皆さん今晩は、彩遊紀の紀です。 蔦重展を見てきました。テレビで見た蔦重の最初の出版物である「吉原細見」の本物を見られたのはうれしかったです。本物の大きさの、現代で言えば手帳の大きさで、これなら吉原を持ち歩いていけるなと実感しました。しかもその細かさ。こんなに細かく木版を彫ることがいかに難しかったか、それを何ページもある印刷物として沢山刷ることがいかに大変だったのではないかを実感しました。もう一つ感激したのは写楽の役者絵です。歌麿や鳥居清長など多くの作家の女性の絵がありますが、みんなうりざね顔で目は細く、口はおちょぼ口で、誰の作なのかちょっと見には判別がつきにくい所がありますが、写楽の役者絵は一目瞭然、ある役者は目が吊り上がり、口はへの時で、そしてまた別の役者はぼーっとした顔立ちの優しそうな目と、それぞれの役者の特徴をとらえた、ある意味、似顔絵ですが、絵の作品としては魅力のある素晴らしい絵です。私もよく歌舞伎の絵を描きますが、そういう意味では役者の特徴をとらえた魅力のある絵になっていないなと反省でした。写楽の本物を見られたから感じたことなのかもしれません。写楽の本物、吉原細見の本物を見られたのはうれしかったです。今私は時間的余裕ができて「本物を見たい」「本物を読みたい」「本当の現場に立ちたい」と言う気持ちでいます。いままで学校で、教科書でならったが、その本物に触れたり、読んだりしたことは少ないです。「祇園精舎の鐘の声・・」も最初だけ、「春は曙・・・」も最初だけ、でも以前芭蕉の「奥の細道」を全文読んで、「あゝ、こういう場で詠んだ俳句だったのか」と知りました。絵でも海外旅行をしてピカソの「ゲルニカ」を見て、そこに展示されていた作品だけでなく、馬の顔やこぶしなどを何回も沢山描いた下絵を見て、学校で「ピカソはゲルニカを一日で描き上げました」と教わっていたのが嘘だったのだと、認識を新たにしたり、海外旅行でエジプトのピラミッドをの人の身長よりも大きい岩石を実際に見て、いかにそれを作るのが大変だっただろうかと実感したり、トルコ旅行で「ここがボスフォラス海峡です」と添乗員に言われて「あゝここまで来たのだ」とも感激しました。これからそういう生活をしたいなと思います。
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