| TOP | ホーム | 携帯用 | 過去ログ/検索 |

スミレ愛好会掲示板

スミレに関する話題を歓迎します。お気軽に投稿して下さい。
スミレの同定も可能な限り行います。その場合、花の画像だけ
では同定できないことが多いので、葉と茎の入った画像をお送
り下さい。二枚に分けてくださってもかまいません。複数の画
像をアップするのには、「返信」をクリックして下さい。
撮影場所は生態系の保護の観点から都道府県名までとして、それ以上の詳しい地名は書かないで下さい。

名前  
Mail   URL
背景色
文字色
タイトル  
添付   >>お絵描き
フォームに保存  プレビュー       削除キー(半角英数字) 



 ◆ シラサキタチツボスミレの件    ++ すみれ好き   [返信] [引用]

 
 
シラサキタチツボスミレと皆さんが呼んでおられるスミレ類は、どのようなスミレ類なのでしょうか?
No:647では遠藤和雄さんが「和名公称」と書かれていますが、この意味もご存じでしたらお教え下さい。
また正式に発表されているのであれば記載文献と学名もお教え下さい。


..2015/04/03(金) 22:15 No.658
 
 ◆ Re:シラサキタチツボスミレの件    ++ sakura-sumire   [引用]

 
 
すみれ好きさん、書き込みありがとうございます。
端的に述べますとシラサキタチツボスミレは正式な学名が無くタイプ標本該当なしの「Viola sp.」状態のものです。ただ色々と人によって見解の相違も有ります。そのため色々な名で呼ばれており
一番有名(だと思うのですが)なのは山陰型タチツボスミレだと思います。ニホンカイタチツボスミレと呼ぶ方もおられます。正式な学名が無いですが我々の間で和名で呼ぶ際や研究の利便性を考え名前を付けシラサキタチツボスミレもその1つです。表記についてもいろいろと課題があり、カタカナ書きしますと恰も有効学名が存在する正式種と誤解される虞もあるためきちんと正式な学名は無いと言う事を併記する必要性を感じています。そもそも、山陰型等の名で呼ばれるこのすみれは以前コタチツボスミレ(Viola grypoceras var.exilis)と混同されておりましたがタイプ標本を見ると明らかに異なり別物とするのが山陰型、あるいはニホンカイタチツボ等の和名を提唱される方々のご見解です。ただどういう名前で呼ぶべきかは研究なさる方々の見解の相違も有り流動的です。


..2015/04/04(土) 22:45 No.659
 
 ◆ Re:シラサキタチツボスミレの件    ++ zakkuri   [引用]

 
 
妥当かつ冷静な説明ですね。



..2015/04/04(土) 23:29 No.660
 
 ◆ Re:シラサキタチツボスミレの件    ++ Sakura-sumire   [引用]

 
 
それと和名についてなのですが、学名と違い和名にはこうでないとならないという規定はありません。最も重要なのは学名でこちらには規定があります。すみれには正式学名がなく和名がついているものもあります。例えばシマジリスミレがその1つです。シマジリスミレの学名の最後にnom.nud.がついてますがこれが正式学名で無いことを示しています。しかし図鑑等ではしばしば和名が取り上げられ事実上公称になっております。また、すみれの数多ある雑種の中でもカツラギスミレのように学名のあるのもありすが、多くは正式学名が無いがすみれをある程度やっている人の間では通じる事実上の公称という状態です。
この様に和名には縛りがありません。和名は日本語で通常は日本国内でしか通じません。もっと言うならば別の国では全く別の名が付いています。例えばアオイスミレは中国名を日本球果菫菜といいます。なので統一した基準に沿ってつけられた学名が重要なのです。ただ私は和名がどうでも良いということを決して申し上げたいわけではないので誤解が無い様付け加えます。しかし山陰型等々の名で呼ばれるすみれにはnom.nud.がつく学名すらないわけでその事実は重くタチツボスミレなどのような、正式学名がある種類という誤解を与えないためにも今後どういう和名表記方法が最善か考えたいと思います。
私個人の考えですがご参考になれば幸いです。


..2015/04/05(日) 02:48 No.661
 
 ◆ Re:シラサキタチツボスミレの件    ++ すみれ好き   [引用]

 
 
