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2011. 11. 6 【黒川オンステージ日記!】藤村の誕生日戦: 「今、蘇る藤村。墓の下からのハッピーバースデー!」
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黒川『…あの…常々思うのですけど…。藤村さんの日記って、いつも君視点で書かれていて不公平です。だから君のサイトの日記…一日だけ僕に書かせてくれませんか。」 私「…それは……… 黒川さんの地の文で、私のツッコミも入る事なしに、 私の日記で延々とオンステージしたい、と ……そういう事…?」―――
――あなたは、死を体験した事があるだろうか。 そして再びの生を受け、墓の下から這い出た事は? ……僕にはある。 いつの時代にも、誰にとっても、「生まれ変わる瞬間」というのものがある。 僕にも、藤村さんにも、はたまたアポロンにも。 |
黒川『――そうです、僕にはどうしても書かねばならぬ、伝えなければならぬ事があるのです。』 私『……、何を?』
思い起こして下さい、B.C.31年9月2日。 アポロンが生まれ変わったあの瞬間を。 思い起こして下さい、2008年8月24日。 僕と藤村さんが初めて会った瞬間。僕が生まれ変わったあの瞬間を。 そして今、ご覧に入れましょう、2011年11月8日。 藤村さんの誕生日。 ――藤村が生まれ変わるその瞬間を! …さあ、「生まれ変わる」という事は…もうお分かりですよね。 藤村さんには、まずここで一度死んでもらわねばなりません。 そう。今年の藤村さんの誕生日、 ――僕の勝負のテーマは――「今、蘇る藤村。墓の下からのハッピーバースデー!」。 その一瞬のために、僕こと黒川巧が今、この場を借り受ける――!
【黒川オンステージ日記!】 藤村の誕生日戦: 「今、蘇る藤村。墓の下からのハッピーバースデー!」
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――そんなわけで、私藤村ですけど! 紆余曲折あって(過去の黒川さん登場回の日記参照)、 おなじみ我が終生の宿敵・黒川さんに一回日記を書いてもらう事になりました。 つまり…この日記の文章に私はノータッチで、私自身も何が書かれているのか知りません…! うおおお緊張する――!何を書く気なんだ、黒川さん…!!
――この話をする事は、藤村さんだけはなく、僕自身をも殺すことになります。 それゆえ、僕も随分ためらいました。 今でもためらっています。本当は書きたくない。 だが、藤村シシン…あの魔女を倒そうというのですから、 僕自身も覚悟をしなければなりません。 藤村さん――君を殺して僕も死ぬ。 最後に戦場で立ち上がった方が勝ち。 そういう戦いを僕といたしましょう。 |
…黒川さんが何を書きたいのか、何をしたいのか、 それは私も読んでみるまで分かりません。 初めての事ですが、自分のサイトの日記を読み手として楽しみにしています――! さあ、何を書く気だ黒川――!! 私には書かれて困ることなど何一つないぞ…!!さあ来い!黒川!
――では僕は思い起こそう、2008年8月24日。 僕と藤村さんが初めて会った瞬間。僕が生まれ変わったあの瞬間を。 この日の藤村さんの日記(→■)には書かれていない事実を、今僕はお話したい。 …と申しますか、藤村さんが気を使って伏せて下さっているのだと思うのですが……。 この日の藤村さんの日記には、 僕が彼女に普通に対応したように書かれていますが、実は違います。 僕は、この日、最初からずっと泣いていました。 ですので、実際は僕の胸のギリシア語の回文よりも、 僕が号泣している事の方が気になっていたと思います。 僕は文章ですと、このようにある程度理性を保った言動ができます。 しかし実際の僕は…、僕は、全く「理性的」ではありません。 僕はとても感傷的な人間で、すぐ泣き出してしまうという欠陥があります。 僕自身は人前で泣きたくなどありません、 しかし自分では涙があふれて来るのを止められません。 それゆえ、僕のあだ名はいつも「ダム」、「蛇口」、「梅雨」などでした。(※笑う所です。) …ともかく、あの時もそうでした。 同期生に何か少し言われただけで、僕は泣いていたのです。 頭の中では、彼らの言葉に対する反論の言葉があります、 しかしその言葉を発するより早く涙が出てきてしまうのです。 そんな自分が情けなくて、さらに泣いてしまうのです。 僕(くそ、貴様らなど文章でのやりとりなら完膚なきまでに論破できるというのに…!これが対面でなく、文通でありさえすれば…!貴様ら堂々と僕のペンパルになれ…!) ……内心ではそんな事を思いながら、 僕は無言でずっと泣いていました。 ――その時です。 藤村さんが歩み寄ってきたのは。 てっきり僕は、「いじめはやめなよ!」等と 止めに入って来るのかと思いました。 僕(…やめてくれ…!そんな事をされたら、さらに輪をかけて泣いてしまう…!) ――しかし、彼女の言葉は… 僕の予想とは全く違いました。 