藤村シシンぶろぐ


 

2009. 4. 2
      【まだ終わってなかった】ホワイトデーに死す!黒川の本当の狙い
〜糸杉を愛した神〜

※三月のホワイトデーの日記の続きです! 
黒川がすごすぎてもはやホラーの域なので注意…!
 
 
 
もうコレ訴えたら勝てるって―ッ!! 
先日、黒川に最も屈辱的な方法でハーデス様の糸杉を送られた私…! 
片腕をもがれ! 
脇腹をえぐられ! 
パンストは伝線!!
 
 
――そんな状態の私によ!?…いったい誰が予想する!?まさか、あれで終わりじゃなかったなんて…!!500キロ離れた愛媛の空から…私の心臓めがけて矢が飛んでくるなんて…!! 
本当の恐怖はこれからだったぁああ――っ!!
 
 
………… 
 
山田先輩「藤村、久しぶりー!この前はバレンタインにチョコありがと〜!レオニダスのチョコ、すげー美味かったよ!!」 
 
私「ああ!『レオニダス』、スパルタの王の名前ですから、先輩にぴったりだったでしょ!?」 
 
…久々に会ったギリシャ史の先輩・山田。 
何の警戒心も無しに無邪気に会話する私。 
しかし、
まさかこの山田が… 
 
山田「そうそう、お前にホワイトデーのお返しがあるんだ。 
    それでな、藤村。今から俺とゲームをしないか…?
 
 
 
…黒川が私に止めを刺すために差し向けた刺客だったとは。 
 
 
 
「…い、今、何と…?」 
 
山田「…
『ホワイトデーのお返しがあるんだが、今から俺とゲームをしよう。』…フフン、聞き覚えがある言葉か?藤村。」 
 
…聞き覚えも何も…!! 
二週間前に、まったく同じ言葉を私に言った男がいた…!!
 
忘れるはずがない!! 
そのゲームに負けて私は…!!あああ黒川…!! 
 
私「…ど、どういうことです?!」 
 
山田「黒川に聞いたぞ。
『”アポロンが愛した人”は?』…この質問で、お前は『キュパリッソス(糸杉)』を当てられなかったんだろ?」 
 
私「……」 
 
山田「…だから、サービス問題で俺がゲームをしてやろう。 
 
  俺は
『糸杉を愛した神』を今からお前に贈る。 
  さて、問題です。『糸杉を愛した神』とは一体誰でしょう?」
 
 
 
「…先輩、私だって学習しますよ。同じ手は二度食いません!それがハーデスただ一人ではなく、アポロンもだ、ということを忘れるはずがありません!」 
 
…これを忘れていて一週間前に黒川にやられたんだから!! 
 
 
山田「だったら、このヒントで1回で当ててみせろよ!!…『俺が贈ろうとしているのは、冥界の王ではない。』さあ、『糸杉を愛した神』とは誰でしょう!?」 
 
「冥界の王ではない」、ってことはハーデス様の方じゃない、 
それで「糸杉を愛した神」って言ったら、 
 
「当然アポロンの方でしょう!」 
 
山田「いいのか?今からでも答え変えられるぞ!」 
 
バカ言え!ハーデスとアポロンの二者択一、 
それでハーデスじゃなかったらアポロンに決まってる!!
 
 
 
「アポロンです!!」 
 
 
 
<そして、山田に手渡された『糸杉を愛した神』> 
 
 
 
……マリアージュの紅茶の、… 
 
 
 
『アルテミス』
 
 
 
………瞬間、私の全身に見たことのないレベルの鳥肌が立った。 
どういうことなの…?! 
アポロンでしょ!?アポロンのはずでしょ!? 
どうして…!?どうしてアポロンの姉貴の方が来るの!!?? 
どうして――!!!??
 
 
 
山田「黒川からの伝言だ。 
 
   『アポロンだと思ったでしょう?でも藤村さん、 
    僕が同じ手を二度も使うはずがないではありませんか。 
  
    確かに糸杉はアポロンが愛した少年で、 
    ハーデスのご神木です。 
  
    ですが、お忘れですか? 
    
糸杉はアルテミスのご神木でもあることを。 
 
    今度こそ完膚なきまでに僕の勝利ですね。 
 
    僕は4月に東京に戻ります。 
    お目にかかるのが楽しみでなりません。 
    往生際の悪いあなたが、どんな言い訳と泣き言で 
    僕を迎えてくださるのかと。』」 
 
 
 
 
………4月、なんてのんきな事は言わせねぇよ… 
 
貴ッ様 今どこにいる!?愛媛か!!?愛媛のどこだ!?
どのミカンの木の下にいる黒川ァアア!?!? 
 