Sakura-sumire さまはじめまして。シラサキタチツボスミレの件お教えいただきましてありがとうございます。いがりさんの発表された山陰型タチツボスミレの事をこのような名で呼んでいるのですね。
No.647でも遠藤和雄さんが書かれている事から察すると、シラサキというのは人名なのでしょうね。植物の和名に人の名前を冠することは過去には田代善太郎が発見したタシロラン、タシロノガリヤスや、牧野富太郎が妻の名のスエコを自分が発見したササに命名したスエコザサがあります。いずれも日本の重鎮です。しかし、規則はないですが、和名に人名を冠するのは当時から良くないとされていたようです。
牧野富太郎自身もシーボルトがアジサイの一種に、日本人妻の名を冠したことを論文で批判しています。
長々と書きましたが和名に人名を冠するのは私個人はおかしいと思います。
Sakura-sumire さんは相当な見識のある方だと思うのですが、その点はいかがなものでしょうか。またスミレ愛好会でもこのような名前を認めておられるのでしょうか。
ネット社会ではこのようなことが広がり、すぐに常識化していきますからね。
それと、このシラサキさんと言うのは自分でこの名を付けられたのでしょうか?それとも他の方が勝手につけられたのかも関心があります。

それから、nom.nud.の学名についている場合の和名は、前に仮称と付けるのが良いのではないかと思います。
シマジリスミレも一般的な図鑑では取り上げられていませんね。これは認識された年代にもよりますが、また命名者名が2通りあるのもnom.nud.といえどおかしな話しです。

私自身の見解ですが、いがりさんが一番最初に発表されたのですから山陰型タチツボスミレ又はサンインタチツボスミレと呼ぶのが良いのではないかと思っています。

ありがとうございました。


..2015/04/05(日) 19:25 No.662
 
 ◆ Re:シラサキタチツボスミレの件    ++ sakura-sumire   [引用]

 
 
すみれ好きさん

>自分でこの名を付けられたのでしょうか?

決してその様な事はありません。何十年も御研究され、ニホンカイタチツボスミレという仮称和名を提唱しておられます。

すみれは昔から多くの愛好家がいらっしゃり、多くの雑種が見出されました。それはいいのですが、人名や地名がつくものが多くあります。例えばオクハラスミレ(サクラ×マキノ)は人名が由来となっております。しかし、現在は「余りにややこしい」というわけで△△スミレ×○○スミレと呼ぼうとか、両親をつなげて呼ぼう(例えばシハイ×フモト→フモトシハイ)という動きがあります。
私自身も山陰型などの名で呼ばれるものに対しどのような和名で呼ぶべきか決めかねているところがあります。どの和名で呼び、どのように誤解無く伝えるか?探求したいと思います。会の中で皆様がどの様な見解を支持されているかは詳しくはわかりませんが、あくまでも私個人の話しをしますとシラサキタチツボは和名公称という御意見もあり、私もどの和名が適切でどういう表現が適切なのかずっと悩んでいるのです。ニホンカイチツボと言ったり山陰型と言ったり・・・。
なお、この山陰型やニホンカイタチツボの仮称を持つタチツボスミレ類(と推定される)のこのすみれは山陰地方以外の広い範囲にも自生しています。奈良県にもあります。


..2015/04/05(日) 21:02 No.663
 
 ◆ Re:シラサキタチツボスミレの件    ++ すみれ好き   [引用]

 
 
ここはスミレ愛好会の掲示板ですよね!


Sakura-sumire さんはNo:659で「書き込みありがとうございます」と挨拶されていますからスミレ愛好会の会員と理解していいのですね。

スミレ愛好会ではどの名を提唱されているのかお教え下さい。


..2015/04/05(日) 21:19 No.664
 
 ◆ Re:シラサキタチツボスミレの件    ++ sakura-sumire   [引用]

 
 
私はあくまでも一会員です。
会の中では、長年そのすみれを研究してこられた先生が提唱される、ニホンカイタチツボスミレ(仮称和名)が主に使われていると承知しております。ただ会の中以外、すなわち会員以外の方に誤解が無いように、正しくご説明する方法を探求してまいります。


..2015/04/05(日) 22:28 No.665
 
 ◆ Re:シラサキタチツボスミレの件    ++ すみれ好き   [引用]

 
 
Sakura-sumire さんはスミレ愛好会の会員さんであることは確認しました。

それならば、申し訳ないですが以下の私の問い合わせにお答えいただけないでしょうか。

>スミレ愛好会ではどの名を提唱されているのかお教え下さい。



..2015/04/05(日) 22:40 No.666
 
 ◆ Re:シラサキタチツボスミレの件    ++ sakura-sumire   [引用]

 
 