藤村「あなたの涙を舐めたい。」 僕「………。はへッ?」 ――彼女は、 ”あくびや痛みで出るような生理的な涙は無味に近く、 激しい感情に伴う涙はしょっぱいですよね”、 と意味不明の前置きをした後で、 藤村「あなたの涙は原始の海の味がしそうです。きっとすごくおいしいのでしょうね。舐めさせて頂けませんか。」 ――恐るべきことに、 この言葉は、一切のからかいも含んでいませんでした。 僕に対する同情も、憐憫の一片さえなかった。 ――本気だったのです。 僕「………。」 ――目の前の女性が… 今、僕の涙を舐めようとしている。 僕の体液を舐めようとしている。 ――どんな魅惑的な官能小説のクライマックスにも、これ以上の一節は無かった。 どんな美しい絵画の中にも、これ以上の情景はなかった。 ……今だから言います。 正直、あの瞬間僕は童貞を捨てたと思っています。 あの一瞬よりも甘美な瞬間を、おそらく誰も知らないでしょう。 それほど僕にとってあの瞬間は…、本当に…、 僕「……貴女は、誰に対してもそうなんですか?誰の涙でも舐めたがるんですか?」 藤村「ちょっとした変態さんですか、私は。違います!でも、あの、貴方は…えーと、失礼ですけど、お名前なんでしたっけ?私は藤村と申します。初めまして。」 僕「僕は黒川と申します。初めまして。」 藤村「私は黒川さんの涙を舐めようとしない、という情緒のかけらもない連中の方が信じられません。理性が流す涙ってこんな感じなんでしょうね、綺麗です。すごく美味しそうです。どんな味がするんでしょうね?」 僕「……貴女は、おかしな人です。」 ――この時の藤村さんの日記では僕の方が変人、 という風に書かれていますが、 僕に言わせたら藤村さんの方が何倍も変人でした。 この文章を読んで下さっている方も、そう思うでしょう? 藤村「…黒川さんこそ。…何なんですか、そのTシャツの回文。変です!素敵ですけど!」 黒川「ああ…これ、古代最後の賢者シドニウスが作った回文なんです。完璧な回文なのに、完璧に韻を踏んだ韻文でもあるんですよ。…藤村さんも、回文にご興味が…!?」 藤村「いや、無いですけど――でも、聞かせてほしいですね!」 ――これ以降の会話は、藤村さんの日記の通りです。 とにかく、僕にとっては閃光のような一瞬でした。 …あの時の感覚、あの藤村さんの言葉を正確に書き出せる筆を僕が持っていない事を、今本当に残念に思いますが―― 涙のみならず、鼻血や汗、体中のありとあらゆる体液が噴き出しそうな…そんな鮮烈な一瞬でした。 ――しかし、この後だったのです。 僕が彼女の真の恐ろしさを目の当たりにするのは。 彼女の言葉には不思議な力があったのです。 彼女が、「美しい」と言った瞬間、道ばたの石すら価値が生まれて美しく輝き出すのです。 僕の涙に対してもそうでした。 それまで「また泣いているのか」、「また涙なんか流して同情を惹こうと思って」と 冷たかった周囲の視線。 彼女が「美味しそう」と言った時から、 「そういえば藤村はこの涙をうまそうって言ってた」、「…確かに…良く見たら美味しそうかもしれない。」、 という肯定的なものに変わったのです。 …僕には驚くべき変化でした。 僕が「泣き虫」だという本質は何も変わっていません。 しかし、彼女の言葉に合わせて世界が形を変えたのです。 また、彼女の言葉の魔力は、僕の存在そのものに対しても…。 今まで僕が何を言おうが、誰も気にとめてなどくれなかった。 しかし、今はどうでしょう。 彼女が「黒川さんは素敵だ」と言った瞬間に、多くの方が僕の言葉を受け止めてくれる。 僕の本質は何も変わっていない、 泣き虫で、軟弱で、どうしようもない愚か者なのに、 なぜなのでしょう――藤村さんに会ってからは、そうではありません。 ――あなたは、生まれ変わった事があるだろうか? 再びの生を受け、墓の下から這い出た事はあるだろうか? 僕には――あの瞬間こそがそうだった。 2008年8月24日。 藤村さんに会った時。 藤村さん、僕を世界一幸せな男にしてくれてありがとう。 僕がどんな涙を流せば、君に恩返しができるか分かりません。 ――さあ、僕が異常な泣き虫であり、藤村さんが人の涙を舐めたがる性癖があるという、お互いにとって一番明かしたくなかった秘密を暴露したところで、画面の前の藤村さんはどんな表情をしているでしょうね。 怒っているでしょうか。 僕はと言えば、いつもの事ながら、泣いていますよ。 しかし藤村が今僕の涙を舐めたら、とても甘いと言うでしょう――歓喜の故に泣いているのですからね! さあ友よ、すでにショックで半死半生の身かもしれませんが、 こんな物ではありませんよ。立ってもらいましょう。 これもいつもの事ながら、君の家に誕生日プレゼントを送りました。 この中身を当てて御覧なさい。 そして前回の日記のコメント欄の約束をお忘れなきように。 この戦いに僕が勝ったのなら――君の大切な月桂冠を頂きます。 (凍月レイさん作の月桂冠の指輪です。) 月桂冠は勝者にこそ相応しいですからね。 ――当然、君の大切な月桂冠の指輪を奪おうというのですから、プレゼントの中身はそれなりの物ですよ。 