エペメリス・シシナス・フジムラス


 

2009. 5. 28
      【決戦当日:前半】アポロンの誕生日会戦!六本木の攻防
〜私の攻撃:「絶対に解けないなぞなぞ」〜

※二個前の日記から続いています。 
 
私『あの黒川さん、
六本木当日は…フォーマルな格好で来て下さいませんか?』 
 
黒川が軍服や変なTシャツでやって来るのを回避するため、 
事前にこう釘をさしておいたが…私は不安でしかたなかった。 
本当にアイツは「フォーマルな格好」で来てくれるのかどうかと…!さあ、果たして結果は!? 
 
――決戦当日。六本木駅。 
 
黒川「藤村さぁ〜〜ん!!こっち!こっちです〜〜!!」 
 
←黒川代理:ハーデス様 
 
   Very formal。 
 
やったぁあああーーー!!黒川さん、やればできるんじゃん!普通のカッコできるんじゃんーー!!
 
まあ
正直スーツもどうかと思うけどシルクハットに燕尾服と蝶ネクタイ、私の手に口づけを落としながら「ご機嫌うるわしゅう。」――このレベルのフォーマルさを覚悟していた私からしたら!!あああ感動してもう泣きそう!! 
 
黒川さん、ありがとう!ありがとう…!!! 
良かったぁああ〜〜!これで今日は人目を気にしなくて済むぞぉおおーっ!!
 
 
黒川「…今日は付き合って下さってありがとうございます。」 
 
私「いえいえ…
どうせ私も黒川さんにお渡しするものがあったのでね…。」 
 
黒川
奇遇ですねぇ、僕もです。あなたにお渡ししなければならないんですよね…『お金のかかってない、形のないモノで、それでいてアポロン関係の物』を。」 
 
私「……ふっ」 
 
黒川「……フフフフ」 
 
――そう、アポロンの誕生日をめぐるこの戦いの火ぶたは 
今まさに切って落とされたのであるーー!!
 
 
【決戦当日:前半】アポロンの誕生日会戦!六本木の攻防 
〜私の攻撃:「絶対に解けないなぞなぞ」〜
 
 
まずは先手必勝、とばかりに! 
 
私「…黒川さん、私のプレゼントはね――
『なぞなぞ』です。」 
 
黒川「…なんですって?」 
 
私「……あなたはかつて私にこう言った。
『古代ギリシャ語の謎かけなら、僕に解けないものはない』と!…その言葉は今も変わりありませんね!?」 
 
黒川「もちろん!…まさか、藤村さん。この僕に古代ギリシャ語のなぞなぞで勝負をしようと!?そういうつもりなんですか!?」 
 
「そうです!」 
 
黒川「あなたがそんな無謀な方だとは思わなかった!もう一度言ってさし上げましょう、
『古代ギリシャ語の謎かけなら、僕に解けないものはない』!!」 
 
「では、解いてみろ!この謎を!!『古代ギリシャ語のなぞなぞでも、黒川さんには絶対解けないなぞなぞはな〜んだ』!?」 
 
黒川「…!?」 
 
私「ヒント!もちろん、アポロン関係です!」 
 
黒川「バカな!そんなもの、あるはずがありません!!それは答えのないなぞなぞです!!」 
 
私「答えならありますよ――
この中にね。」 
 
 
 
黒川「…!!??」 
 
私「袋の中身を当てて御覧なさい。それが答えです。」 
 
黒川「ちょ…ちょっと待って下さい!!
こんなの卑怯です!!『古代ギリシャ語のなぞなぞでも、黒川さんには絶対解けないなぞなぞはな〜んだ』…これに答えられなかったら僕の負け!! 
 