「会が提唱している」ということはありませんが、そのすみれを長年、研究されている先生がニホンカイタチツボスミレの仮称和名を提唱され、ニホンカイタチツボスミレの仮称を会の中で口頭や文書等で使用することがあると承知しております。あくまでも会の中で個々に使用する方がおられるということで、会が主体になって提唱しているということではありません。ただ会以外の場でご説明する際は様々な見解を支持されている方がおられますので、誤解が生まれないようにしっかりと検討させていただきたいと思います。貴重なご意見感謝いたします。


..2015/04/05(日) 23:02 No.667
 
 ◆ Re:シラサキタチツボスミレの件    ++ 山本   [引用]

 
 
すみれ好き 様 初めまして。 スミレ愛好会の会員の山本と申します。
この掲示板の管理人氏より連絡をいただき出てきました。

上記の件ですが、2007年発行のすみれニュース101号に会員の白崎重雄氏が日本海タチツボスミレの名称で発表したことから以後、例会等ではニホンカイタチツボスミレの名称で呼んでいます。
また、今は工事中ですがHPでも日本海タチツボスミレの名でこの種を表記しています。また今週中に「近畿地方のスミレ類」というA4版の冊子を発行するのですが、これには仮称扱いですが、ニホンカイタチツボスミレという名称で紹介しています。
最初は日本海と漢字表記していましたが、漢字表記はおかしいという意見が出て、現在はカタカナ表記にしています。

詳しくは知りませんが、この掲示板でシラサキスミレやシラサキタチツボスミレと投稿されているのは会員以外の方だと思います。
例会等ではそのような名前で呼ばれる方はおられません。

以上、よろしくお願い致します。


..2015/04/06(月) 07:10 No.668
 
 ◆ Re:シラサキタチツボスミレの件    ++ すみれ好き   [引用]

 
 
山本様色々と説明をしていただきまして有り難うございます。
スミレ愛好会としては一般的にニホンカイタチツボスミレと呼んでおられることは判りました。

下のNo:647のスレッドで遠藤和男さんが
>シラサキタチツボスミレはすみれニュースに載せた記事が関東の博物館を...
と書かれていますが、やはりすみれニュースにはシラサキタチツボスミレの名も投稿されているのでしょうか?
根掘り葉掘り聞いて申し訳ございませんが、ご存じでしたらお教えいただけないでしょうか?
また、この種についての山本様のご見解も聞かせていただければと思います。


..2015/04/06(月) 21:36 No.669
 
 ◆ Re:シラサキタチツボスミレの件    ++ 山本   [引用]

 
 
すみれ好き 様

白崎重雄氏は古くからこの種の研究をされていて、何度もすみれニュースに投稿されています。私の知る限りではシラサキタチツボスミレで投稿された事は一度もありません。
想像するに、浜栄介「原色日本のスミレ」のコタチツボスミレに2タイプの画が描かれていた事で疑問を持たれ研究を始められたのだと思います。すみれニュースにはこの二つのタイプは別物であると報告されています。
後年、白崎氏と親交のあった、いがり氏がシーボルトの採集したコタチツボスミレ(exilis Miq.)の標本が収蔵されているライデン大学を訪れ、コタチツボスミレには葉の基部の切形タイプがなかったため、切形タイプを山陰型タチツボスミレとして発表されたわけです。

私自身は葉の切形タイプは長年親しんできたコタチツボスミレが葉の大きさからもぴったりな名前であると思っていますが、この和名は中井猛之進が1922年に学会誌に発表しているのですが、その記述には朝鮮半島南部から九州に分布すると書かれているため使えないので、古くから研究されている白崎氏が発表されたニホンカイタチツボスミレが良いと思っています。

以上でご理解いただけたでしょうか。


..2015/04/07(火) 07:23 No.670
 
 ◆ Re:シラサキタチツボスミレの件    ++ zakkuri   [引用]

 
 
簡潔かつ冷静な説明ですね。

敢えて補足すれば、いがり氏は「山陰型タチツボスミレ」を名前として発表したというより、昔のヒメミヤマスミレにおける東海型と横倉型という表現に倣って、仮の呼び名を付けたに過ぎないと理解しています。
因みに、巻末索引では「山陰型コタチツボスミレ」となっているのに気付かなかった程度。名前としての思い入れが強かった訳ではなさそうだと想像させてくれます。同時に、読者にも「いつか、別の名前が付くのだろう」と想像させていたのではないでしょうか。


..2015/04/07(火) 08:07 No.671








     + Powered By 21style +    Tacky's Room