思い起こして下さい、「B.C.31年9月2日」を。 「アポロンが生まれ変わったあの瞬間」。 「墓石より蘇ったあの瞬間」を。 ――生まれ変わっても、アポロンの本質は何も変わらない。 最初と何も変わらない。 では、何が変わった? アポロンに関わる誕生と死の瞬間を同時に思い起こせば、 おのずとその答えは見えてくるでしょう。 あと僕のこれまでの文章を読み返せばね。 ――これが僕からの最大のヒントです。 ちなみに、勝負が終わるまで、藤村さんからの電話には一切出たくありません。 ――なぜなら…今は嗚咽しか返せそうにないですからね。 ですから、正々堂々ここで「座談会」として文字のやりとりをいたしましょう。 やはり文章でのやりとりとは良いものです――文字には涙が滲みません! ――藤村さん。貴女は、生まれ変わった事があるだろうか? 再びの生を受け、墓の下から這い出た事はあるだろうか? 楽しみにしていなさい、2011年11月8日。 貴女の誕生日。 ――君自身が生まれ変わるその時を。
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(申し訳ありません。張って藤村さんの流儀で日記を書いたつもりですが、全然思い通りに行きませんでした…!なんて難しいのでしょうか…。 面白い事とか全然言えなくて本当に申し訳ありません。見て下さっている方にも本当に申し訳なく思います。言いたい事も全然言えませんでした…。) ……………………………… えーと、それと、藤村からの伝言なのですが、拍手をいつもどうもありがとうございます、との事です。 拍手のお返事は…え、まだ7月分までしか返していないのですか!? いくらなんでも藤村さん、遅筆すぎるでしょう!なるべく早く返すのが礼儀と言うものではないでしょうか。 本当にあの人の遅刻癖には困ったものです。僕からも早くお返しするようにきつく申し上げておきます。 拍手をして下さった方は、もう少々お待ちになって下さい。 本当にすみません、僕の友人が駄目人間で…。 黒川巧 拝
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――初めまして、いつも見ています、藤村シシンと申します。
ちょっっと待って、これ… …これ…自爆テロだろ…!!???
ああもう死んだ!!私死んだ!!! もうやめて、私のライフは0よ!!――お前のライフも0だけどな!!
あああ…まさか…これを、書いてくるなんて…!! 私、この話は黒川さんは「して欲しくないだろうな」って思っていたのに……黒川さんが平静を装って、実は涙を流しているという話は…!
本気か。 本気で私を殺しに来たか、黒川巧……!!
私が完全に人の涙を舐めたがるただの変態みたいになっているが、それは違う!!
私が舐めたいと思ったのは黒川さんの涙だけだし、 そもそもこれも何度も言うが、黒川さんの涙を舐めようとしない、という事自体がありえない。 それほど美味しそうな涙なんだ。
――だから私が変態なんじゃない、舐めようとしない方が変態だ!! ..11/6 8:36(Sun)
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加えて言おう。 黒川さんは、自分をしょっちゅう泣いている、って思ってるけど…それは勘違いだ。
私が、「こいつ手がつけられないほど泣いている」って思ったのは、3、4回くらいです。 それと……、
それと…、
ごめん、なんか良く分からないんだけど、いま私も泣いてる…。 感動しちゃったよ…。
アポロンが生まれ変わった瞬間…?何が変わったか…?
待ってくれ、今そんな事、考えられないよ…!!!
全然頭働かない! とにかく黒川さん、黒川さんが考えてるほど――…だめだ、どうしよう…!何にも言えなくてごめんね…! だけど、黒川さん、とにかく、そうじゃない!
..11/6 8:45(Sun)
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二人で泣いてどうするんです。ここは「何を馬鹿な事を、この濡れネズミが」と一笑にふしてくれないと困ります。 …まだ泣く所ではありません。 これからです。僕が本当に言いたい事は。
今はお互い徹夜明けです。 友よ、今夜、ゆっくり殺し合いをしましょう。 ..11/6 9:07(Sun)
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――まあそう急くな。とりあえず私は座談会用に新しい記事を立てよう。 そこでご覧に入れようじゃないか。――この私の謎解きの全容をな!!
そして、この私がたった半日で手に入れた事を褒めてもらいたいものだ……ローマ皇帝アウグストゥスの「墓石」に刻まれし銘文、『レス・ゲスタエ』を!!
詳しくは次の記事で! ..11/6 23:57(Sun)
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