でも、答えられたとしても!!『古代ギリシャ語の謎かけなら、僕に解けないものはない』――この僕の言葉に反することになるので僕の負けです!! 
どちらにせよこれは僕の負けではないですか!!」
 
 
 
――ようやく気付いたな、このうんち虫めが。 
 
 
「ワーーハハハ!!その通り!元からこれは貴方には勝ち目のない勝負なんですよ!」 
 
私がこの一か月、考えに考えた作戦!! 
お前を逃げ道のない論理の袋小路に追い込むための!! 
 
さあ、あがいてみせろ、ヘルメスの息子!! 
そして見せてくれ、お前が力尽きて私の前にひれ伏す様をな!!
 
 
私「さあ!どうする、黒川巧!?」 
 
黒川「く…っ、僕が勝てる道はただ一つ!
それはあなたが用意した『答え』を否定することだ!!」 
 
――そう言って黒川は袋を勢いよく開き、中身を広げた! 
中身はもちろん!! 
 
 
 
 
黒川
「あ…っああ…っぎゃぁああああ〜〜〜〜!!!これは…これは…っアポロンのΕ(イプシロン)!!!ウワァアアアアーーー!!!」 
 
――このTシャツのマークが何なのか、 
ということは先日の日記の通りですが、 
 
黒川
「ああ…っあ、あなたは卑怯だ!!こんなの僕だけじゃなく誰も解けないなぞなぞです!!」 
 
私「『黒川さん解けないなぞなぞ』とは言いましたが、『黒川さんだけが解けないなぞなぞ』とは言ってませんよ!」 
 
黒川
「!!!こんな馬鹿な…!!!僕が…僕がなぞなぞで負けた…!!この僕が…!!くそぉおおおおーーーっ!!」 
 
 
――勝った…! 
この一年弱、黒川にアポロンで負け続けた私だったが… 
ああっついに勝った!! 
この男の一番の特技で!この男の一番大切なものを奪ってやった!! 
うわーーっ!なんって気持ちがいいの!!!
 
 
 
私「…そのTシャツ、受け取って頂けると嬉しいです。お誕生日おめでとう!」 
 
――別に黒川さんの誕生日じゃないけど。 
 
私「今、黒川さん、『ホムンクルス』のTシャツしかないんでしょ?いろいろ大変かと思って…Tシャツにしたんですが…、あの、パジャマにでも使って下さったら嬉しいです。」 
 
 
黒川「…パジャマですって?こんなカッコイイTシャツを…?冗談じゃありませんよ!!藤村さん、ここで3分ほど待っていて下さい!」 
 
私「はっ?…く、黒川さん、どこ行くんですかっ!?」 
 
黒川
「いいからあなたは黙ってそこで僕の晴れ姿を待て!!!」 
 
――そう言って一目散に男子トイレに向かって行った黒川。 
まさか…この展開はまさか…!! 
 
――3分後。 
 
黒川「お待たせいたしました〜〜!!!」 
 
 
 
着ちゃったーーーー!!!! 
せっかく今までフォーマルな格好だったのにーー!! 
こんな珍奇な格好のヤツとこれから六本木の街を歩くのかよーーッ!!このTシャツ作ったの私だけど!!!
 
 
 
黒川「どうです?カッコイイですか?」 
 
ああーーでもやっぱりこれが黒川さんだな!! 
スーツじゃだめだ!!この変なTシャツこそが黒川さんだよ!! 
 
黒川「今は一本取られてしまいましたが…
でも、お忘れではないでしょうね?こちらにも貴女にお渡しする物がある、ということを」 
 
ゴク…ッ。 
 
黒川「でも、それはここではお渡しできません。もっと
人気のない場所でないとダメです。なので先に美術館に行きましょう」 
 
なんか…今ものすごく引っかかるワードがあったんだけど… 
ひ、ひとけの無い場所…? 
 
と若干の恐怖を覚えつつも、とにかく国立新美術館に。 
が、私はまだ知る由もなかったのだ。 
 
この美術館に予期せぬアポロンの戦いの場が用意されているということをーー!! 
 
