皆さん今晩は、彩遊紀の紀です。 今週の一週一絵に先日見に行った歌舞伎の「伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)」の一場面をスケッチしました。江戸時代の仙台藩のお家騒動で、若君を狙う仁木弾正一派と若君を守る乳母の政岡とその子の千松の話で、千松はお毒見役でもあり、仁木弾正の妹の八汐が持参した毒饅頭を若君に食べさせる前に、千松がその毒饅頭を横取りして食べ、苦しむと八汐が短刀で殺してしまうというお話。この騒動の後、皆が帰った時にそれまで気丈にしていた乳母の政岡は千松を抱いて、自らお毒見役として忠義を果たして死んだ千松をほめるとともにわが子の死を悲しみ号泣する場面です。千松は小さな子どもでありながらお毒見役の役目を果たして死ぬという忠義ですが、これで思い出すのは「武士の一分」と言う映画で木村拓哉が演じたお毒見役の新之丞で、お毒見役として食べた赤貝で、めくらになってしまいます。これは殿様の毒殺ではなく、たまたま赤貝の毒に当たったのですが、結局皆は「おかわいそうに」と言うだけで、盲目が治るわけでもなく話が進みます。忠義とはいえお毒見役にさせられるのはつらいことですが、今でも天皇陛下や各国の君主や大統領にお毒見役がいるのかネットで調べてみましたが、明確には出てきません。でも中世のヨーロッパでは暗殺の危険があったので、お毒見役はいたようですね。いまでも北朝鮮や中国のような独裁者にとっては暗殺の危機があるので、お毒見役を配しているかもしれませんね。
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