皆さん今晩は、彩遊紀の紀です。 先日上野の森美術館でやっていた「五大浮世絵師展」で、葛飾北斎の「浪裏富士」の本物を見てきました。よくネットや本で見るきれいな版画より、紙の色も絵もちょっとくすんでいて江戸時代の名残のある絵で、でもそれが本物を見たという実感になりました。その際にショップで「葛飾北斎の生涯と作品」という画集を買ってきましたが、その中に、浪裏富士を描いた20年前に「賀奈川沖本杢之図」という作品があり、浪裏富士とよく似た砕ける大波の絵がありました。浪裏富士は左から大波が砕けていますが、この本杢の絵は右かろ大波が砕ける構図になっていますし、青い波ではなく黄色い波です。でも基本の構想は同じで、20年も前にこういう構図を考えていたのだと知り、驚きました。前にも書きましたが、ピカソの「ゲルニカ」の絵の本物をスペインで見た時には、その「ゲルニカ」を描くために、ピカソがその前に沢山の下絵や部分図を描いていることを知ることができました。一つの作品を描くために画家は努力をしているのです。
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