糞野郎ー!!許さん!!貴様だけは絶っ対に許さん―ッ!! 
 
「はぁあ…!はぁぁああ〜〜!!山田先輩ィイイ!!!あなたが黒川の走狗になり下がるなんてっ!見損ないましたよ!!」 
 
山田「…ちょ、聞け!違うんだって!!俺は黒川に言われたわけじゃなく、最初からホワイトデーのお返しに『アルテミス』を送るつもりだった!ほら、前回は『アポロン』の紅茶をやっただろ?そのつながりで…」 
 
←前にもらった「アポロン」の紅茶。 
 
山田「…でも、二月の終りにそのことを黒川に話したんだ。そしたら、黒川がこの作戦をもちかけて来て…!
『こういう風に贈れば、藤村さんはよだれ垂らして喜びますよ』って黒川が…!…あれ!?違ったのか!?黒川のウソだったのか!?」 
 
 
バカモ〜〜ンっそいつがルパンだ!!!! 
 
ああ、ああああ―ッ!!!!全部!全部、ここまで貴様の計算だったんだな!! 
ホワイトデーに糸杉を送ってくれた時も! 
貴様は
「糸杉はハーデスだけじゃない。アポロンも関わりがありますよ」と笑って私に言った! 
 
 
だが腹の底では…! 
「お前はもう一人忘れている…処女神アルテミスをな。アルテミスを使ってもう一撃貴様に加えてやるわ」 
 
そう思っていたんだな…!!
 
糸杉を送られて感動して私が泣いていた時…お前は言った!
「喜んでもらえてうれしい」と!! 
だがあのはにかみも、あの無邪気な笑い声も…
全部全部演技だったんだな黒川ぁあああ!! 
 
あいつ…人間じゃない…!!人間技じゃない!! 
すごすぎる…!! 
やばい…私、とんでもない男を敵に回した…!!
 
 
 
心の中でオシッコをジョバジョバ漏らしつつ、 
尻尾を巻いて命からがら家に逃げかえった私。 
 
 
アポローンの君!アポローンの君っ!!助けて…!! 
あの男まともじゃありません! 
頼むから、私にあの男を滅ぼす知恵を授けてくれ!! 
 
 
なんとか…なんとかしてアイツの攻撃を防がなければ…! 
なんとかしてこれ以上の被害を食い止めなければ…本当に死ぬ!!あと一撃でも食らったら、私絶命する!! 
 
ここまでのところ、黒川は月桂樹とか、糸杉とか…とにかく「木」を送ってきてる!! 
よし!ならば、
これ以上木を送る余地のないようにこっちが守りを固めるしかない!! 
 
 
……そんなわけで、今急いで買ってきました。 
 
 
 
アテナのご神木・オリーブ!(しかもリース仕立て!)そして、ハーデス様の水仙の花束。 
 
そしてブルブル震える手で、黒川にメール+写真添付!! 
 
 
 
「左から、アテナのオリーブ、ハーデス様の水仙、アポロンの月桂樹、 
ハーデス様とアルテミスの糸杉、ハーデス様のミント。 
 
そして庭にはディオニュソスのキヅタがあります。 
 
神話関係の木はコンプリートしました!! 
もはやあなたに送って頂く余地はありません!!」
 
 
 
――これに対する黒川の返信。 
 
 
黒川
一番重要なものが無いではありませんか。藤村さん、ゼウスをお忘れです。 
 
 
…ああっ!そっか…! 
え!?でも、ゼウスの木って確か…… 
 
 
 
  樫(カシ)。
 
 
 
黒川
『なるほど、あなたの現在の状況はよくわかりました。では、今年のご自分の誕生日までに、庭を10平米ほど広くしておいて下さい。それでは。』 
 
 
ちょちょちょちょっと待てーーー!!! 
やばい、私とんでもねえ墓穴ほった!! 
 
黒川!!お前が偉大な男だということはもう十分わかった!! 
だからお願いだ、それだけは勘弁してくれ!! 
 
樫は要らない!!絶対やめろよ!!そんな大木、絶対送ってくるなよぉおおお!!
 
 
 
 
そしてもうひとつ、これだけは言っておく黒川。 
 
 
ありがとう。 
 
 
もう、今すぐ愛媛に戦闘機飛ばして飛行機雲で書きたい! 
「ありがとう」と!! 
 
 
愛媛の空にギリシャ語でズバーーーッと!! 
 