←国立新美術館 
 
黒川が見たがっていたのは
『ルーブル博物館展〜美の宮殿の子供たち〜』という特別展。 
が、良く考えたら私は彼と違って幼女・少年の類に特別な思い入れがなく、あまり見るものがない…。 
しかたがないので、あいつが
女装している少年の絵を見ている間、 
私はシレノス爺さんにだっこされて「いい子いい子」されてる幼少期ディオニュソスの像をぼーっと見ていたのですが… 
(「子供」という縛りがあるので、古代ギリシャコーナーもディオニュソスやエロスが多かった。) 
 
まさかおみやげコーナーに… 
あれがあるとは思わないでしょ!!?
 
 
「…ウソでしょ…!?まさか…まさかこれがここにあるなんてーーー!! 
 
 
↑(これは中に入ってた紙ですが) 
 
アポロンの像も入ってるガシャポン、『石膏デッサンシリーズ2』ーー!! 
なんという偶然!!!これまだ私、一度もやってないのよ!!(詳しくは、1月23日の日記。) 
 
黒川「…?何ですかこれ…?アポロンも入ってるんですか?」 
 
私「フ。黒川。お前はここで1分ほど待て。なーに、私が一発でアポロンを引き当ててくる。」 
 
 
…結果。 
 
 
 
――まあご覧の通りの惨敗ですよね。
 
 
私「なんで変なオッサンしか出ないんだ!?くっそ!もう一回だ…!」 
 
――と、ここで今まで傍観していた黒川が、 
 
黒川「…あの、僕も一回だけやってみてもいいですか?」 
 
と言ってきたので、どうぞ、と場所を譲り、 
黒川がガシャポンを回すと、出てきたのは――  
 
 
 
 
 
ヴェルヴェデーレのアポロン。 
 
 
黒川「あっ、アポロン出ちゃいました!」 
 
出ちゃいましたじゃねーー!! 
バカな…!!私が何度やっても出せなかったものをどうしてお前が一発で引き当てられるんだ!!?
 
どういうことです、アポローンの君!?こんなにあなたに心を砕く私よりも、こんな3年前のかしわ餅みたいな男の方がいいとでも言うんですか!? 
 
しかもこれブロンズ製のバージョンじゃねぇかよ!!(大理石バージョンと2種類ある。) 
 
あのねえ、古代ギリシャ人はね、本当に大切な像はブロンズで作るのよ。 
大理石なんてギリシャ人にとっちゃそこらへんに転がってるただの石よ!! 
だからこのアポロン像ももともとはブロンズだったのよ!! 
 
そのブロンズのアポロンを一発で引き当てるなんて…!! 
 
「なんてことをしてくれるんです、黒川さん…!!」 
 
 
黒川「…どうぞ。これ、あなたに差し上げますよ。」 
 
私「…えっ!?なんで!?」 
 
黒川「別にあなたが熱心にやっていたので僕も試してみたくなっただけで……僕、別にデッサンとかしないですし。」 
 
だったら回さないでくれるか!!? 
お前が戯れに入ってこなきゃ私は順当にそのアポロンを引き当てられたのに!! 
 
私「…大変な屈辱ですが、ありがたく頂戴いたします。」 
 
 
 
…そんなこんなで、美術館を出たところで、 
 
黒川「…あの、藤村さん、
この辺りに、ひとけの無いところってありますかね…?」 
 
 
…来た。 
 
 
――後篇に続く! 
 
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
<追記> 
ちなみに、文字数足らないかなと思って省きましたが、美術館に着くまで1時間くらい迷いました。 
黒川「六本木駅と美術館、地下でつながってるみたいですよ」 
ってアイツの言葉もウソだったし、 
高速道路の下の墓地の中をウロウロ迷ったりしました。 
  
 

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2009. 5. 30 サガ様からのプロポーズ
2009. 5. 29 【決戦当日:後半】アポロンの....
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2009. 5. 27 超取り急ぎだけどお誕生日おめ....
2009. 5. 24 【私が贈るもの】アポロンの誕....

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