別の問題です。
伝統的宗教儀礼というものは、生者が死者の死を受け容れる/乗り超えるために経験的に確立された文化的行為です。儀式化されているということは、マニュアル化・フォーマット化されているということで、つまりはその行事に参加することで無意識的に死を受け容れる/乗り超える行為を営めるということになります。 しかし宗教儀礼がない場合には、意識的に死を受け容れる/乗り超える行為を行なう必要があり、これはなかなか難しいのではないでしょうか。
以上、ご参考までに。
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Name: 星
Date: 2016/07/28(木) 07:51
No:5343
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Title: Re:俗名葬式で成仏するのか?
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天台沙門様、分かりやすく説明していただきありがとうございました。 ご縁をいただき、ご指導いただけましたこと、感謝申し上げます。
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Name: 真言僧
Date: 2016/09/30(金) 11:55
No:5407
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Title: Re:俗名葬式で成仏するのか?
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天台沙門様が丁寧に回答されて居りますが、真言宗の引導作法(葬儀)に就て解説と共に戒名とはどの様なものかを教示出来ればと思います。
各宗派によりまして、葬送するお浄土も違います。浄土門は阿弥陀如来の極楽浄土、真言では大日如来の密厳浄土など。其の為、作法から差違が在ります。
【真言宗に於ける引導作法】 ※近年は通夜と本葬儀が合同が多いので、区別せず纏めて記載します。
肉体を離れた魂は謂わば、浮遊して留まる事を知りません。其処で位牌に鎮める際に開眼を致します。
其の後、導師は剃髪式を位牌に向かい行います。戒律やお経を授けたり(導師が唱えたものを霊に復唱させる観念を持って行います)して、僧侶になって戴くのです。故に戒名は法名になる訳です。
我々、僧侶が在俗の名前では修行が出来ないかと問われればそんな事も無いとは思いますが。仏門に於いて、出家得度はとても重要な儀礼です。其の身のまま新たに生まれ変わると云う切替としても戒名は有るに越した事はありません。
戒律を授け終れば阿闍梨になって戴く為、導師を務める阿闍梨が継承した大日如来から自分に至るまでの歴代僧侶の名前を紹介して血脈をお渡しします。また、秘密の印をお授けしたりします。
真言宗は三密(身、口、意)を整える修行をして、即身成仏をする教えです。身体に印を結び、口に真言を唱え、意(こころ)を三昧地に住す。この三密を授ける為に僧侶に成り、段階を踏んで授け、其れを個々に行じて貰い成仏して戴きます。また、回忌法要は此岸から応援する様なものだと認識されたら間違い無いです。
戒名の有無は、上記の内容から質問者様がどう感じるでしょうか?仏門に入るお御霊の為を思い金銭では無い所で計られると良いかと思う次第で御座います。
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