”ΧΑΠΙΝ ΕΧΩ!!” 
カーリン・エコー!! 
 
ありがとおぉおおおおお!!!! 
 
 
”ΔΕ, ΤΗΣ ΔΡΥΟΣ ΟΥΚ ΔΕΟΜΑΙ!” 
 
  でも、   樫は       要らない!!
 
 
 
 
…そして、山田先輩も「アルテミス」ありがとうございました! 
っつーかアルテミスは黒川じゃなくて山田先輩にもらったモンだっつーの!! 
「黒川ありがとう」じゃねーよ私!!
 
 
で、せっかくだから前に頂いた「アポロン」と飲み比べ。 
 
左・アルテミス、右・アポロン。 
茶葉の見た目は瓜二つです。すごい!さすが双子!! 
 
だけど味は… 
 
 
 
正反対だ…!! 
アポロンは甘く華やかな味。 
一方のアルテミスは、清涼感のあるスッキリした味でした。処女神ってかんじ!!(笑) 
見た目同じで中身正反対、って本当に神話のアポロンとアルテミスみたいだなー!スゴイ…! 
 
 
…なんだか飲みながら腹が立ってきたんですが… 
糸杉は確かにアルテミスのご神木でもあるけどさ! 
どっちかっていうと
アルテミスのご神木は「針葉樹林全般」だ!! 
だったら糸杉くらいハーデス様にくれてやれ!!
 
 
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
…そんなわけで、黒川さん、本当にどうもありがとうございました…。 
私が、バレンタインデーに
二重底のパンドラの箱作戦(※チョコの箱の底の文字のこと。2月28日の日記参照)をとったので、それのお返しということで、アポロン&アルテミスのダブル復讐作戦を計画してきたようです。 
 
 
ほんと、思い返すたびにブルブル震えるほど恐ろしい出来事でした。 
だって、最初の…
「バレンタインの復讐をしてやる」、って電話を私に掛けてきた時から、 
ここまで全部折込み済みだったってことでしょ…? 
最初のゲームの
「アポロンが愛した人」から、 
今回の
「糸杉を愛した神」まで全部!! 
 
しかも、「アルテミス」は山田が用意したもので、 
黒川が用意したギミックじゃない…。 
 
あああ…深く考えるほど恐ろしい…!! 
 
黒川
『というか、最初にアポロンから矢を射られた時点で予測しなければ。アルテミスの弓からも矢が放たれていると。 
アポロンとアルテミスは一心同体。片方が復讐をする時は必ずもう片方も同じことをします。ギリシャ神話にそう書いてあるでしょ。』 
 
――という黒川の言葉が強く印象に残っている。 
本当にその通りだわ…。 
 
ちなみに、この事件が起きたのは、3月の最後の日曜日です。 
なんかもうあまりにも衝撃的すぎてしばらく呆然としてたらこの時期になってしまいました…!! 
 
 
 
拍手どうもありがとうございました! 
ホワイトデーの日記の時と、エイプリルフールの時に、今まで頂いたことのないたくさんの拍手を頂きました…超嬉しかったっす。ありがとうございます。そして黒川さんもありがとう。黒川の人気に嫉妬!(笑) 
次は己の力のみで、同じくらいたくさんの拍手をもらえるようないい更新ができるよう頑張ります! 
 
そして、お返事が遅くなって本当にすみません!! 
2月26日〜3月21日分のコメントは3月20日の日記に、 
3月22日〜25日のは4月1日の日記にあります!!
 
それ以降に送ってくださった方はもう少々お待ちを!!
  
 



藤村シシン
古代ギリシャ・ギリシャ神話研究家。
高校で出会ったアニメ『聖闘士星矢』がきっかけでこの道へ。東京女子大学大学院(西洋史学専攻)修了。

◆著書『古代ギリシャのリアル』(実業之日本社)。◆ NHKカルチャー講座講師。◆2020年オリンピック採火式NHK生中継内、古代ギリシャ語同時翻訳。 ◆平成28年 東京国立博物館『特別展・古代ギリシャ』公式応援サポーター。 ◆UBIソフト『アサシンクリード・オデッセイ』公式コラボ ◆古代ギリシャナイト主催。 など。

お仕事のご依頼 euermo★gmail.com
(*をアットマークに変えて送って下さい)


書籍『古代ギリシャのリアル』発売中。




★よく出てくる宿敵「黒川君」については
【黒川wiki】をご参照下さい。



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2009. 4. 27 【犯行声明】黒川プラトン誕生....
2009. 4. 24 ディオニュソスの男根〜対ヘラ....
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